【感想・ネタバレ】現代人のためのスタミナ読書 古典の読み方のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

著者が九つの古典をとりあげ、そのなかに込められた人間理解の奥深さについて論じている本です。

『論語』や『三国志』、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』やプルタークの『英雄伝』といった文字通りの古典から、日本の東洋史学に大きな足跡をのこした内藤湖南の『日本文化史研究』、そしてイギリスで刊行された、ある一人の男が性体験を語った『わが秘密の生涯』など、ジャンルを問わず多様な作品がとりあげられていますが、いずれもそれらを通して人間性の機微に触れることができるところに著者の力点は置かれています。

「文庫版のためのまえがき」には、「人間性の大根のところは、80年代も90年代も二十一世紀も、変化は見られないだろう」といい、「私はかわらぬものに目をそそいだ、時代を超えて生きているものを探った」と述べられているのですが、著者の人間観察の視線の鋭さには感心させられる一方で、古代中国やギリシア、近代のイギリスといった時代や地域を超えた普遍的な人間のありかたを想定することができるのかという疑問もあります。

0
2019年09月03日

「学術・語学」ランキング