感情タグBEST3
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主人公がいつもの伊岡さんの作品には出ないような、笑っちゃう感じの主人公。この主人公だからこそ、重いテーマでも胃もたれせずに読めた。
物理的な本の半分くらいで先が読めてしまったけれど、それでも飽きずに読み切れるのは、登場人物それぞれの背負うものがきちんと描かれているからだと思う。また主人公の家庭についても、わたしは彼の親の立場として、子ども目線からの親の見え方が面白くて、なるほどそこを突かれたら痛いと反省しました。
児童性虐待、イジメ、詐欺、刑務所、性犯罪、嗜虐性...ヘドロのような重暗さのテーマですが、本当に主人公が主人公でよかったし、若い人でも世界観に入りやすい作品ではないかなと思いました。恋愛要素というか若い方のありのままの様子が描かれているので、何度も言いますがそこが救いです。でなければ胃が重くなる内容です。
最後も想像させる部分を残してくれており、伊岡作品だなぁ、と思いました。私はとても好きです。
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やっぱ、伊岡瞬はすごい。
うまい!!
最初は突飛に見えた登場人物が少しずつ人間味を帯び、魅力を持ち、気がつけば引き込まれている。
一平のように。。
一気に読み終えました
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サスペンスという以外にはどのような作品かいまいち分からず読み始めました。浪人生の一平君がふとしたことから、3人のお姉さん方と少年に巻き込まれていくお話。
やり取りの描写というか一平君がほんろうする姿が、何とも、面白く楽しめました。夏樹さんとも、もう少し、いろいろあってほしかったなという願望。サスペンスとしてはいまいちすべてがよくわからなかった。都合がよすぎるし、すっきり感がいまいちでした。
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大好きな伊岡作品!アパートの住人たちと、主人公の絡みが面白い!どうして主人公はアパートに行ってしまうのだ、と悶々とした笑 でもアパートが拠り所になるくらい、主人公もきつかったんだろうな。
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警察ものとは違う伊岡瞬のもう一つの一面。初期作品にあったほっこり系。
読み始めは正直、ん?物足りない?と思ったものの気がついたら結構な頁が進んでいて、ああさすがだなという読ませっぷり。
重すぎない展開も案外心地よい。
他の既刊単行本も早く文庫化しないかなあー。
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気分が悪くなるような過激な場面と協力して何かを成し遂げようとしている場面で感情が激しく動いた。
終わり方がいまいち腑に落ちていないが、読んでいくうちに最初の説明していなかった部分と結びつきとても楽しかった。
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出会い/計画と実行/発覚/報酬
浪人中の一平くん。バイト先で倒れた葛城の帰宅に付き添ったことで出会ったのは、彼の経験の範疇を超えた人たちだった。
なぜ?なぜ?どうして?どうして?
そんな思いが積み重なって行く。背景にあったものが表れて少しわかってくる。
彼女らの選んだ未来が明るいといいなぁ
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浪人生の一平は、バイト先て倒れた葛城に付き添って行った自宅のアパートで三人の奇妙な女性と少年に出会う。その女性の一人の夏樹にもうこのアパートに来るなと言われるがその真相とは
主人公の一平は決して器用でない分、進路のことで父親とも関係が悪い。最初は聞き分けの良くない父親の印象に悪いイメージを持ったけど、後半、ある出来事で父親ってそんな役回りだなと感じることになる。
そして、好きな人ができると人って変わるし、強くなるのだなと感じました。
もう一人の大物政治家の息子で、事件を起こすけど巧妙に立ち回って難を逃れてきた恭一の暴走がどこへ向かうのか気になるところ。
三人の女性の一人でおどおどとした態度の多恵もまた、変わろうとする姿に、応援したくなる。
そして敵と思えた人がキーを握るけど、物語の流れを見てこれは想像できた展開。
弱者への性被害は言い訳なしに許せないと思う。
これは、現実の世界でも何とかならないものだろうか。
家族の姿を見て、決してお金や地位のある家族が幸せな訳でもないし、本物の家族でなくても、家族以上に心配する人もいる。もちろん、不器用に心配する家族だっている。
対象的な3つの家族が印象的でした。
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あらすじを読んでオモシロそうと感じたので、
読んでみました。
スローテンポな展開でしたが、
2つの関係なさそうな物語の
繫がりが見え始めると一気に面白くなり
結末を知りたくてあっと言う間に読み終えてしまいました。
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著者とあらすじに惹かれて買いました。関係のなさそうな2つのストーリーが交錯していくのに引き込まれました。だれることなく常に盛り上がり、一気に読み終えました。エグい描写がありながら青春のような読後感でした。想像を超えるような衝撃はなかったですが、それが逆にリアルでした。
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なんか今作はいつもの伊岡瞬作品とは違うような軽いノリだな、と思っていると、そんなに違わない描写が続いて、精神的にダメージを食らう。結局根幹には重苦しいものがあるのは変わりない。主に2つのストーリーが交互に進み、徐々に交わっていく様は先が気になり次々読んでしまうし、ドロドロしたいやーなものを残すかと思いきや、特にそんなものもなく良かった。少し太田愛作品に近しいものを感じた。
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まずは、ひこばえ荘の人たちのストーリーと吉井のストーリーが交互に描かれている。
どちらの話しもいい意味で伊岡さんらしい気色悪さを感じさせながら進んでいく。
そして、吉井への脅迫状から一気に両ストーリーが交わっていくのがおもしろかったです。
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遠くの親戚より近くの他人、をまさにリアル化したようなストーリー。また、同じ経験を持つ者同士の結束力の高さも感じ取れる。
壮大な計画に巻き込まれる形で参戦していく浪人生と、他人同士でありながらも家族以上の思いやりや絆によって悪を追い詰めていく、ある意味被害者な前科者たち。
こうしてまとめるとスッキリだが、被害者の傷は根深く、そこはスッキリといかないがこれが犯罪被害者の現実なんだろう。
最初は全く接点のなさそうな二者の立場から描かれる話がどう交錯するのかまるで見えてこなかったが、途中からわかりだすと一気に読めた。
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文庫書き下ろし作品。
500頁近い作品だが、リーダビリティの高さと先が気になる展開で一気読み。
浪人中の堀部一平が、バイト先で体調を崩した葛城直之を家まで送り届けた事がきっかけで物語は動き出す。
葛城が暮らすアパートには、前科のある女性3人と小学生男児が奇妙な共同生活を送っていた。
彼女達の企みに、まんまと取り込まれていく人が好い一平と、一平とは対照的に嗜虐性のある青年・吉井恭一。
点と点が繋がり、一本の線になる頃には、この壮大な計画を応援している自分がいた。
勧善懲悪物は大好物。
彼女達の頑張りと友情に心が和む読後。
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久しぶりの伊岡瞬ワールド楽しめました。
登場人物みんなキャラが立ってて、話の展開も面白かったけど、本のテーマはいまいちよくわからなかったかな、、
あと結構いろいろ詰めすぎた感はあったかも汗
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浪人生の服部一平と政治家の息子吉井恭一との二本軸で展開していく。一平が知り合った三人の女性と小学生の男の子は過去に複雑な問題を抱えており、一平を巻き込み復讐を果たそうとする。吉井は嗜虐性を持ち、いつも爆発しそうな衝動を抱えている。幼少期のトラウマがどう変化して自分を形成していくのか。不幸な出来事だっただけでは済まされないほど、その後の人生前へ踏み出すには大きな力が必要とされる。ページ数が多いけれど面白くて一気に読んだ。ただ、一平には、もう少し冷静に判断して首を突っ込むなよとハラハラしてしまった。
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前科持ちのお姉ちゃん達とバイト仲間のおっちゃんに、巻き込まれる浪人生。
作者違うけど、詐欺が前提にあったのか、「カラスの親指」などを連想してしまった。
しかし、ええもん側も悪いもん側も、何か過去がキツ過ぎちゃうか…
まぁ、悪い方の罪状は、どんな事あっても、許せるもんではないけど…
事前に、これを止めるのは、議員さんのお父ちゃんやとは思うけど、ボロカス言ってるしな…あかんわ。
話はそれぞれ並行して進んでいくんで、コイツ悪過ぎ〜!って分かっても、それがどう繋がっていくんか分かるのが後半。
しかし、安易というか、忠告も守らんと、衝動に駆られて動いてて、今まで上手くいき過ぎてたんとちゃうの?
あっさり、お姉ちゃん達に嵌められて…
でも、コイツも悪いけど、コイツのお父ちゃんもな…
そら、それなりの終わり方になるわな。
お姉ちゃん達は、これからは、自分達の為に生きて下さい!
しかし…惜しい!
「特別招待券」
使い〜や!ムリせんと!
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伊岡さんらしいイヤ〜な感じから,最後は意外なほっこりハッピーエンドでした。いつもとはちょっと違う雰囲気の作品でした。最後まで,犯罪らしい犯罪は起きずに、終わったので,肩透かしを喰らったように思いました。
いい作品だとは思いますが,好みではありませんでした。
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普通に生きていただけなのに様々な悲劇に追い込まれた結果罪を犯すことになってしまった晴子や夏樹は、主人公の一平がいる普通の世界にいつでも復帰できるだろうと思いながら読んでいたが…。
不器用ながら子を心配し怒る親がいて戻る場所がある一平と、家族も家も全て失って戻る場所もなく転々とするしかない夏樹たちの終盤の明確な対比で、罪を犯すことの影響力を強く思い知らされる。
「あなたは選択肢をいくつか持っている。それを幸せっていうのよ」の言葉が後から後から効いてきた。
推理のエンタメ性より人間を見つめたテーマに深い“味力”。
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前半は何かが起ころうとしている怪しげな感じが続きます。中盤から徐々に見え始めて俄然読書スピードが加速します。最後多少ご都合主義的な展開もありながら終着しました。
中々手の込んだストーリー展開をよくぞ書き上げましたといった印象です。とにかく、中盤からラストまでページを捲る手が止まりませんでした。
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子供相手の犯罪の場面は気持ち悪さしかなかったけれど 明るい場面もある
この作家さんの小説にしては珍しいなと思った
読みやすくそれぞれ登場人物のキャラクターも良かった
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平凡な浪人生がある訳ありの人々と
関わり奇妙な人間関係を築いていく。
それは、危険な道への始まりだった。
謎めいた女性三人と子供一人と
バイト先の同僚の年配の葛城を取り巻く
四人の関係はある計画の一つだった。
今、社会問題となっている幼児への虐待
と性被害を背景に、被害者が過去のトラウマ
から残虐な加害者になる人生も闇だらけだ。
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晴子たちが、吉井恭一をジリジリと少しずつ苦しめて、脅迫していく流れに、一平とともにどうなるか気になって読み進める。
最後、恭一が部屋に侵入してこれからもう人波乱か?!と思ったら、するするっと終わってしまって、残念。
国会議員と元警察官が考えたことで事件が、晴子たちの思いがすぐに解決してしまった。
追い詰める過程がドキドキしただけにもったいない。
晴子たちの先が気になった。
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伊岡さんの作品にしては少し明るめの描写もあり珍しい作品だなという印象。
でよダークな部分もあり、丁度良く融合されていると思った。
ただ伊岡さんの作品ならとことんダークな内容が読みたいので少し物足りなかったかな。
でもこれはこれでありだと感じた。
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イマイチ。
キレが無いなあ。
最近、伊岡瞬君オモロない。
初期の頃は書店で新刊を見つけるとワクワクしたが、今は、一応手には取るが買おうかどうか迷うもんなぁ。
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浪人生の堀部一平は、バイト先で倒れた葛城に付き添ってアパートまで送る。
その隣りの部屋から次々と現れた年齢ばらばらの女性たちに小学生の冬馬。
アパートのお隣りさん同士かと思っていたが、何やら奇妙な関係だと…。
何度か葛城が胃痛で倒れるたびに、アパートへ訪れる回数も増えてきて、いっしょに食事したりするなかで、彼女たちの隠された目的が明らかになっていく。
それに並行して動いているのは、議員の息子・吉井恭一の嗜虐的行為である。
犯罪も悲劇も連鎖するというのが、なんとも堪えられないことである。
うやむやになっている犯罪が、闇に葬られているのかと思うとやるせない気持ちになる。
終わって、スッキリとはどうもならなかったのだが。
みんなそれぞれのところへと黙って行ったのが、引き摺らない潔さということだろうか。
Posted by ブクログ
気分が落ち込む系の作品が多い伊岡作品の中で擬似家族ならではの温かみやキレイなラストで読みやすかった
主人公も特に嫌味もない
サスペンス系だがそこまでハラハラドキドキという感じしない
善の主人公側vs悪の恭一側という構図が作品にメリハリがあってよかった