【感想・ネタバレ】女帝の古代日本のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

古代の女帝にどうしても惹かれてしまう私です。。

本書では古代に即位した6人(重祚含め8代)の女性天皇について、その即位に至る経緯と背景を探っています。
女帝は、皇統の母を持つ皇子がいないなどの資質に問題がある場合や、いても若い皇子(30歳以下)しかいないときの王統の中継ぎ的存在で、古代はまだ天皇の権力と地位が安定していなかったために存在した、(よって国情が安定した後は幼帝が即位できるようになり、女帝が現れなくなった)また、天武・持統系の皇統を守るためにも女帝は不可欠だった(だから天智系の光仁に皇統が替わってからは女帝は現れない)というようなことが書かれていました。

印象に残ったことは、前半の女帝はすべて皇后出身者でありまた、すべての人物が立太子し譲位をしているという事実。中継ぎも大切な役割でした。
それから、いつも出てくる「不改常典の法」、改るましじき常の典。
親子相続の正当性を主張するものですが、天武系の皇統を維持するためにずいぶん多用されていたんですね、知りませんでした。
知らなかったと言えば、孝謙が重祚したことを示す具体的資料が、実はない、とのこと!これにはかなりびっくりしました。淳仁廃帝、皇太子を擁立しなかった=重祚、と解釈するんですって。

最後に。。
(主題でないとはいえ)厩戸の存在を100%肯定して話が進んでいくところにホッとしました。
最近は教科書までその存在を疑問視する風潮ですからね。私は彼が好きなので、実在説を信じてるのです。 。

0
2013年04月27日

「学術・語学」ランキング