【感想・ネタバレ】「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~のレビュー

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Posted by ブクログ

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こないだ読んだ『ソクラテスはネットの「無料」に抗議する』につづいて認知バイアスがでてきました。本書は2012年、『ソクラテス』は2013年に出版されています。認知バイアスは、この時期、気にかけられるべきとされたトピックのひとつだったのでしょう。それはまさに、東日本大震災と福島第一原発事故の直後でしたから。認知バイアスは、いわば偏見のような、脳のクセです。たとえば以前、「こんにゃくゼリー」がのどに詰まる事件があり、消費者たち(一般人たち)やマスコミなどによってメーカーが叩かれましたが、おなじく、というか、「こんにゃくゼリー」以上にのどに詰まる被害者のでる「餅」についてはこの問題の俎上に乗りませんでした。ここには、同様のリスクをもっていたとしても、新参の目新しいモノについてのリスクには敏感になり、昔からあって一般化しているもののリスクは低く見積もるというバイアスが存在していると、著者は説明します。そして、そういったバイアスのために、このケースでいえば、メーカーの経済的損失が大きくなってしまった。これこそ、リスクを考え損ねた損失なのです。また、リスクとはトレードオフという考え方を適用するべきもの。トレードオフとは、一方を取れば一方を失うという道理についての言葉です。一挙両得だとか、一石二鳥だとか、そういうものもありますが、多くのケースでリスクを考えたときには、トレードオフの関係になる。ましてや、ゼロリスクを求めて過剰に対策を行って、精神的に疲弊したり、経済的なコストがかかりすぎたり、時間をとられすぎたりと、そのために生じるいろいろな交換損失があります。だから、ちょうどいいところで落とし所を見つけることが大切になるんです。

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2020年08月09日

Posted by ブクログ

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おそらく、この手の判断の難しさはネット化によってさらにめんどくさくなる方向に行くのだろう。(ネットハウリング)

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2016年06月27日

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