【感想・ネタバレ】山ん中の獅見朋成雄のレビュー

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Posted by ブクログ

普通の小説と思いきや途中からどんどんおかしな展開になっていきますが、いえいえ、それでも舞城らしくぐいぐいと、山ん中でのアリエナイ空間が当たり前のように、どんどん進んでいって、成雄も成雄で適応していって、それでもやっぱり、ちゃんと進むべき道を歩く、いや、突っ走る物語。

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2011年05月16日

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なんだか平和な感じです。いや、これも結構なことをやっていらっしゃるから、平和というのは危ない気もしなくもないのですが、やっぱり「煙か土か食い物」とか「九十九十九」と比べるとのほほんとしてます、舞城さんの中では。それでも十分面白いですよ!一気に読んでしまう。私も一日で読みました。やっぱり舞城さん素敵。

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2009年10月07日

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久しぶりの舞城ワールドを楽しんだ。

本作品も福井が舞台で福井弁で、いつもながらの圧倒的文圧で見開き2ページが文字で埋め尽くされてて、スピード感満載で、擬音だらけだけど的確なので本当に音が聞こえてくるようで、それでいて純文学ぽくもあってでも最後の方は結構しっちゃかめっちゃかで、しっちゃかめっちゃかなんだけどなんか爽やか系のようでいてでもグロテスクな場面もあったけど、やっぱり舞城王太郎は好きな作家の1人だ。

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2019年10月22日

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舞城王太郎にしては読みやすいように感じる作品(笑) 色々と謎は残るけど,ミステリでもないしまぁそれはいっか,と割り切れば面白く読めます。分量的にもさくっと読む分にはいいかと。

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2016年01月25日

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背中に鬣のある成雄くんが、書道家に弟子入りしたり馬を追っかけたり変な集落に迷い込んじゃったりして走りまくる。けれど他の舞城作品に比べれば穏やかで、少しファンタジーっぽくもある。

……などと呑気に読んでいたら、さらっとグロくなってさらさらっと自分が自分でなくなってしまい、うわぁ油断した、やられた、と思った。
舞城作品の登場人物たちは、頭がよくても間違う。きちんとリスクを考えて、その上で自分の頭で物事を決定するのだが、それでも現実はさらにその上を行くのである。成雄くんが鬣を剃ってしまう場面は、彼の判断の上の予期しない間違いとして非常に印象的だ。

何をどうするか、目の前のことにどう対処するか……これまで築き上げてきた「自分」がそれを決める。しかし、その主観が昨日までと全く変わってしまったら? 
過去の自分に囚われない、ということは実際に可能なのだろうか。過去の自分を失うということは、現実とのつながりを失うということなのではないだろうか。

失敗して、間違っていくからこそ、私は私でいられるのかもしれない。昨日までの自分に振り回されること。形式を失わないこと。走り続ける成雄くんは、一体どこへ行くのだろう。

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2015年11月15日

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鬣とカニバリズムとエトセトラ。めまぐるしく変わるスピーディーな展開で成雄の疾走は続く。そのままのスピード感で終わったのが気に入った

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2014年11月17日

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らしい青春小説!独特の感じがかなり薄いです。が、読みやすいです。
若者がくさくさと悩んだり試して見たりする末に舞城王太郎的エンドを迎えます。
この人の書く人物からは、先真っ暗でもとりあえず進めば?という勇気を貰えます。

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2011年10月10日

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まず特異な文体にやられます。次に独特の擬音にやられて、唐突すぎる展開の数々にとどめを刺されて、完全に物語世界に引き込まれます。かなり無茶な展開が数多くありますが、読み終わって振り返ってみるとしっかり筋が通ってるように思えるから不思議です。九十九十九よりはぶっとんでませんが。音、匂い、味など五感の表現が秀逸だと感じました。

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2011年06月23日

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まずもって、舞城王太郎の魅力は文体につきるといっても過言ではあるまい。
というのも、舞城の作品からこの文体を取り去ると、なんじゃこれ、というような「誤解」を、何よりも先に、受けてしまうからである。

いつもと同じように、福井の田舎から物語は始まる。
そして、ある青春真っ直中の少年の、ひたすら疾走する話である。

こう、書くと大変つまらないものに思えてくるが、そうではない。
青春の青臭さや若々しさ、初々しさ、そういったものが立ち上ってくる作品だ。

少なくとも私は、これを「青春」小説だと理解した。

物語の内容が如何に荒唐無稽で、ファンタジー・ノベル的で、「文学」的でないとしても、一気呵成に読ませる文体の魅力は健在だ。

物語が佳境にさしかかるにつれて、文章もスピードアップしていく。

佳作。

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2010年01月30日

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なんだか幸せな気分になる。
これが、舞城王太郎の小説を読んだときの読後感である。
この物語も今までと同じような語り口で、SF小説のような展開で話が進んでいく。
しかし、言いたいことは伝わる。
はっきりとした形を取ることは出来なくても、しっかり伝わってくるのである。
と、主張してみたところで、何も分からないが、幸せになれることは確かである。

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2009年11月22日

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久々の長編。主人公の鬣のある少年の青春にかこつけた、カニバリズムの是非を問うファンタジー作品。こんなのも書けるのかと呆然。すごい。最後は結局パーソナルなラヴで解決(?)しちゃうあたりも舞城らしい。面白さだけなら9点級だけど、量が物足りなかったので減点。省略が多いのはドライヴ感を出すためなのかもしれないけど、ちょっと今回はやりすぎかな。せっかくいい世界観なので、もっと詳しく丁寧に書いても良かった。もっと読みたかったー!

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2012年01月09日

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相変らずのまいじょー文体。
他のまいじょー作品に比べれば、確かに目立たない。

けれど、目立たないからといって駄作なわけでは決して無い。
読めば分かる。

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2009年10月04日

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<僕の首の後ろにも、他人よりもちょっと濃いめの産毛が生まれたときから生えていて、これが物心ついたころから僕の抱えた爆弾だったのだけれど、十三歳になってすぐのある晩、自分の鎖骨をこすっていて、そこにいつもとは違う感触を感じてうつむいて、首元に赤くて長くてコリコリと固い明らかな鬣の発芽を確かめたとき、それまでは祖父と父と同じように背中に負ぶっているつもりだった爆弾が、気づけば僕だけ胸の上にも置かれていたと知ってショックで、その上さらにその導火線にとうとう火が点けられたのを実感して、僕は絶望した。―福井県・西暁の中学生、獅見朋成雄から立ち上がる神話的世界。ついに王太郎がその真価を顕し始めた。ゼロ年代デビュー、「ゼロの波の新人」の第一走者が放つ、これぞ最強の純文学。>
現実と薄い膜で隔てられた(というような)異世界の話なので、疲れたときなんかにいいと思う。おもしろかった。

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2009年10月04日

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舞城さんの作品を初めて読んだのがこれ。
すぐに独特のありえん世界にはまった感あり。

グルーヴ感と冷めた感のバランスがよいね。

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2009年10月04日

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こんなところにも擬音師匠!
しゅきりじゃしん しゃ がしお
しゅきりじゃしん しゃ がしお

キャラクターが全員憎めない感じ。
モヒ寛とか濡暗樹とか名前もかわええ〜

すごく爽やかだった。サワヤカ!

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2009年10月07日

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成雄シリーズ。舞城版不思議の国のアリス。『千と千尋』って言ってる人もいて、確かにと思った。スピードボーイよりは好きかなあ。相変わらず起承転結とかかなぐり捨てててめちゃくちゃで、でもそこが面白かった。次は獣の樹、読みたいです。

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2020年12月25日

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初めての舞城さん。
なんだこれ…評価しづらい。
文体、設定、展開、擬音語、人物などなど…どれも新鮮。
よく分からないけど、印象的な作品でした。

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2013年08月30日

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―――中学生の獅見朋成雄はオリンピックを目指せるほどの駿足だった。
だが、肩から背中にかけて鬣のような毛が生えていた成雄は世間の注目を嫌い、より人間的であることを目指して一人の書家に弟子入りをする。
人里離れた山奥で連日墨を磨り続けるうちに、次第に日常を逸脱していく、成雄の青春、ライドオン。


ひさびさ舞城

それにしてもこの改行の少なさよ笑”
本編は230ページやけど、文圧は500ページ分ぐらいある感じ

最初のほうで

「わー!レロレロンバンバブラブラアアアア!」

とか言う主人公も

「罪とは何だろう。」

と悩む。

このカオスっぷりも舞城の魅力の一つ笑”

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2012年12月30日

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はじめこのまま話が進んでいくのか?っと思っていると
途中から舞城ワールドの千と千尋に入っていきますw

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2012年01月23日

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『起こるかどうかが問題じゃないの。その可能性を考えなきゃいけないところが問題なの』

『いいよ別に。成雄君のほうが気に入ってるもん。生活する場所なんて、どこでもいいんだよ。問題は誰と生きるかってこと』

『そんじゃあさ、とりあえずこのトンネルから出たらさ、まずはそこから直していこっか。どう?』

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2012年01月07日

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環境によって変わる倫理観…的な?わかんねー。カニバリズムっぽいので苦手な人は避けた方がいい。とりあえず私は成雄の倫理観がちょっと不気味で怖かった。

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2010年07月24日

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獅見朋成雄が山ん中で自分を見つめなおしていく物語。
「愛」を高らかに歌わない舞城王太郎ってのも、あるんですね。
成雄は結局「人間」なのだろうか。俊足シーンが爽快。

MVP:モヒ寛

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2010年03月22日

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いつものハンマー投げのハンマーになったかのようなドライブ感は抑え気味。
でも、この作者は間違いなく今の若い世代の葛藤や鬱憤や切なさを表現しきっている。
鬣と馬の使い方が絶妙。

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2010年03月02日

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相変わらず気持ち悪い本を書く。

最後どうなったのか・・・全く覚えていないが、
未知の土地でのカニバリズムに慣れていく主人公、
ここで何か描きたかったのだろうか?
その意図はわからないが、勝手に勘ぐって共感。

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2010年02月15日

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わけわからん世界観。「みんな元気」系かな。「みんな元気」より面白かったけど。

夢のような物語だった。あ、寝て見るほうの夢ね。念のため。
日常的な場面かと思えば、いきなり危険に陥って何者かから逃げたり、戦ったり、美女とのラブロマンスに発展したりみたいな夢ってたまーに見るよね。それぞれが夢の中では繋がっているのかもしれないけど、記憶から欠落したのか(あるいはそもそも繋がっていないのか)、思い出してみてもそれぞれの場面に全く脈絡がない、波乱万丈で断片的なピースのような夢。
そういう夢を見ている感覚に近かった。全く展開が読めないし、一応奇妙な世界観のおかげで筋は通っているが、殆ど無茶苦茶と言っていい。途中までモヒ寛を襲った犯人の凶行を止める、ミステリーかアクションかに展開していくのかなと思っていたら、主人公の中学生めっちゃ容易に人殺してるし、カニバリズムなんかも受け入れているし、完全に予想の斜め上を行ってくれる。
で、ちゃっかり美少女といい仲になっていて、ついでに主人公の相棒というべき「老人」モヒ寛も知らぬ間に美女と懇ろになっている。ただ、それは夢のご多分に漏れず、これからその美女とのいい場面!って所で目が覚めて、夢ならばその続きを見ようと二度寝を頑張るわけだけど、この本もまさにそういう夢のような終わりを迎えている。舞城王太郎も実は夢から着想を得たんじゃないだろうか、と思ったり(笑)
てか、こんな夢見ているの自分だけだったら嫌だな。いや、殆どの人が見たことあると勝手に確信しているけど!

それにしても、本を読むたびに毎回これほど感心させられる人は珍しい。すごい奇才の持ち主だと思う。
まず文体がおかしい。真面目に書いてるのか?と疑いたくなるが、脳裏に浮かんだ言葉を、その連想に従って忠実に、オートマチックに、紙面に打ち出せば、こういう感じになるんじゃないかなとも思う。実際この勢いある文章を緻密に計算して書いているとは思えないし。
あと、擬音とか表現がそもそも独特で面白いんだけど、この本で一番すごいと思ったのは、大根の煮物の美味しさを語っているシーン。文章表現の極致を見た気がする・・・とは言いすぎかな(笑)本当にリアルな美味しさが伝わってきた。舞城の作品は他人には勧められないけど、その場面だけでも読んでほしいと思う。

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2010年02月26日

Posted by ブクログ

ちょっと気分が悪くなる…。
私が読んだ舞城作品の中では、珍しく陰鬱というか。バッドエンドでしょうかねこれは。

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2009年10月04日

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タイトル通り、山ん中の獅見朋成雄の話。

突然山の中で目の前に馬が現れて、山の中に隔離されたような世界があって、とか本当に西暁ってすげーよ。

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2009年10月07日

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モヒ寛の「節度を守る事こそが美」に深く共感なのです。
カニバリズムも女体盛も、欲望だけ突き詰めちゃあいけない。人間らしくない。

それを15歳のなるちゃんが15歳故に全部受け入れそうになって、でもモヒ寛はちゃんと正しい道に導いてくれる。
めっちゃ男の友情やないですか。そして影の主役は明らかにモヒ寛です。
モヒ寛、ええオトコや。

舞城の鬣描写もすごい良かった。みっちりした若々しい生え具合をストレートに感じさせてくれる。山ん中描写もいい。
スピード感があって荒々しく感じるのに、描写の完成度が高いのがこの人の凄さやなぁ。

08.11.15

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

途中で終ればよかったのに。モヒ寛とナルちゃんの友情辺、つまり序盤は最高でした。凄く笑った。これは久しぶりの笑える本だな・・ととても後半に期待したのでびっくりでした。そしてがっかりでした。モヒ寛が殴られてナルちゃんが犯人探しをスタートするところまではよかったんだけどね。やっぱり此処で煙か土か食い物の素晴らしさを期待してしまう私はアウトかな。しかしそれにしたって無理矢理でしょう。ナルちゃん別人すぎるよ。二つの物語を繋げた意味がわかりません。最後の最後で理屈を持ってきたがるのはなんでなんだろう。やっぱり全体的に見てつまらなかったなあと思ってしまいます。星は序盤だけで三つ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

うーんやっぱ熊の場所とか土か煙か食い物の方が好きだなー。
「ほよ?」って感じ…
ヒトボンはちょっと体験してみたくもある。

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2009年10月04日

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