【感想・ネタバレ】発達障害と呼ばないでのレビュー

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Posted by ブクログ

発達障害は生物学的基盤によって起こる中枢神経の機能的発達の障害とされ、遺伝要因が強いことがわかっている。

しかし、遺伝要因が強いはずの「発達障害」と診断されるケースが近年急増している
その背景には、第二の遺伝子とも呼ばれる"愛着スタイル"が関与していると考えられる

生育史上の問題は、心理学的な問題だけでなく、生物学的、生理学的なレベルでも影響を及ぼしていることがわかってきた
ここで引き起こされる症状が、発達障害の症状に類似するのだ

そのため、専門家は発達障害と愛着障害を見極める必要がある

ところで、「障害」という診断は子どもにくだしてもいいのか。
前向きに乗り越えれる子どもがいる一方で、強い自己否定にとらわれる子どももいる。

また養育要因があることについても専門家は慎重に扱わなければいけない。
不用意に養育者に責任を求めると、子どもだけでなく親までもが強い自責の念に囚われてしまうからだ

そのことを踏まえ、周囲の大人が「発達障害」と呼ばれる子どもたちの特性を見極め、そこを伸ばしていけるような環境をサポートできるのが理想であろう

✏安全基地として機能しているかどうかを見分けるには、「何でも話せる人がいますか?」と尋ねてみれば良い。
そこで親や配偶者など身近な家族を挙げる人は、安全基地がうまく機能している人である。
それに対して、誰もいないとか、家族以外の友人やメル友しか心を打ち明けられないという場合、赤信号だ。

0
2022年02月17日

Posted by ブクログ

ADHDが発達障害であるかも怪しい、など発達障害について改めてかんがえさせられる本だった
実は幼少期の育て方に問題があるとか

最近のなんでもかんでも発達障害にむすびつけようとする傾向を批判してるような感じの本だった

環境って子どもたちがいかにのびのび生きてゆけるかっていうことにとてつもない影響をあたえるんだなー

2
2012年12月05日

Posted by ブクログ

勉強用としてメモをとりながら読む。なんでも発達障害として片付けてしまうことに疑問だったが、非定型発達との呼び方に変えるだけで、どれだけの子どもが健やかに育てるだろうと思う。改めて子どもを育てることの大変さを思う。求められたら応答する。過剰でも不足でもなく、与える。簡単なことなのに、とても難しい。

1
2023年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近よく耳にする「発達障害」という言葉だが、この本はタイトルが気になり読んでみた。

この本では発達障害の種類や症状などについて詳しく書かれているところが
ほとんどないので知識がない方は事前に入門書的なものを1冊読んでおいた方が
いいかもしれない。

近年、発達障害と診断される子どもや大人が増えていると言われているが
子どもが生まれてからすぐの母親の育児態度、心理状態、家庭環境、
両親の仲が悪かったりすると発達障害に似た症状や問題行動が出ることがあるという。
このことを知っただけでも読んだ価値があると思うが、筆者は安易に「障害」と
診断しすぎることに警鐘を鳴らしており、幼いうちなら親の気遣いや家庭環境の改善で
症状や問題行動が落ち着くこともあるというのだ。

また日本型教育の問題点やどんな気質や環境で発達障害やそれに似た症状が出やすいか、
また親が子に関わらな過ぎておこる愛着障害(発達障害に症状が似ている)
についても触れられており、教育関係者やお子さんがいる方、これから
お父さんお母さんになる方にすすめたいと思う。

中学、高校生以上の子どもの問題行動にも的確なアドバイスもされており、
読字障害のトム・クルーズや社会面で発達が遅れていたビル・ゲイツを例にあげ
様々な問題に対する対処法や生活の仕方、子どもの養育だけでなく
オトナの人間関係のヒントにもなる部分もあり興味深く読めた。

1
2013年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

発達障害と比較しながら、愛着障害についてまとめられている。障害の遺伝率や愛着スタイルの臨界期など具体的な数値とともに載せられており、分かりやすい。親と教師の子どもに対する関わり方について、大切にすべきことは共通する部分が多いと感じた。

・発達障害が短期間に増えている理由は、定義の拡張+環境変化によるもの。
・双生児研究による遺伝率
自閉症9割 スペクトラム7〜8割 IQ7割弱
読字2〜5割強(飲酒や喫煙でリスク1.6倍増)
ADHD6〜7割 *体重の遺伝率も同様
愛着障害2.5割程度
・親のうつ→2次的に愛着障害につながる。
・愛着の臨界期は1歳半頃
・1歳未満で預ける→愛着や発達面で影響大
⭐︎愛着は量より質 子ども視点からどうか
・抵抗→絶望→脱愛着
・愛着=生理的な現象+大人の愛着スタイル反映
 +スキンシップや授乳など…
・遺伝要因も少しは関係している。
・愛着は社会性、知的発達もバックアップしている
・1歳半時の愛着パターンは7割の大人が同傾向
・愛着パターンは18歳頃にスタイルとして固定
・幼少時の可愛がり度が生涯にわたって影響
・オキシトシンシステム
・アジア人種は母親の接し方による影響大
・自閉症スペクトラムは上位階層に多い。
・ADHDは貧困層に多い。
・画面控えめ+適度な不足状態の方が意欲増
・安定愛着を育むために…感受性+応答性

0
2021年07月23日

Posted by ブクログ

オキシトシンは女性、バソプレシンは男性。
それぞれの発達特性のタイプによっての関わり方が具体的に記述されているのでわかりやすい。
共感性が高い人は感受性が高い。低い人は相手の気持ちを理解しにくいし、自分を省みる能力が弱い傾向が見られる。両者は結びついた能力であり、リフレクティブ.ファンクションと呼ばれる。
リフレクティブ.ファンクションを高めるには、心に関心を向けられる時、心を探すが、心に関心が向けられないと、心は育たないと言うことである。相手の行動から気持ちをくみとっており、する言葉にするのが上手な人マインド.マインディドと呼ぶ。例えば感触を起こして泣き叫んでいる子供に、「うまくできなくて悔しかったんだね」「自分でやろうとがんばったんだね」と語りかけ、その子の気持ちを代弁することで子供は自分の気持ちが受け止められたと感じるだけでなく、自分の心のプロセスが理解できることで、気持ちをコントロールしやすくなる。気持ちをぴったり言い当てられると、興奮が収まるものである。うまく一言で相手の気持ちを言い当てられなくても、全く心配は要らない。相手の反応に応じて言い方を変えていき、何度かやり取りしながら、相手の気持ちに近づけていくというプロセスが大事なのである。

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2015年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

発達障害の本かと思ったら違った
発達障害と診断される子ども、若者が爆発的に増えているのは愛着障害や自閉症スペクトラムをもいっしょくたにしてしまっているから
発達障害と愛着障害では対処法がかわるから慎重さが必要
発達障害と診断された保護者は強いショックを受けるので慎重さが必要

学習のタイプは常々感じることだったのでまとまっててよかった
視覚空間型、視覚言語型、聴覚言語型

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2017年05月02日

購入済み

なるほど。

いわゆる発達障害と言われるような症状は、遺伝子と育成環境の双方がその発生に関わってるよ、という話。
特に最近は遺伝要因説が主流になってるので、育成環境が与える影響を忘れないでおこう、という話。

0
2015年03月27日

Posted by ブクログ

文章を読み進めていけばいくほど、人間ってそうなんやろうなあと頷いていました。
第五章の発達障害は社会を映し出す、の章が印象的です。
社会の変化で愛着を育むのが困難になっただけではなく、そもそも発達障害やアスペルガーの特徴を持った遺伝子が生き延びやすくなってるのでは、という提起はなかなか衝撃的。
岡田さんの著書は本当に良心的。こういうひとが、本が、増えてもっといろんなひとに読まれてほしい。
ひとを壊すのもひとやけど、ひとを癒すのもひとである。本当に。

0
2012年10月11日

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