【感想・ネタバレ】桐島、部活やめるってよのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年05月12日

『桐島が部活をやめるらしい』で繋がる同じ高校生のオムニバス。
恋愛、部活、家庭、友人関係の全部がリアル。
一度は考えたようなこと、見たことのある描写が多すぎて青春を感じた。
朝井リョウ本当にもっと読みたいです

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

あの年代特有のものとして描かれる感覚はわざわざ書くまでもない当たり前のものと感じられる部分が多いし、作中で言うところの「上」に対する「下」の視線が、「上」を知っている者が想像する「下」にとっての「上」でしかないような、そういういやらしさはあると思う。しかしそういったことを差し引いてもなお、すごい小説...続きを読むだった。なによりも印象的な場面を作るのがあまりにもうまい、わけても菊地が前田のひかりをとらえるところはすさまじく、よそから見れば完璧に見えるひとにも傷があり、除け者にされがちなひとにも輝くものがある、という、それまでに繰り返されてきた(嘘っぽいポジティブさではなく)どらちかといえばネガティブな視点が素描する前向きな着地が、個々の揺らぎがちな生に確かな肯定をもたらす輝きとして結実したかのような感があった。無論、現実はそうでないかもしれない。それでももしかしたらほんとにそうかもしれないし、そうであってほしいと素直に祈れるようなリアリティが、この小説にはあった。しかもそういったことたちを『桐島、部活やめるってよ』の題と構成で描いてみせただなんて、ほんと、とんでもないことだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月25日

朝井リョウの別作品を読んで好きになり、やっとデビュー作品を読んだ。

小さい頃に映画を観てよくわからんなと思ったんだけど、「学校」という場で過ごした後に小説読んでみると共感の嵐だった。

高校時代、登場人物達みたいに色々考えていたわけではないから自分が共感していいのか申し訳ない気持ちになるけど、でも...続きを読むわかる。

特にクラス内の「カースト」の描き方がリアルだった。「カースト」なんて言い方したくないし、「陽キャ」「陰キャ」なんて分け方もしたくないんだけど、実際に色々な人がいるクラスにいれば嫌でもそんな風に人を分けてしまう。そんな中で、「カースト」が「ある」のに「ない」ようにふるまったり、「カースト」が違う人同士はギクシャクしたり、仲良くしたいのに周りを気にしてうまく関われなかったり...。

教室の居心地の悪さとか、何かに夢中になって失敗したときの怖さとか、自分とクラスメイトを比較して関係を位置付けたり、高校生というか学生時代の大変さが鮮明に描かれている。

自分的にはこの二文に共感した。

「ピンクが似合う女の子って、きっと、勝っている。すでに、何かに。」

「サッカーってなんでこうも、「上」と「下」をきれいに分けてしまうスポーツなんだろう。」

女子のカースト上位は「かわいさ」
男子のカースト上位は「球技」

ピンクが似合う女の子はただただかわいい。そんな女の子はやっぱり生きやすい。(嫉妬なんかで大変かもだけど)でも、ここで朝井りょうが面白いのはそういう女の子は「おもしろくない」ことをどの章でも強調してること。「おもしろくない」としても、「顔」がいい女子はそれだけで男女両方に好かれる。

男子はスポーツ、特に球技ができることが大切。自分は男子は淡白な感じでみんな仲良くするのかなとも思ってたけど、確かに運動苦手な子は体育とかも気まずそうだなと思う。日本の体育会気質はここに由来するんだろう。

「陰キャ」にとっての教室と「陽キャ」の裏の顔(みんなそれぞれ明るく見えて悩みがある)がかなり密に書かれていて読んでいて苦しくもあり、共感もあり、すぐに読んでしまった。

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ネタバレ

2022年07月25日

タイトルにある「桐島」という人物は、作中に実体として存在しない。「桐島」が喋ったり、他の生徒と関わったりすることはない。「『桐島』以外の誰か」が話す内容でしか、「桐島」自身を把握することは出来ない。
ここが“仕掛け”として上手い。
けれど、この作品はそんな小手先のテクニックが優れているのではない...続きを読む。人物を冷静に観察して、こころの動きを見事に描き出している。
タイトルの奇抜さ(?)は当時話題になったものだが、ライトノベルには、この比でない奇抜なタイトルがいくらでもある。とくにこの世代以降は文学とライトノベルの境が曖昧になっている。このタイトルは非常に計算されているし、作品の持つ空気を的確に表している。
中高生にとって「部活」とは「恋愛」と同じくらいの重要度を持つ。恋愛が往々にして砂糖菓子のように美化されて語られるのに対し、部活はもっと泥臭い。大多数の生徒は部活に所属しているわけで、それに「入る」のも「やめる」のも、とうの中学生、高校生にとっては学校生活を左右する一大事だ。
「やめるってよ」という伝聞形が示す通り、「桐島」本人がやめるという場面は出てこない。そういう意思表示はあったが、登場人物の誰も直接確認していない、間接的にそれを聞きながら、「ふーん、そうなんだ」程度の距離感で、物語は進んでいく。
「桐島」と関わりのある5人の生徒のモノローグは、それぞれが心に抱えているもの――それは決してひかり輝くものばかりではない、ときに醜かったり惨めであったりする――を、偽ること無く淡々と描いていく。
この作品が書かれた当時「スクールカースト」という言葉は、まだ今ほど一般的ではなかった。
誰もが学生時代に経験し、教室内で“普通に”起こっていたこと。学校生活を円滑に行う上でみんなが何となく“弁えて”いた『序列のようなもの』。それを生々しく描き出している。それが物語の主題ではないのだが、しかしこの事は無視できないくらい大きな“バックグラウンド”だ。
人は誰しも心のなかに醜い部分を持っている。それを表に出さないよう生きるのが「社会性」というものだ。学校という身近な場所で、それについて描写したこの作品は、いわゆる“青春モノ”の持つさわやかなイメージとはおよそかけ離れている。だが、当時に間違いなく存在していた、“正視したくないリアル”を描いている。

#アツい #切ない #怖い

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懐かしさ

2021年12月26日

学生のころのなんともいえないもどかしさを感じることができます。

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リアルすぎる

2018年08月23日

私は高3です。初めて呼んだのは小学6年生のときでした。その頃は物語に何の共感もできなかったのですが、中学生、高校生になって何度も読み返しました。読む年齢によって感じ方が全く違って、高校生になって読んだ時、「何でこんなにリアルな高校生が書けるの?」と思いました。桐島がいる高校は私の高校と多分校風が似て...続きを読むいて、きっと偏差値もそこまで変わらない気がして。こういう人、いる、いる、って思って、この見えないスクールカーストをみんなが見えているところとか。私は亜矢と似ていて、すごく共感できました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月29日

高校生の思うことや発言を、そのニュアンスやリズム感を含めて見事に文章に定着させているところがスゴイ。技巧というよりはセンスだなと思う。
「高校生にありがちなリアルな心情の揺らぎがいい」といったコメントを目にするが、そもそも、タイトルにある「桐島」を敢えて出さずにまわりの男子女子の変化を描くというアイ...続きを読むデアというか構造が、この本の一番の魅力。
遠い大陸で革命があっても、日本の総理大臣が変わっても、彼らには何の影響も与えない。
ちょっとした人物が部活をやめたことが、まわりにさざ波のように大きな変化を与えるのだ。高校っていうのは、そういう世界なのだ。
その世界の中で、彼らはそれなりに生きていくために細かな戦いをしているのだ。

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購入済み

現実

2014年07月27日

夢や希望に溢れる青春物語ではなく、高校という狭い社会でもがく物語。

作者の朝井リョウさんと同世代のため、非常に共感を覚えました。

嫌われたくないから空気を読む。

イケてるヤツ、イケてないヤツ。

大学?みんな行くから、行く。

他にも、高校の頃の...続きを読む懐かしい悩みを丁寧に書いてくれています。

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Posted by ブクログ 2024年05月02日

章ごとに主人公となる高校生が変わり、結局桐島出てこないのかい、となる作品。
高校生特有の甘酸っぱかったり、陰と陽があったり、青春の一言では片付けられない高校生活を丁寧に描写していてお見事でした。

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Posted by ブクログ 2024年04月29日

気になっていた本を読んでいて、その一環だったけど、自分の若い頃の感情を深く掘り起こして。
あとがきにあるように、安全圏にいる今だからそんなこともあったって思う心を、自分が10代位の頃に読んでいたらどんな気持ちになってたんだろうか?

深く考えずも人生って生きれると気がついてから、それなりに楽に生きて...続きを読むきたけど、そんな状態にいられるのはありがたい話で。
ただ、見ようとすることをやめただけかもしれないけど、あの頃、自分を見つめるように、一つずつを言葉にして見つめ直していたら、何者かになろうとか、そんなことを改めて思ったのだろうか?その頃の自分は、それでも毎日何かに必死だったから何も変わらなかったかもしれないけど。
その光が眩しすぎて、胸焼けをおこしそうになる。

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Posted by ブクログ 2024年04月06日

クラスの空気感、陽キャと陰キャでグループが分かれている感じ、部活の雰囲気など自分の学生時代を思い出す要素が多く、懐かしい気持ちになった。
表紙と題名を見たとき、桐島が主人公なのだろうと思っていたが、この本に出てくるのは桐島が部活をやめたことと人伝の情報だけで桐島のセリフはない。桐島の周りの人からあま...続きを読むり関係なさそうな人までいろんな人にスポットが当たる。
汗や髪の毛など細かいところまで描写されているからありありと景色が浮かび、臨場感がある。特に宮部実果の話の時、複雑で毒づいたことを思ったり素直になったりする気持ちがすごくうまく表現されていて、男性の作者でもこんな風に書けるのかとびっくりした。

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Posted by ブクログ 2024年03月31日

昔、子どもが買ってた本。なんとなく読んでみた。

なんて高校時代の何気ない日が鮮やかに書かれているんだろう。
キラキラして楽しくて仕方ない感じも、モヤモヤしてイライラしてどうしようもない感じも。
教室で、部活で、恋愛で、家庭で、笑い転げる事も喉の奥に挟まったままの事も。
きっと読む人それぞれの経験が...続きを読む思い出されたりするんだろうなぁ。

そして、なんて高校時代の空気が鮮やかに書かれているんだろう。
体育館の床のなる音に、グラグラのバスケットゴールに、プルプルのリップに、ポッキーに、大きめの制服に、黒い生地の野球カバンに。

もうずいぶん時間が経ったけれど、自分が高校生の時にこの本を読んだら、しんどくて読みきれないかもと思ってしまった。
この本を買った時、高校生だった娘に、今更ながら感想を聞いてみると「まぁ普通に面白かったかな〜どうだったけ?」
そりゃあそうだ。子ども達は今が大切で忙しいよね。

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Posted by ブクログ 2024年03月30日

学生時代に映画化され、気になってはいたが映画も見ず、本も積読の山に紛れていた。正欲を読んで、朝井リョウさんの他の作品も読んでみたいと思い、手に取ることに。
この作者は普段感じていながらもみんなが言葉にしないようなことを文章で表現するのが本当に上手いと感じた。学生時代の自分の心の中を覗かれているようで...続きを読む、やはり読んでいて怖かった。この作者の他の作品も読んでいきたい。何者は映画を観たが、小説を読み直そう。

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Posted by ブクログ 2024年03月20日

スクールカーストの描写に覚えがありすぎる。学校という世間から見れば小さい世界、だけど学生時代はそれが全てだった世界にクラス、部活、友達それぞれの場所で各々の立ち位置に縛られていたと思う。
光の描写が所々にあったのが印象的だった。
あと創作ダンスの話はやめてくれ。それは私に刺さる。

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Posted by ブクログ 2024年03月18日

今でも覚えている。この本が発売され、本屋に平積みされていたのが丁度17歳の頃。こんなふざけた題名の本が面白いわけがないと食わず嫌いをした。
当たり前だけど、描かれている時代背景は自分の高校生時代そのもの。当時読まなかったのは損だったのかもしれない。非常に懐かしい気分となった。

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Posted by ブクログ 2024年03月17日

桐島が部活をやめた。高校内で起こる小さな波紋を5人の視点から描く青春もの。
アリとキリギリス、対比と逆転の物語。
短文の連続、歯切れのよい文がいかにも若者っぽい。 

スクールカーストの上と下
帰宅部と部活に打ち込む者
表彰される者とそれを嘲る者
そして、自力で進む者と他人に頼る者

物語は、ひとつ...続きを読むの場面を複数人の視点を介して、対比しながら描き出していく。
「持っている者は持っていなくて、持っていない者が持っている」という事実は気持ち良い。そして、無知の知。持つ者の象徴「桐島」を失い、持っていないことに気づいた者。
彼らにも頑張ってほしいなあと思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月07日

コロナ世代が憧れていた高校生活が詰まった本!

制限がない練習試合、友達との放課後の買い食い、部室での団欒、黙食ではない賑やかな昼休み、文化祭、 全校集会、こんな高校生活を過ごしたかったなあと思いました。キラキラしていて眩しかったです。この時期ならではの人間関係もリアルに書かれていました。このような...続きを読む人間関係は経験あります笑
今の高校生はこの本通りだと嬉しいな〜〜

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

桐島が部活をやめたという一石が波紋となり、周りに多大なる影響を及ぼす。霧島自身がどうではなく霧島が辞めたという。その事実のみに影響が及ぼされることは世界における縮小図のようにも思える。
17歳という世代が、ことさら世の中では神秘化されているが、まさにその通りなんだなと思う。
17歳の彼ら彼女らが感じ...続きを読むたことは世界の皆が感じうるものなのかもしれない。
良くも悪くも心にチクチクくることもある。少しだけ心構えして読むと良い。

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Posted by ブクログ 2024年02月27日

高校生ならではの、脆さ、純粋さ、素直さ、瑞々しさが詰まった、珠玉の逸品。
とにかく眩しい。
眩しすぎて切ない。
要所要所で散りばめられる「光」のコントラストの描写が美しすぎて、懐かしいような甘酸っぱいような、苦しくて優しい感情で胸がいっぱいなる。

映画版も好きなので、もう一度観てみたくなった。

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Posted by ブクログ 2024年02月12日

朝井リョウ作品はじめまして。
言葉の使い方、表現が好きだなあ、と。
高校時代スクールカーストを気にしながら生活してた当時を思い出しました。
あの時は限られた環境で息苦しかった。

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Posted by ブクログ 2024年02月07日

タイトルの桐島が部活やめるのは置いといて、
学生でもその先の大人になっても、マウント取る人って必ずいるけど、あんまり意味ないって、若干中高生にして気づいてしまう子らと、そんなの関係無いとまではいかないけど、確立した自分を持っている子らと。
青春小説ではなかった、ヒューマンドラマだった。今までこの本、...続きを読むタイトルで避けてた、自分がアホらしなった、深いところの話です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月30日

17歳だなんて。思い出すのも億劫だけれど、人生をやり直すなら17歳がいい。でも、17歳に戻ってやり直したい人生だなんて結局、何度戻ったところでキリがないかもしれない。

17歳だった僕が持ち合わせていたのは真っ白なキャンバスなんかじゃなくて、小さな紙袋だった。将来は?だなんて、あれもこれもと小さな紙...続きを読む袋に詰め込んで、あっという間に膨らんでしまい、そのくせ拍子抜けしてしまうほど軽くて、つまり、その膨らみなど見せかけばかりで。僕の将来の?夢?目標?やりたいこと?やれること?そんな物事を、いくら詰め込んだところで紙袋の中身は空っぽで。紙袋のクチを握りつぶして捻って、叩き割って。破裂した紙袋など丸めて捨ててしまった。17歳の苛立ちは17歳で処分した。そんなだから17歳だった僕の将来は、つまり現在の僕は、成るべくして成っています。『おとぎ話はワナ。期待したってカボチャはカボチャ』ってことです。

高校の卒業アルバムを思い浮かべながら読みました。彼ら彼女らの“クラス分け”まざまざと思い出した。男子のサッカー。女子の創作ダンス。ああもう嫌になる。
僕もサッカーしましたね。体育の授業の。僕は適当にボールの反対側に走って逃げてたクチ。あるとき“おさるのナンチャラ”のキャラクターによく似てた野球部員に突然背後から押されて、さっきのお返し、みたいなことを言われた。でも僕は何をしたのかよく覚えてなくて、曖昧に誤魔化してしまったけれど、あれは一体なんだったのか。“クラス分け”的には彼は目立つほう、僕はその逆だったから、はじめから互いの接点などなかったのに。いまなら言えるかな。
なあ、“おさる”よ。おまえの勘違いじゃねえの?
って。
僕の高校生時代も、この物語にも登場している人物たちの関係性と、まったく同じだった。互いの“クラス”で見て見ぬふり、卒業までやり過ごせたら、それでいい。当時のそれは、それなりに切実だったなあ、とか思い出しました。
「思ったことをそのまま言うことと、ぐっと我慢すること、どっちが大人なんだろう。こうやって、狭い世界の中で生きているとわからなくなる」
17歳でわからなかったことは、17歳からだいぶ経った今の僕でも、まだよくわからない。このままどんどん年齢ばかり重ねて、相変わらず狭い世界の中で、わからない、わからないを、僕は繰り返してゆくのだろう。
なんだったのかなあ。僕の17歳。
ほんとに戻りたいのか?戻りたくても戻ることができないからこそ僕は、戻りたいと思う。
 
この本も言うまでもなく松岡茉優案件。
映画は、まだ観ていません。

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Posted by ブクログ 2024年01月26日

やっぱり朝井リョウさんの小説は好きだ。

特に印象に残ったフレーズをまとめる。

・体育でチームメイトに迷惑をかけたとき、自分は世界で1番悪いことをしたと感じる。
体育でチームメイトに落胆されたとき、自分は世界で1番みっともない存在だと感じる。

・一番怖かった。本気でやって、何もできない自分を知る...続きを読むことが。

最近の自分に特に響いたフレーズだった。
仕事でうまく行かなくて、ずっと落ち込んでて視野が狭くなっていた。だけど、私には仕事以外にも、友達や音楽や小説や趣味、心から世界が開かれる場所があるのに、それさえも忘れそうになるほどに、目の前の仕事が、職場が自分の世界のように感じられてしまう時がある。

この小説の中では、上と下をお互いが見合っているが、実は、お互いにないものねだりだったりするシーンも描かれている。

上だ、下だって判断基準なんていくらでもあるんだろうけど、自分が心から大切だって思うものは大切にしたいし、それを恥ずかしがる必要なんてないんだって改めて思った。

そして最終話が「〜14歳」ってなってるのが切なかった。高校生になって、かすみも、染まってしまったのだろうか…いや恐らく、ずっと葛藤してるんじゃないかな、なんて想像してみる。

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Posted by 読むコレ 2012年09月06日

主人公が登場しない物語もありだなぁ。読み応えのある作品です(^O^)/是非映画も観に行こうと思います!

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Posted by ブクログ 2024年05月02日

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バレー部のキャプテン、桐島が部活を辞めた。
その些細なきっかけで、些細な変化が起きてゆく。
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前前前世の...続きを読むノリで、再再再読。くらい。多分。
当時現役大学生で二十歳の朝井リョウ処女作。
2012年映画化、神木隆之介が主演し話題作に。
そりゃまあもちろん、鑑賞済み(神木くん好き)
当時期待大で観たその映画の感想はといえば、
薄っすらな虚無が残っただけだった気がした。
その感じが別に嫌いとかではなかったけれど。

噛み砕きたくて原作読んだら全然違って驚いた。
まず神木くんフューチャーな作品ではなかった。
神木くん目当てで映画を観た自分を恥じた。恥。
原作は劇的な事件等が起こるわけではないので、
エンタメに昇華する為に脚色した部分もあって、
消化不良で意味不明という意見も多かったけど、
不穏な空気で進むのがなんとも学生らしいかと。
でも私は丁寧な心理描写のある原作が好きです。

常に周囲と自分を比べ、優位に立ったり蔑んだり、
(主に外見。時代的にも世代的にも外見至上主義か)
どの立場でもフラストレーションが溜まっていく。
学校、クラスという極小な世界でのヒエラルキー、
無邪気で無自覚な馬鹿ほど残酷で上位にいる事実。
それが全てで、そこで形成される価値観。リアル。

自分は当時ここまで客観視出来てなかったと思う
が、でも出来てると思ってた馬鹿だった、本当恥。
必要以上に卑屈になることも、焦ることもなくて、
ただ時間を垂れ流していただけに思う。本当、恥。

それにしても、若者の日常生活の描写が眩しくて、
これは歳を重ねる程に胸にくるものがあると思う。
あの頃には気付けなかった(私が愚か故になだけ?)
その時だけ確かに存在していた、一見意味のない、
でもそこでしか感じられない特別な何かが眩しい。
もうね、学生、のいる風景てだけで泣けるから私。
部活、てワードだけで泣いちゃうよ(おばちゃん化)

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「映画は神木隆之介が良過ぎて、良くない」
と言ってる人がいて、確かにな!と思った。笑
映画先に観た作品は、映画の話が多くなっちゃう…

高校時代、沙奈みたいな奴いたな〜
めちゃくちゃ馬鹿にしてた、けど、自分も大馬鹿。
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Posted by ブクログ 2024年04月22日

書いたのが十代と知って驚き。
朝井リョウさんの作品は心が抉られるので(褒めてる)あまり好みではないのだけれど読んでしまう。ダメだと分かってるのにかさぶた剥がしてしまうような気持ち

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

朝井リョウ氏のデビュー作品。状況の光景を表す文章と言葉がとても美しい所が多く、読む側の想像を膨らますのが上手な作家さんだなぁって思います。桐島君が在籍する高校の生徒をピックアップされてる内容。桐島君がいつ出てくるのかと読み進め、結局最後まで出てこずでこうゆう演出もあるのかと関心した。周りから弾かれな...続きを読むいよう自分を繕い周りに合わせて行動することの息苦しさ、高校生もその社会の中で生き延びるために大変なのだという事を大人も分かってあげたい。

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

学生生活を送っていた当時は、それが世界の全部で、肩身の狭い思いをしていたり、空気を読んだり、色んなことが思い出された。
一気にその時代に引き戻された感覚がした。

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Posted by ブクログ 2024年03月29日

『正欲』が面白かったので、2冊目の朝井リョウさん。
インパクトのあるタイトルで当時からずっと気になっていた。
「○○、部活やめるってよ」は、誰もが学生時代に一度は聞いたことがあるフレーズで、それは学生にとっては一大ニュースだ。
自分も中学の時に部活をやめているので、当時の辛かった気持ちがよみがえって...続きを読むきた。
上手いタイトルだなぁ。
でも桐島は出てこない!
そういうところ好きです。

もう忘れていた学生ならではの繊細な気持ちや女子中高生特有の友達との難しい関係などがとてもリアルで、一気に当時にタイムスリップしたかのように感じた。
放課後の遅くまで練習しているブラスバンド部のトランペットの音が、読みながら頭にずっと響いてきた。
当時のもやっとしてあまり深く考えないようにしていた気持ちを代弁してくれているようだった。
朝井リョウさんの本は、自分も小説の中に入れる感じが好きだ。 
自分の学生時代の経験で感想も違ってくると思うので、皆さんの感想を読むのも楽しみ。

『正欲』のように○○目線で同じ事柄に対するそれぞれの感じ方の違いなどがもっと見たかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月24日

他の作品との兼ね合いや基準づくりのために
評価を星3にしたけどしっかり面白かった
主人公であろう桐島が作中に出てこないという新しい切り口だった
桐島の周りで起きる桐島以外の登場人物の心情の動きが見てとれた
他人をダサいダサくないで決めつけてバカにする描写は、実際に存在する人を考えながら読んでいた
...続きを読む井リョウさんの作品を読むと、私が今まで出会ってきた人や過去の経験を思い出すことができ、懐かしい思い半分、切ない気持ち半分になる
また、過去の自分の気持ちを代弁してくれ、言語化してくれるので新たな自分に出会えて嬉しい

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Posted by ブクログ 2024年03月08日

最初はこんな感じかぁと思ったけど、いろんなエピソードがつながり始めて面白かった
実果の話は電車で泣いちゃった
でもスクールカーストとか、女子の中のいざこざとか、めちゃくちゃリアルで中高校生にもどった気持ち

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Posted by ブクログ 2024年02月20日

5人の目線で、高校生のリアルな感情を描いた作品です。いけてるグループ、いけてないグループが「上」、「下」と表現されているが、「上」「下」は確かに自然発生していたなと。存在を消したいと潜む「下」の前田に光を見出した「上」の菊池。自分にはなにがあるのか、なにができるのか、周りに同調しながらも、個を模索す...続きを読むる高校生たちの姿は瑞々しい。
19歳でこの作品を執筆した朝井さん、すごいなぁ。

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Posted by ブクログ 2024年02月09日

それぞれに、それぞれの悩みがある。それを理解するにはまだ若すぎる少年たちと少女たち。
正直、桐島は触り程度しか出て来ず、物語には直接的に関係来てこないのだが、彼の不在からなる緩やかな変化、それを楽しく読めた。

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Posted by ブクログ 2024年02月04日

作者の作品はいくつか読んでいるけど、この作品に関しては映画の完成度が高すぎて、原作の魅力を凌駕しちゃってるってのがある。
それぞれの抱える複雑な感情が迸る様子は小説ならではだけど、個人的には映像の衝撃を超えることがなかった。
原点として、読むべき一冊。

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Posted by ブクログ 2024年02月03日

少し前に読んで内容あんまり覚えてないシリーズ。

桐島が部活を辞めるという事実と、それに絡む人・絡まない人がいつつ、高校生が描かれていた。
桐島は出そうで出なかった。

んーーーーあんまり覚えてないからもう一度読もうかな。

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購入済み

後味はよくない

2014年04月25日

オチはないので後味はよくないですね。ちょっと読んでいて辛かった。高校生の心情を淡々と書いているけど、自分の時(80年代)とは余りに違っていて、判るところもあれば、共感できないところもある。

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