【感想・ネタバレ】アンパンマンの遺書のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

やなせさんの「正義」の定義がわかる本。
不偏の正義とは、傷つく覚悟をした献身と愛。

捨身、献身の心なくしては正義は行えない。
正義とはかっこいいものではない、
そして必ず自分も傷つく。
そういう思いがあって
アンパンマンは生まれた。

正義は信じ難い。
「日本は負けた」その日から
好戦的な武闘派は影が薄くなり、
文化的な兵隊が脚光を浴びるようになる。
逆転しない正義は献身と愛。

アンパンマンの歌詞

何のために生まれて
何をして生きるのか
こたえられないなんて
そんなのはイヤだ

ものすごく深い歌詞であることに
改めて気づく。
信念とは、経験と考え抜いた先に形成されるものだと
わかった。



0
2023年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんの自伝的エッセイ。そもそもの原版は25年前に出されているが、5年前に再度文庫本としてリメイクされているものだ。
たまたま五月病に近しい気持ちの時に手に取りたくなるようなタイトルなのかもしれない。
やなせさんは戦争を経験している。暗号解読をしていたようだが、徴兵される前はデザイナーだったそうだ。
そこで色々なデザインやイベントのいろはを学んで後世に生かしている。

また、アンパンマンそのものについての記述は実はそれほど多くない。なぜならやなせさんの晩年に偶然のように生まれてきた産物だからだ。
彼はいつも大人向けの哲学的な作品を志向しているようだが、その実、作品が受けて行くのは子供達になっていくのであるのが非常に面白い。
大人はなかなか評価しないが、それがどんどんユーザーの中で広まっていく。まさにイノベーションの普及の具体例ではないか。

また、同書には奥さんの話が結構な割合で占めている。
新聞社の同僚で事故のような出会いから最後まで一緒にいるのはこれまたすごい話だ。
本書がリメイクで出た年にやなせさんはなくなっている。まさに遺書になり得たのだが、最初の出版時から20年後なのが凄まじいな。

`なんのために生まれて 何をして生きるのか`

子供の頃から刷り込まれている我々の脳裏には、この問いは永遠に投げかけられ続ける事だろう。

■目次
起の巻 マンパンマン以前史(故郷の空
貧乏坊ちゃん ほか)
承の巻 アンパンマン創成期(ツッパリ社員
三越の包装紙 ほか)
転の巻 アンパンマン盛期(三つの出発点
幼児という批評家 ほか)
結の巻 アンパンマン未来期(平成の夜明けと奇跡の出発
アンパンマンの勲章 ほか)

0
2019年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アンパンマンの作者として有名なやなせたかしさんの自伝。
アンパンマンの印象が強いが本書でアンパンマンの話が出てくるのはだいぶ後半になってからになる。
生い立ちから学生時代、戦争があったりと様々な経験をされている。
アンパンマンの歌の歌詞やアンパンマンのメッセージ性など多くの方がすでに知っているかも知れないが、本書を読むことでその意味がより理解できるような気がする。

初めから絵本を書いていたものとかってに思い込んでいたが、そうではない事を知って意外に思った。しかも40歳ごろに自身がなにをしていたかというと、多種雑多いろいろやっていたというのだから、驚いた。仕事はさまざまこなしていた中で、自身の方向性がなかなか決まらなかった。読んでいてそんな印象だった。

 自分のやりたいこと、方向性が早く定まるならそれに越したことはないが、そんなに焦らなくてもいいのだ、本書を読んで感じたことである。

アンパンマンを見て育った世代も今では多い。自分もその世代の人間である。アンパンマンを見なくなって、しばらくしたらぜひ読んでみてほしい。一冊だ。

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2020年09月14日

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