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いやあ、下巻はますます面白かった。「ふりさけみれば」しか知らなかった阿倍仲麻呂に名前しか知らなかった吉備真備。すごいじゃない。楊貴妃の最後はこんなんやったんや、それも知らんかった。あと、奈良の西大寺に行って知った孝謙/称徳天皇、怪僧として知られる道教、近江高島に行って知った恵美押勝に、名前だけだけど後の桓武天皇も出てきてワクワクした。いや、奈良時代、おもろいやん!
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「ふりさけ見れば(下)」(安部龍太郎)を読んだ。
うわーい!
これは久しぶりに胸熱(死語?)ですわ。
阿倍仲麻呂と吉備真備という二大巨星の波乱の生涯と貫かれた信念の物語。
綺麗にまとめましたね。
安部龍太郎、恐るべし。
お勧めです。
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阿倍仲麻呂がこんなにも玄宗皇帝の下で重要な位置にあったとは知らなかったので、勉強になるとともに、帰るに帰れなかった事情を思うと同情する。だが日本人で科挙に受かって出世していくその才能と運は凄い!
この小説はその上仲麻呂スパイ説を取っていて、日本の記載されている歴史書を探すというミッションとその内容もこの本の魅力だ。非常に壮大でまた細部に詳しく読み応えのある物語だった。
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阿倍仲麻呂という人物について、百人一首ぐらいしか知らなかったが、唐にてここまでの地位に登り詰めたからには、凡人にはおよそ想像のつかない苦難を乗り越えてのことだったと思う。
その意味で、本書のようなストーリーは説得力があり、感情移入することが出来た。奈良時代にも興味が湧いてきた。
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阿倍仲麻呂の人生を縦軸に、日中の歴史を横軸に、スケールの大きな歴史小説となっている。また、阿倍仲麻呂の歴史背景として、唐の玄宗皇帝巡る数々の事件が描かれるのではなく、まさに歴史の当事者・主人公の1人として、描かれている。
何故阿倍仲麻呂は日本に帰らなかったのか?日本の起源にかかる謎も提議される。歴史ミステリーとしても、楽しめる。
本作品は、間違いなく、著者の代表作の一つになるだろう。
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『ふりさけ見れば』 安部 龍太郎 著
阿倍仲麻呂とその生涯の友である吉備真備を軸に、中国側からは、玄宗皇帝・楊貴妃・安禄山・鑑真・王維・李白、日本側からは、天智~称徳天皇・藤原不比等・藤原仲麻呂と、「VIVANT」並みの豪華キャストで展開。
白村江の戦いで日本が唐・新羅軍に敗れ、日本が唐に冊封のため使者を送ったところ、①律令制度を導入し律令国家とすること、②仏教を国の基本理念とすること、③長安にならった条坊制の都を築くこと、④国史で天皇の由緒正しさを示すこと、を唐から申し渡され、①は大宝律令制定、②は各国に寺の造設、③は藤原京の造営、④は『古事記』の編纂計画、と対応。しかし、④の国史については、『古事記』を提出するも「これは国史ではない」と言い切られ、この「国史」に関係して阿倍仲麻呂は帰京せず唐に残ったとあります(詳細はネタバレになるので省略)。阿倍仲麻呂は表向き唐の優秀な官僚ながら、実は「VIVANT」ばりに内部で暗躍。この辺の史実に詳しくないので「そうなんだ~」と思うばかりです。それにしても、③以外は、戦後日本が某国から受けた指示とよく似ていると思うのは自分だけでしょうか。
歴史に詳しい知人に聞いたら、「そんなことはないよ」と軽くいなされたのですが、「歴史」(国史)が、国家間でもこれほど重要な役割を果たすのかと再認識させられた一冊です。
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阿倍仲麻呂と吉備真備を主人公にした歴史小説の下巻。
史実に基づいているので、安禄山の乱と恵美押勝の乱が時期的に近いことも勉強になりました。
何より、安禄山の乱についてしっかり経緯が理解できたことが収穫です。
ただ、阿倍仲麻呂が唐に残った理由がイマイチで、その部分がせっかくの歴史ミステリーなのに残念でした。
他の創作部分、特に仲麻呂や真備の唐での家族関係は上手に作られていると思いました。
藤原北家を中心とした貴族文化が安定していた平安時代のもとになる奈良時代は激動なので視点によって正邪が入れ替わったりするから面白いです。