【感想・ネタバレ】紙婚式のレビュー

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夫婦、という関係性はとても難しい、と常々感じる。

人のこころはとても移ろいやすく、共に生活する中で見せたくない部分もさらけ出しながら、良好な関係を築くのは相当努力が必要だと思う。

この本の二人は8つの話すべてに子供がいないことが共通項。子供という強烈な嵐はものすごく覚悟が必要だけど、家族になるための重要なトリガーになりうるのかもな、と思ってしまった。
子供がいると人間が苦手な”停滞”の状況は良くも悪くも無くなってしまうから。

そんな風に親に依存されるのは実体験からものすごーーーーく嫌だけど。

命ほど重いものを抱えないと、他人と交わり、尊重し、手を取り続けるなんてできないのかも。
紙婚式の「夫は既に私の一部である。ー 淋しさを紛らわしてくれるのは 他人 であることを私は知った」がすごく印象に残った。

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2023年06月03日

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大恋愛の末結婚したわけでもなく、激しく憎しみあって別れたわけでもない。そんな夫婦像がリアルに感じる。
ただ結婚したら専業主婦になって家を守るという概念が今や古く感じる。

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2023年02月13日

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結婚生活における男女の心の葛藤を描いた八編の短編集。僕にとっては二冊目の山本文緒作品読書となりました。

この本の感想を書く前に、白状しておきます。僕のファースト山本文緒作品は「パイナップルの彼方」。
林真理子の小説に寄稿されていた著者の解説に接したのが切っ掛けでした。読んだ直後は、自分の感情を言葉に出来なかったのですが、今は出来ます。不愉快でした(笑)。
当時記した「パイナップルの彼方」の読書日記を読み返すと、苦し紛れです(汗)説教してるし(俺)。ハードボイルドとか書いているし……。
ハードボイルドは「固ゆで(卵)」。中身が見えません。外面描写に徹した小説の手法です。
「パイナップルの彼方」
は、心理描写盛りだくさんで、主人公が自分の感情をよく語ります。もちろん、ハードボイルドではありません。
が、しかし。一人称で書かれたこの小説は、主人公の主観に徹していて、著者の、主人公の言動に対する、評価が一切排除されています。友達の結婚や、転職に対する主人公の感情は描かれているのですけれども、著者がどのように考えているかは全く解りません。これがハードボイルド・テイスト(?)を醸し出しているのかも。と思うに至り、他の小説も読みたくなりました。
最新の文庫「紙婚式」は結婚生活における男女の心の葛藤を描いた八編の短編小説集でした。全て主人公の一人称で語られる物語です。各編のタイトルと「一人称」と性別を記してみます。
1. 土下座「僕」男
2. 子宝「私」女
3. おしどり「私」女
4. 貞淑「俺」男
5. ますお「私」女
6. バツイチ「僕」男
7. 秋茄子「私」女
8. 紙婚式「私」女
やはり著者の評価なり、感想なりが一切排除されつつ語られる感情の葛藤は、一種サイコ・ホラー。
怖いあまりに、他人事として「夫婦喧嘩は犬も食わねぇ」と一蹴にしてしまいたくなる気分がなきにしもあらず、でした。
それは、他人には解らない男と女の閉じられた空間であり、人に話したところで、愚痴と受け取られ
「聴いてあげているのよ。」
という顔をされるの落ちになる物語であり、人から聴かされても頷くことしか出来ないのが目に見えている物語です。
ですが、そういう物語であるからこそ、本人にとってはせっぱ詰まった問題であり、語られる事を望まれている物語だと思うのが僕の感想でした。
その後の二人を知りたい欲望が満たされないまま、各々の物語は終わってしまうので、その後の物語は自分で想像するしかありません。
「どうなるのだろう。」
この想像は、自分のケーススタディーとなって、読者自身の物語に引き継がれます。

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2021年03月06日

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結婚をテーマに綴られた8つの話が収録された短編集。
山本文緒を読んだことのない人に最初にオススメしたい一冊。

タイトルやテーマからは恋愛小説と思われがちだがそう簡単にジャンル分けができない内容だった。
一編目の「土下座」はとくに、恋愛小説が苦手な人にもぜひ読んで欲しいくらい、緊張感と衝撃のある不思議な作品。

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2014年10月18日

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夫婦にまつわる8作の短編集
外から見たら表面上は円満な夫婦でも、闇の部分が隠れているという物語が多め

15年くらい前に読んだのを再読
当時とは私の状況が一周して大きく変わったわけで、物語の理解度や解像度が高まっていた


・土下座
結婚してから夜の生活を断るようになってきた妻
それに対して自分も求めなくなった夫
そんな夫に、妻は自分から誘うような素振りを見せてくる
普段はニコニコとしているように見えて、実は料理はとんでもないものを出してくる

成人式のときに居酒屋で振り袖にキムチを落としてしまったときでも怒らなかった妻
その時にしたのが土下座の一回目
二回目はプロポーズのとき
そして、三回目は……


・子宝
政略結婚のような結婚をしたお嬢様育ちの妻
夫は何かにつけて妻の世間知らずなところを揶揄してくる
そんな夫は愛人とその子供がいる

キーアイテムは「毛ガニ」でしょうかw
まぁ、生き物って食べるにしろ育てるにしろ大変ですよねー


・おしどり
夫婦円満で何の問題もなさそうな兄夫婦
恋愛関係のトラブルで、そんな兄夫婦の家でしばらく過ごす事になった妹

お互いを想い合いう理想的な夫婦に見えたが、兄嫁が突然の家出
兄夫婦が表には出していない事情


・貞淑
行為の最中に、知らない男の名前を口にした妻
夫は不貞を疑い、相手は誰かと詮索したら、その男は人気芸能人
実際に不倫をしていたわけではない事に夫は安堵するが
それでも残り続ける不快感


・ますお
母親と同じマンションの違う部屋に住む夫婦
夫は姑との関係も良好
しかし、夫の行動には不審なものがあり
最後に明かされる夫の真意


・バツイチ
お互いに離婚経験のある男女
ペットショップで知り合った男女の再生の物語
子供という存在
人によっては救いだけど、時と場合によっては重い枷にしかならない事もあるよね……

ただ、終わり方は希望がゼロではない感じでよい


・秋茄子
二世帯住宅だが、義父母とはまったく交流のない夫婦
休日にも活動的で色々なところに一緒に行きたがる夫
義母からは嫌われているかもしれないと悩む妻

義父母と夫は、何故二世帯住宅に誘ってきたのか?


秋茄子のぬか漬けを義母に持っていったところ、足を捻挫したという
何かと世話を焼こうとするが、義母は遠慮するばかり

体調が悪い妻を気遣うことがなく、はては家に帰ってこなくなる始末

そんな一見したら離婚目前のような関係の夫の家族の隠されていたものとは……


・紙婚式
お互いに干渉しない、依存しあわない関係で10年続けてきた事実婚
夫の一言で、その関係が崩れる時が来る

そんな二人の新たな関係性





全体を通して、夫婦という関係性のダークな部分が描かれている
冒頭に書いた通り、以前よりも物語の理解度は深くなった
以前はただ「結婚なんてするもんじゃねぇな」と思ったけど
改めて読んでみると、経験者だからこそわかる心の動きがある

もしかして、山本文緒さんも同じような経験をしたからこそ書いた作品だろうか?

そして、最後の3つ、バツイチ、秋茄子、紙婚式は終わり方にどこか救いや希望が見え隠れしている

短編小説の並び順としては、前半に表題作や評価の高いものが配置されがちだけど
この3つを後ろに持ってきたというあたりに、結婚は色々とダークな面があるものの、捨てたもんではないというメッセージ性を感じる

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2023年02月14日

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結婚、同棲をするカップルたちの短編集。最後は、自分も主人公目線で途方に暮れる…と言うような終わり方が多かった。

一番衝撃だったのは、ニコニコしながらスープの中にゴキブリを入れて夫への怒りを表す妻。他にも完璧な結婚生活なはずなのになぜか違和感を感じる、本音を言えない関係、、、

どれも長い結婚生活の日常の中で、繕いきれずに綻びが生じていく過程が、リアルで、結婚しなくていいな私、とも思ってしまいそうになる。婚活中の方にはお勧めできないです!

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2022年12月30日

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紙婚式 山本文緒 著

山本さんの購読は初めまして。
寄贈してくださった方の本の一冊です。

描かれているのは、複数組の夫婦の姿です。
いずれも、決して良好な関係ではなく、すれ違いの姿です。

初版は1989年。
そう、バブルが終わる時期です。

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さて、厚生労働者の人口動態統計/平成27年の離婚率は、

1975年 12.7%
1990年 21.8%
2015年 35.6%

です。

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2015年の方が、小説執筆時期よりも、遙かに高い割合です。

紙婚式の小説で描かれている夫婦像は、現代の令和の時代にこそ共通事項が多いのかも、、、と考える機会となりました。


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2022年03月26日

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答えの出ない人生の色々
作者から投げかけられ
考える自分がいること
それが心地よく読み進めることが出来る

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2021年04月16日

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ネタバレ

まず、この本が1998年、今から20年以上前に出ていたことに驚いた。確かに、それぞれの物語に出てくる生活用品(固定電話とかFAXとか)に時代を感じ、「いつの本だ?最近のものではなかったっけ?」と思って奥付を見たからこそ刊行年が分かったのだが、いつまでも、男女間、あるいは夫婦間のすれ違いや虚しさや思い違いは似たようなものだと思った。

「ますお」に特に心を抉られた。まるで今の自分のことのようだった。主人に対する不満を抱き、それを口にするかどうか悩んでいる。私が黙って耐えていればいいのかもしれない。でも、浮気されていることに気が付いてる時点で私の心はどんどん削られていく。そんなの耐えられない。
しかし、私は主人も我慢をしているかもしれない、とは考えられていなかった。穏やかで家事も進んでしてくれる主人が何を思っているかを考えていなかった。自分の居心地の良さや自分の思い通りに進まないことだけに目を向けるのではなく、取り返しのつかなくなる前に主人の不満や不安にも思いを巡らせようと考え直した。


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2021年02月28日

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ネタバレ

結婚をテーマにした8編からなる短編集

『土下座』
主人公の男は、妻の態度を恐れている
二人が出会ったきっかけは、主人公が居酒屋でバイトしているとき、
着物を着ている女性にキムチをこぼしてしまったこと。
それが後の妻になった。

妻にしたはいいものの、しばらくすると妻は夜の生活を断るようになってきた
そして主人公が復讐のつもりで妻を求めなくなると、今度はあからさまに
夫を誘うようなことをしてくる。
妻を抱くべきか、否か……。

一度目の土下座は、キムチをこぼした時。
二度目の土下座は、プロポーズの時。
主人公の男は、妻を抱くために、三度目の土下座をしなくてはいけないのだろうか?



『子宝』
主人公はお嬢様育ち。旦那は外で愛人との間に子供。

『おしどり』
仲良すぎて不気味な兄夫婦。主人公は恋に奔放。

『貞淑』
妻がセックス中に知らない男の名前を読んだことが気に入らない夫。そのくせ自分は、仕事もせずに愛人作ってフラフラ。でも妻の空想の中には決して入れないことに悩み始め、ついに愛人との行為中で不能になってしまった。

『ますお』
サザエさんのマスオさんから来てるのかな?
本当は離婚したい優しい夫と、料理上手な母に囲まれて一見幸せに暮らしていた主人公の話。

『バツイチ』
子連れ同士の再出発はうまくいくのか?
育児ノイローゼのことが分かりやすく書いてある。

『秋茄子』
二世帯住宅って絶対したくない。
こんな小説みたいにうまくはいかないと思う

『紙婚式』
事実婚のカップルが、本当の夫婦になるまでの紆余曲折を描いた話。なんか、遠回しなノロケ話を聞いてるみたいな感じ

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2018年03月12日

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結婚、夫婦を描く短編集。『秋茄子』が一番好きな作品。義父母と二世帯住宅で暮らすことになったけれどお互いに交流がなく居心地の悪い思いをしている光子の“新しい家族”を得るまでの行動や思いが素敵だった。

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2015年10月29日

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どこにでもありそうな、
でもコワい夫婦模様であったり

どこにでもありそうな、
今度はちょっぴりほっこりする話であったり

山本文緒さんの巧さに舌を巻く傑作短編集。

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2015年04月14日

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【本の内容】
一緒に暮らして十年、小綺麗なマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々、という夫と妻。

傍目には羨ましがられるような二人の関係は、夫の何気ない一言で裂けた。

一緒にいるのに満たされない、変化のない日常となってしまった結婚のやるせなさ、微かな絆に求めてしまう、そら恐ろしさ。

表題作「紙婚式」ほか、結婚のなかで手さぐりあう男女の繊細な心の彩を描いた、新直木賞作家の珠玉短編集。

[ 目次 ]


[ POP ]
これはホラーだ。特に『土下座』と『ますお』のラストに戦慄した。

うわああっ、と叫びたくなるほど怖い。

結婚すると誰もが「おめでとう」と言われる。

ドラマやマンガでも「そしてふたりは結婚しました。めでたしめでたし」という結末はものすごく多い。

しかしハッピーエンドの向こう側にある生活は甘くはない。

現実はこうだと言わんばかりにこの短篇集には壊れた関係ばかり出てくる。

日常の描写が細密なので壊れっぷりがリアルだ。

『土下座』の洗面所のシーンとか。

うまいなあ。

孤独は嫌だけどずっと一緒にいるのも辛い。

身勝手だけど共感できる。

相手に期待を押しつけずお互いに自由でいようと努力しても難しいんだ、ほんと。

ちゃんと語ろうとしているだけ表題作の『紙婚式』や『秋茄子』には救いがあるのではないか。

そこがいいのでA。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年08月26日

結婚って憧れるほど良いもの?

著者は身近なテーマを繊細な言葉で紡ぐ名手である。時には冷たい、突き放す恋愛を描くこともあるが、今回は「結婚」をテーマに、どちらかというと優しく見守ってくれる短編集になっている。恋愛~結婚に理想を持つことは危険だけど、第3者から見れば面白い「ズレ」を生む。でも恐ろしいのは自分自身が傍観者でなくなる場面が想像できることである。これを読めば結婚に夢も希望もなくなる?いやいや、とりあえず紙婚式まで一度試してみたくなるでしょう!

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2013年10月09日

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再読。年に数回手に取る本に。

最初のレビューから11年と思うと感慨深いものです。

表題作、「紙婚式」が自分には近い話になるなんて、年を取るってすごいなと。

かけがえのない存在、というよりも、既に自分の一部、という表現はしっくり。彼がいないと生きていけない、ではなくて、想像ができない。

それは幸せなことだと思うし、怖いことだな、とも思うのでした。

(2015年1月28日)

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2015年02月07日

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生々しい結婚と男・女の色々。端から見るのと実情はいつだって違う。一緒に暮らす、ということも、籍を共にする、ということも。
8作の短編集だったけど、それぞれの続きが気になる…。それでも続けるなんて、私には出来ない。私は、ね。

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2024年03月01日

Posted by ブクログ

久々の山本さん。いろんな結婚の話だけど何かしらの問題を抱えていて不安や苛立ちが伝わってきて生々しい。読みやすい。

肝が冷えるような怖さを感じることが多く「ますお」はその真骨頂だった。ありそうな話で疑心暗鬼になってしまいそう笑

「秋茄子」は途中旦那の方の冷酷で幼稚なところを軽蔑していたけど終盤でなぜそんな立ち振る舞いになったか理解できて人は歪んでいて繊細なんだなと思った。主人公のように慈愛を込めて接したから救いのある結果になったんだなぁ。私はこんなことができるかな。

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2023年09月24日

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様々な結婚の形態を描いた短編集。

赤の他人が家族になる、という特殊な関係だからこそ生まれる歪みがリアルに描かれている。
もうこれはホラーと言ってもいいのではないか、というくらい、背筋がゾワゾワする箇所がいくつかあった。

一人称で綴られたストーリーが主なのだが、男性が主人公のときに「俺」や「僕」が「私」になっているところがたまにあり、違和感があった。
多分作者さんが書いているときにうっかり間違えたのだと思うけれど、編集の人はなんで気が付かなかったのかなぁ、と。

物語の世界に入り込んでいるときにこういう誤植があると、急に現実に引き戻されてしまう…。

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2023年06月20日

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前に読んだのは20代の前半。
この本に出てくる男女はめちゃくちゃ格好良いと思っていた。今読むと「考え方甘いなぁ」という印象のお話しばかり。
今の生活が現実的すぎてこの90年ころの本を読み進めのは難しかった。
でも「自転しながら公転する」を読むのが楽しみである。残念ながら山本さんは亡くなってしまったが、この本は今がやはり旬なのかなと思う。

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2023年04月11日

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一見うまくいっているように見える夫婦たちの問題点。
どの夫婦も共通して、関係や生活に違和感を持ち始めても、正面からぶつかろうとしない。
そして後戻りできないところまできてやっと気付く。それが日本の夫婦の形なのか?と思ってしまうくらい。
その点、唯一正面からぶつかった「秋茄子」の話が一番好きだった。

これから一生一緒に過ごしていくと決めた結婚だから、何でも思ったことをお互い口にできる仲でいたい。

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2022年06月17日

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様々な夫婦のかたちを描いた短編集。

人の数だけ、夫婦のかたちは違う。
人の数だけ、答えがあっていい。
だからこそ、自分たちのかたちや答えを模索して探し続けることが必要。
ちょっとした勘違いやボタンの掛け違いが様々なかたちを描いていくのが興味深く面白い。

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2021年12月25日

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ハマっている山本文緒繋がりで読みました。
相変わらずちょっと暗い、閉塞感を感じる作品の数々。今回は結婚後の夫婦について

自分が上手くやれてる方なのかなと思うくらい上手くやれてない人達が多数出てきます。これはそういう作品なので仕方ないですが、誰かと一緒に暮らすというのはどこか我慢したり諦めたり、そして何よりそれがずっと続くという閉塞感。変化がないことに対する退屈。手放すのは簡単だが繋ぎ続けることは難しい。このような言葉が沁みました。

最初は終わりに向かっていく作品がおおいですが、最後の方は希望もあったり
おすすめは秋茄子 なんとか家族になっていきたいという気持ちが見えて安心 表題作の紙婚式もそもそもが破綻している夫婦関係から修復?とも見えるラスト。夫婦の在り方も自由になった今だからこそ、皆悩み、どうにかして生き続けるしかないのですね。

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2021年03月19日

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夫婦に限らずだけど、”自分以外”は他人だから価値観も考え方も何もかも違うのは当たり前。
血縁のある家族でさえ、何を考えているかなんて言葉にしないと分からないのだから、育ってきた環境も何もかも違う他人なら理解できないことがあっても仕方ない。

しっかり話し合って、考えを言葉にして伝えて、譲り合い、ときにはぶつかり合って、一緒にいる努力をお互いにしていかなければ夫婦という紙1枚の関係なんて呆気なく崩れてしまう。
結婚とは、夫婦とは、なんなんだろうなぁ、と考えさせられ本でした。

読みやすいし面白かったです!

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2021年01月18日

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いろんな結婚の形の話。みんな気づかないふりをしていて先延ばしにしたり、自分には関係ないと思ったり、心で言い訳をしたり、とても人間らしくて。ほんとにこんなことありふれているんだろうなと思う。自分に正直に、でも人には優しくできるように生きたいものです。

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2020年09月17日

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女の人の短編集。普通の女性のはずなのに読み進めると少しづれていることがわかる。哀しい思いで恋をしている話

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2020年08月18日

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愛ってなんだろう。
みんなそれぞれいびつだったり、
やるせなかったり、
現実にある、死ぬまで続く日常。
どれも不安をかき立てられた。

秋茄子と紙婚式が好きかな。

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2017年06月07日

Posted by ブクログ

当たり前だけど色んな夫婦があるんだなと。
我が家は8年目だけど夫婦仲が良く幸せな家庭だと思っているけど、そう思っているのは私だけ!?と、思わず考えてしまいました(笑
複雑な気分になってしまう話が多かった中、『秋茄子』の話はホッとできて良かったです。

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2015年12月11日

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 屈折した夫婦だらけ。なんだかなあと思うけど、よくあることことかも、自分にも似たようなことがあるようなと思うと引きずられるように読んでしまう。
 もっと、カラッと明るくいきたいもんだけどなあ。

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2015年08月11日

Posted by ブクログ

結婚をテーマにした8篇の短編集。
結婚といっても幸せいっぱいの結婚生活って雰囲気じゃなくて、どの話もどこか不安定な雰囲気。でも、共感した所もいくつかあって、読んで良かった。

「貞淑」では笑い話で終わると思いきや、そんな流れになるのかと驚いた。
男性が語り手の話で、大体は僕や俺が一人称として使われるのに、たまに私ってなってるのが気になった。たまたまなのか、私の気にしすぎなのか、何か意図があるのか…

「ますお」という話が怖かった。「土下座」「バツイチ」も印象に残った。

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2014年09月07日

Posted by ブクログ

タイトルや裏表紙ぱっと見から、勝手に、ほのぼの系の日常の幸せを描いた話かなと思ってたけど、違った。ちょっと後味が悪いのも多かった。後半の数話は、少し救いもあったようだけど…。

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2014年04月04日

Posted by ブクログ

8個の短編集。
結婚とは何なんだろう…と考え込んでしまう。
共通・共感・嫌悪…いろんな感情が蠢く。
女って何て面倒くさくて厄介なんだろう。
夫婦って何なんだろう…

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2014年03月04日

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