【感想・ネタバレ】口笛をふく時のレビュー

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Posted by ブクログ

二つの川があって、その二つの川がやがて合流して大きな川になるような壮大な物語でした。戦争の時代を生きた父親と、現代を生きるその子との葛藤そして、善とは悪とはを問いかける内容です。
年代からいえばワタシは子の年代にあたるのでしょうが、描かれている父の心情はまことに共感のできるものでありました。

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2019年03月07日

Posted by ブクログ

戦前に灘中に通っていた父と、大病院で癌患者を担う息子。戦争と医局の力関係という、それぞれ大きな力の元、一人の女性によって人生が交わっていく。

医療系で真面目な方の遠藤周作であるが、かなり読みやすい部類だと思われる。戦時中の灘中(今の高校)で、平目という同級生と出会い、成績不良で挫折し、戦争によって引き裂かれる。一方で、医者の上下関係によって、正しい治療法を見誤っていく。

戦争の話は、かなり端折って軽く描かれている分、医局の異常さという部分が重くのしかかる文章となっているものの、難しい文章ではないため、理解しやすいだろう。展開としては、最後に大きくカタルシスがあるわけでもないので、最後の部分は余計に感じた。

遠藤周作自身の私小説の部分が大きいだろうし、それぞれのパートで主人公を書き分けるために苦労したのはわかるのだが、「小津」と「鋭一」という姓名でのかき分けは、正直なところ引っかかった。

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2020年04月07日

Posted by ブクログ

うーん。分からなかった。
私にはよく分からなかった。
平目と小津の行動も、鋭一という人間も、何一つ理解も共感もできなかった。
ただ、ほんの少しの記憶の切れ端の関係に、大切なものを、光をみるような、戦争というものは本当に体験した人にしか分からない絶望をもたらしたのだと。そしてそれらの気持ちは、戦争を体験してないわたしたちには決してわかり得ぬものなのだろうなと思う。

小津には同情するけれど、鋭一はサイコパスにしか思えず辟易。

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2022年01月21日

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