【感想・ネタバレ】少年と犬のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

多聞という犬が、3.11の震災場所から遠くどこかを目指し日本をほぼ横断する。その中で様々な人と出会う。彼らは「死」を匂わせる人々だった。
そして出会う。大切な人に。最後は涙無くしては読めない。

私は昔から動物と一緒で動物と暮らしてなかった時期などなかった。だからか、この話に出てくる多聞の不思議な人を見透かすような、心を理解するような行動はよく理解できる。
動物には不思議な力がある。これは確かであると思う。それが小動物だからとか犬だからとかは関係がなく。手を失ったハムスターの子は名前を呼べば必ず出てきてくれて、私が辛くて苦しい時は犬や猫たちが癒してくれる。そばにいるときもあれば離れて見守ることもある。兎の子は十何年も生きて立派に老衰してくれた。
人と動物の絆は深いものだ。我々ももらってばかりではいけない。彼らにきちんと応えたい。
この物語はそれをグサリと感じさせてくれた。多聞に私も感謝がしたい。これからも大切な子たちを守っていきたいと思う。

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2024年05月26日

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多聞を通じて色んな人生を見られる作品でした。読み始めは多聞に関わる人が死んでいくので、「犬が人の業を見抜いて裁く」的な話かと思いました笑
ですが、多聞は人の心を察知する能力に長けていて、その人の最期(再起)に寄り添いながら旅をしていたのですね。
最終章「少年と犬」では胸が熱くなりました。
犬飼いたくなりますね、この感動。
1つ思ったのが、最終章でのお父さん。3.11を経験して移住したのであれば、せめて古民家ではなく耐震強度ありそうな家に住んで欲しかったかなー、、
不思議な犬の力はきっとあると信じています。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こんな感動話とは思わなかった。
今生きているのが辛い人たちが犬と出会って癒される話かなって思ってた。
でも3章目で飼い主が死んで、あれ、今まで飼ってた人たちみんな死んでね?って思ってからこわかった。
そー思ってたけど死んでも癒しがあって犬と出会えて幸せだったらいいんじゃないかなって。
5章目読んでこの犬は目的地があって後腐れないように死期が近い人のところでお世話になっているのかもって思った。
少年に会えて少年を庇って死んでいったのに他の人の力をかりながら少年のために死んだことに感動した。
読んでよかったです。

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2024年02月19日

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2023年出版 馳星周 「少年と犬」

第163回直木賞受賞

5年かけて岩手から熊本に渡ってきた犬の話。
また、7人の関わったきた人の苦悩。

繰り返し「大丈夫大丈夫」「東から西へ」

○少女と犬※この話が好き
事故で右足と両親を失った車椅子の少女の話。
福井県の東尋坊。"目標があると、人間って意外と頑張れるんだよね"(少女の言葉) 死を望んだ少女が犬のお陰で前を向こうとした台詞。
前向く姿勢に少し泣きそうになった。

○少年と犬※泣いた
仲良くなった子に会いにいくために5年もかけて旅して最後はその子の命を守った多聞。少年も死を受けいれつつ"心の中にいる"といった少年は素敵だと思った。

犬の力強さと優しさに胸を打たれ、
登場人物たちはみんな最後には救ってくれた多聞のことを気にかけていて「動物」は神秘的な力があるなと感じた。

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2024年05月03日

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ネタバレ

よかったし、感動した。
私はひどい動物アレルギーで、犬と一緒に暮らすことは今までも、多分これからもないけれど、本当にこういうことがあるんだろうか。そうなんだとしたらすごいな。なんとも縋りたくなる生き物だな。
光はずっと話さなかったのに多聞と暮らすようになってから話せるようになったことが、私にはすごく辛かった。両親も精一杯やっていたのに、ああ多聞じゃないとダメだったんだということがかなりこたえた。(別に作品の中では両親はそんなふうに思っていないのに)
良い小説だったなと思うけど私の好みではないなとも思う。言語化が難しいが、多分私は日常や、日常の少しの歪みが引き起こすような感情の機微が好きだ。飛び抜けて利口で、ちょっと人智を超越した本能的な力を持つ犬の存在が中心となり、さらに震災や人の死、別れという非日常に関わる話となると……なんというか、そら人の心動くやろと思ってしまう(?) これは父に勧められた本だが、本当に父とはことごとく好み合わないなと思う。いや、面白かったけど。逆に私の好きなものとか勧めてみたい。

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2024年03月20日

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最期まで誇り高く、賢い多聞に涙が出てきた。
多聞に関わった人々も、多聞自身の人生を壮絶で濃い。多聞が神様という表現に違和感を持ったものの、きっと多聞がいようがいまいが、避けては通れぬ不幸だったんだなと解釈した。
多聞が人々の人生を玉響に導いたことには変わりがないのだから。

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2024年03月04日

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めっちゃ読みやすくて一気読みした。
初め多聞に出逢う人みんな死ぬじゃんって思って何多聞て死神!?怖っ!!て思ってたけど私の単なるホラー作品の読みすぎでした笑
そういえばある老人ホームで飼われてるわんちゃんが患者さんの死期を察知して不思議な行動を取るってゆう話聞いたことあるけど犬ってそういう不思議な力があるんだなって思った。
最後は悲しい結末だったけど5年間も想い続けてきた愛する人の1番近くでその人を守って死ぬって多聞は幸せだったんじゃないかなって思う。
犬ってやっぱり素晴らしい生き物だしいつまでも人間の1番の相棒だよね。

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2024年02月20日

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読みやすい作品だと思った。
犬飼いたくなった。

5年間も旅したけど約束を果たしたら呆気なく亡くなってしまう。意外とこれが現実的だな、と。
今までの人生の中で殆どの人は必ずどこかしらで犬と関わる機会があり、その経験とどこか通づる所が皆共通してあるのではないだろうか。

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

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多聞という1匹の犬が旅の道中、人々を癒していく話。拾ってもらってもふとした移動中、ある一定の方向(九州の方)を見つめることがあるため、真の飼い主の所に行きたいんだろうなと各々のタイミングで放す。
夫婦と犬、老人と犬の終わり方が良かった。

最終章、少年と犬が旅の終着点であったが、仙台から熊本まで光くんを求めて旅をしていたのだった。なぜ熊本に光がいると分かったのか、常に熊本の方向を誤らなかったのか。5日ほどかけて自力で移動したことになるらしい。また、熊本でも震度6〜7の地震が起きて家屋が倒壊し、屋根の落下から光を守ったことで大怪我をし臓器を傷つけてしまい、獣医に見せてもこの地震の混乱の中手術は難しく他もそうだろうし安楽死してやらないか?と同意し、実行。妻に話すと涙を流してショックを受けるも、光に恐る恐る話してみると僕の胸の中で生きてるから大丈夫だよ!とあっけらかん。

道中のエピソードも犬としてはしっかりしすぎているのはあるがまだ面白みが勝っていて良かった。しかし、最終章で明かされる旅の目的や、多聞の最期は出来すぎていて残念だった。

犬を飼いたい気持ちにさせてくれる1冊だった。

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2024年02月19日

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