【感想・ネタバレ】村上朝日堂はいかにして鍛えられたか(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

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長旅には村上さんのエッセイを一つ持っていきたい、ということでアイルランド出張に持参した本。
期待に十分以上に応えていただいた。たぶん折に触れて読み返す。

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2017年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うーん、いいですね。凄く良いです。村上さんの、エッセイと小説での振れ幅の大きさが、凄く好きですねえ。

小説は、こう、ガンガンに身につまされる感じが、します。
エッセイは、こう、お気楽極楽ノホホン、って感じが、します。
あんなでえれえ小説を書く御仁が、お気楽極楽ノホホンなだけの人生を送っている筈がない、とは思うのですが、村上さんのエッセイのこのユルさは、凄いなあ。エッセイが、こんだけユルいからこそ、あんなに引き締まった小説を書くことができるのかな?とも、思う次第ですね。

でも、このエッセイも、凄くこう、ノホホン路線なんですけども、きっちりとドギツイ事も書いていたり、すげえ真っ当な「怒り」みたいなもんも書いている。でも口調はあくまでもノホホン。その感じが、とても好きですね。村上さんの、世の中の捉え方が、好きなんだろうなあ。自分には、とてもシックリとくるんだろうなあ。

なんだか凄いな、って思うのは、村上さんが、あとがきで書かれているのですが、このエッセイの連載を続けながら、その間に、あの、すげえシビアなノンフィクション「アンダーグラウンド」を書き上げるためのインタビューを、同時進行で続けていたのですね、当時。

こんなに(いい意味で)チャランポランなエッセイをガンガンに書きつつ、あの超どヘヴィーな「アンダーグラウンド」を作品として発表するための準備を、着々と進めていた。その、村上春樹の、二面性よ。素晴らしい。素晴らしいなあ、って思うんですよね。

この人の発する言葉は、どうしても、自分の心を打つのです。そんな事を感じられる作家に出会うことのできる喜びってのは、全くもって素敵なことですよね。

ちなみに、自分は、タモリさんの事は全く知らないですし、テレビをほとんど見ないので、タモリさんの出ている番組もほとんどちゃんと見た記憶はないのですが、村上春樹のエッセイは、タモリにとっての「タモリ倶楽部」みたいなものか?とか思う次第です。

とてつもなくくだらない事を、ちゃんと追求して、面白さが一番の根本にありつつ、他の誰かの気持ちをホワッと幸せにして、本人もとにかく楽しんでいる。そんな夢のような素敵な相乗効果。そんな村上さんとタモさんの共通点みたいなものを、なんだか、フワッと感じるのですよね。

「タモリ倶楽部」を、ちゃんと見たことが全くないので、あくまでもイメージだけでの話なのですが。いやしかし、「空耳アワー」は、間違いなくウルトラ好きです。

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2020年10月19日

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