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Posted by ブクログ
今の僕に必要な小説でした。
仕事を辞めようと迷っていること、
コロナ禍で人生が変わった実感があって、
でもそれを言語化はできていなかったし、
できなかった自分がいるなと感じていた中で、
仕事を辞め、コロナに翻弄される美月は境遇の違いはあれど、重なる部分も多くて一気に読み進めた。
人生での失敗も、あのときこうしてればってことも全部いい具合に混じっておばさんになればあの時のアレがいまここに生きてんだなーってのがわかるみたいな話をまりちゃんだか三宅ちゃんがしてたと思うんだけども、美月もそんな感じで落ち着く。
自分とは違うのは美月は6年は同じ会社に勤めて、ちゃんとした能力を身につけていたこと。俺はどうなんだろうか。
三宅ちゃんが風邪をひいて精神的に参っちゃったところが1番コロナ禍の怖さ、異常さを語るとこで重要だと思ったし、自分と重なった。
自分もコロナ禍が始まって間もない4月に2週間ほど体調を崩し、そこから実家に帰って引き篭ったり、いろいろおかしくなっていった気がする。
そんなコロナ禍のあれこれを思い出して、やっぱり異常だったな、って思う反面、だから今の世界、自分があるんだなって思ったり。世界ってそう言うふうに動いてんだなって。
だから自分がここでもう少し踏ん張っても、仮に辞めたとしても世界は動くし、自分もどうにでもなる。あとは自分が何がしたいか、動き出すまで待つ。たとえば美月の葡萄みたいに。
なんかそんなことを考えるきっかけになったし、自分の中でちょっとスッキリしたので読んで良かったです。あと装丁も好きです。山梨の葡萄畑に行きたくなりました。この勢いで行ったら仕事を辞めて山梨に住むとか言い出しそうなので、落ち着いてから行きます。
Posted by ブクログ
仕事を辞めてしまった美月、母親の友人の市子のところに転がり込み、次の仕事や将来をなんとなくボヤボヤと模索する現状にやってくるコロナ禍と自粛社会…と、こう書くとなんだか、居心地の悪い小説のようだが。
実は「虹色天気雨」「ビターシュガー」の続編になる。美月が転がり込んだ市子は美月の母親も同然の人だし(これが分かってないと行動の意味が違ってくる)、美月の周りの人たちの破天荒な言動も懐かしくじわじわ思い出せてくるし。
コロナが社会に与えた影響はここまで計り知れない。東日本大震災とコロナが日本に与えた衝撃、経済大国だったはずが先進国の輪からも外れかける体たらくだが、それでも俺たちは生きていくわけだし、どうせい生きていくなら、たくましくふてぶてしく面白おかしくきちんと生きていこうと思った次第。
ところで、この小説のレビューを読んでると思った以上に評価が低く、その内容も「アラサーが勢いで仕事辞めて周りが助けて楽しく生きるみたいな非現実的でご都合主義な本」みたいなことが多いようだが…。やっぱ前2作読んでおいた方が…この本の魅力は続編であることが前提だと思う。
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ちょうど自分がこれからの将来について悩んだときがたまたま27歳で絶対に読まないといけない気持ちに駆り立てられた本
これの前の2巻読んでなかったけどこれだけでも十分理解出来たし読んでよかった
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私が20代後半から30歳ぐらいだったらもっと入り込んで共感できたのではないかと思う。
青空の下、光がふりそそぐ中で飲むぶどうジュースの描写は好きだ。そして、自分が生まれる前から年上の友人たちはずっとこの世界に存在していて、生活をしてきたという事実を実感する場面は良いと思う。
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コロナ禍に、まもなく30才女性がどう生きていくか考えるお話。主人公の心情描写が絶妙で、きっと現実にもこんな風にコロナで人生変わった人っているんだろうなぁと思えた。まだコロナが進行形の時期に、もがいて好転していった主人公をあえて描いてくれた作者に感謝。励まされました。
Posted by ブクログ
なんか登場人物の説明がやたら多いなぁと思いながら読んでいた、しばらくして裏表紙の方を見たら前編となる本が二冊も。遅まきながら一作目から読んでいこうと思っています。
自分の親の友達との距離の近さにびっくり、前編の二作を読んでいれば納得できるのかも。
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美月が母の親友たちと同世代のように溶け込む姿が異様にみえた。コロナ禍を意識してか狭い環境、関係性の中で各人が希望を見つけていく。ざっくばらんな筆致が次第に慣れたのか親しみを感じた。
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仕事を辞める理由が、スッゴく共感。こういう積み重ねで未来に希望が持てなくて辞職が、ほぼ転職の理由第一位のような気がする。でも辞めてみて、もっと何か出来たような気がすると後悔する辺りも。
28歳、まだまだ、これからで羨ましい。たとえ、葡萄がダメだとしてもまだまだ道は幾つでもある。
出てくる登場人物が、やたら具合的な描写だなと思ったらシリーズものだったのか。彼女達が若い頃とはもう感覚が違うから読む気はしないけど、50歳超えてこんなにはつらつしてられて羨ましい!
30後半になって、子供2人抱えてたらこんなモラトニアムな時間を過ごせなくなる。あー羨ましい。
まあ50代になったらあの頃は若かった、何でも出来るって後悔するんだろうな。。
Posted by ブクログ
先が見えないのに「今だ!」と勢いよく辞めてしまった28歳の美月が、転がり込んだ先は、母の親友である市子の家。
昔馴染みの母の知り合いたちに囲まれて過ごすうちになんとかなりそうと思う美月が、これがやりたいと思って行動したのは、葡萄ジュースを作ることだった。
コロナ禍で、周りの状況も変化するなか、市子を始め三宅ちゃんや辻房恵さんという個性の塊とのやりとりがなんだか心強くて頼もしく感じる。
コロナ禍で動きが取れないなどと言いながらいろんなところで関係が出来、新しいことの始まりもある。
よくある普通の日常で会話なんだが、人との繋がりで一歩前進しているのだ。
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なんとなく思っている事。言葉に出来ないけど心が止まってしまうことを主人公の変化とともに丁寧に書かれていました。
仕事を辞めてから周りがやけにうるさく思えたり、
かと思ったら自分の事を嫌になったり。
自分では言葉に出来なかった過去の事を思い出しながら、この本の中であぁ私そうだったんだと発見できた気がします。
Posted by ブクログ
ここのところ、江戸時代づいていた著者の現代小説。
しかも、コロナの真っ只中で20代の最後を過ごす女性が主人公。
失礼ながら、このグダグダと一人語りが続くのは、
まさに「妹背山婦女庭訓 」シリーズ。
でも、このグダグダから、主人公は何かを得ていくわけで・・・
本作のヒロイン美月は、コロナ直前に、ほぼ衝動的に大会社を辞め、
無職となって、母の友人の家に居候生活スタート。
コロナ禍、就活も進まず・・・時間だけが過ぎていく。
この間、グダグダと続く語りが、まさにコロナの時代。
ああ、そうだった、そうだったと、ちょっと過去形。
(初期の頃のパニックは、さすがになくなった昨今)
その美月の周りに居るのは
同世代の友人ではなく、母の仲間。
20代は忙しいというのもあるけれど、
コロナだからというのも大きい。
でも、それだけじゃないところが、またリアル。
一方で、母の仲間は、とびきり、素晴らしい。
アラカン、まさにわたしの世代。
美月より、この人たちの言うことの方が、しっくりくるのは当然w
良いなぁ、この仲間達、と思っていたら、
なんと前作があったのだとか。
「虹色天気雨」「ビターシュガー」・・・ああ、聞いたことがある。
美月の両親と、母の仲間の若かりし頃の物語。
読んでみたいけれど・・・
いまさらかな。
同世代の過去の物語はいらないか~
だって、みんな、良い感じに年齢を重ねているんだもの。
Posted by ブクログ
退職して、職を探そうとしたら、コロナ禍に。
自分は何をしたいのか、自分を見て目直し、一歩を踏み出そうとするアラサー女子の物語。
自分が凹んでいるときに読んだので、また読み直したい。美月はたくましいなと思った。
そして『虹色天気雨』『ビターシュガー』の続編にあたるとのこと!
続編と聞いて、虹色天気雨から読み直したくなりました。
Posted by ブクログ
主人公・美月は28歳、独身。仕事に虚しさを覚え会社を辞職して母の友人宅に居候…。コロナの蔓延、将来の見通しもなしですが、物語を読み進めても、あまり深刻さ・暗さを感じません。
おそらく、良くも悪くも、美月が幼少期から年上世代の中で育ち、漫才の掛け合いのようなやり取りができる性格であること。また、「 」の会話文だけでなく、軽口の話し言葉表現が多用され、テンポのよい読みやすさを生み出している為だと思います。
人との繋がりが新たな仕事への関心に結びついていきます。そして、葡萄の収穫で感じた一粒の美しさ・美味しさ、楽しく心地よい開放感で心が満たされた光景が、自分やぶどうの成長につながる新たな出発点となるいう象徴的な描写が良かったです。
「無職。まだこれから何にでもなれるってこと。ぐらぐらの時期にやってたことが、あとあと意味をもつ。」という言葉は、読み手にとって良いエールでした。苦しみながらもがくことも大事なんですね。
本作には、前編となる2作『虹色天気雨』『ビターシュガー』(私は未読)があり、本作の主人公・美月の母の恋愛&友情の物語となっているのだそうです。
予備知識なしで読み始めましたが、登場人物の関係性など、理解に支障はありませんでした。
Posted by ブクログ
自分の本当にやりたい事がわからなくなり大手企業を退職。母の古くからの友人市子宅に転がり込み、職探しの最中コロナ下に突入。でも市子の紹介で辻に会ったあたりから面白いくらいに都合よくやりたいことはこれだと気づき、お仕事も同じく無職の友人ともどもみつかり大団円。なんなら彼氏もできちゃうかもという雰囲気もあり。読みやすかったが、現実はこんなに甘くないし、そんなに知人関係に恵まれているなんて稀だと何故か僻みたくなる読後感だった。
Posted by ブクログ
30代を目前にして退職、そしてコロナ禍に見舞われた女性の話。
自分と同年代。
今思えば懐かしき緊急事態宣言、不要不急の外出自粛。
コロナ禍で得られなかったものも多くあったのだろうけど
個人的にはコロナ禍で得たものの方がとても大きな意味を持っていたし、人生の糧と刺激になった。
いつでも前向きに今を生きれば何か進む。
調子に乗れるんなら調子に乗ってぐんぐん進んでいったらいい、こけるときゃこける。どうせこける。こけるに決まってる。だからこそ、調子に乗ってこけるとこまでいったらいいんだよ、こけたらこけたでいいんだよ。
三宅ちゃんいいこと言うね。
巻末の前編となる物語
虹色天気雨
ビターシュガーも読もうかな。
Posted by ブクログ
都会大好き、田舎暮らし経験者の私ですら、こんな田舎暮らしなら素敵だなあって憧れてしまう描写。
広く明るい空、澄んだ空気、どこまでも続く葡萄畑…
想像しただけでうっとりする。
ぶどうジュースが無性に飲みたくなる。
コロナ渦の影響や生活を織り交ぜながら、根底は「仕事とは」という普遍的なテーマ。
大企業の歯車となって働くことに虚しさを感じるのはきっとよくあることではあるけれど、今のご時世それだけで退職なんて言ってられないよねとは思う。
身を寄せる先があるっていうのは心強いものだな。
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やや、読みづらい文章でした。
内容は、面白いです。勇気をもらえる、元気をもらえるお話です。
だからこそ、私には少し苦手な文章?スタイル?だったのが残念なところでした。
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勢いで会社を辞めてしまい、コロナ下で生き悩むアラサー女子・美月が主人公。
その美月を取り囲むのが、美月から見れば親世代のみんな手に職を持つ人たち。流され、弾かれ、巻き込まれ、でも最後には弾みでやりたいことが見つかって・・
主人公の心情の変化を細かく追いかけていくと言えば格好良いですが、行方が定まらぬ美月の生き方同様、だらだらと美月の独白で進む物語。どこかとりとめもなく。。。
女性の思考パターンなのかな?女性には共感者が多いようです。男性だともっと変な理屈をつけて自分の「やりたい事」を正当化するだろうな~と思います。
Posted by ブクログ
五輪開催前の出口の見えないコロナ時代の日々。「コロナによって打ち出される政策に翻弄され続けている」人もいるんだ当然…。「暗い。コロナでどこもかしこも暗い」「ひび割れ、というのか軋み、というのか、それはあちこちで起きているんじゃないだろうか」でも主人公たちは明るく未来に。
Posted by ブクログ
突然会社を辞め母の友人市子の家に居候した美月。コロナが蔓延し再就職もうまくいかない毎日、山梨へ知人を訪ねてワイン、葡萄に出会う。山梨へ行ってからの生き生きした葡萄への興味が彼女を変えていく。自分の友達より母の友人たちとの交流が深いというのも変だが、還暦前で経験も豊富でしかもいい意味で変わり者揃いの行動、会話が面白かった。
Posted by ブクログ
現在もコロナ真っ只中な為かこんなに簡単で大丈夫なのだろうかと思う部分があったのは否めない。
けれども閉じた世界でもこれだけおおらかに構えている美月たちをみていると励まされる気がした。
たとえ行き当たりばったりでも出会いに積極的にそしてこれだという瞬間を見逃さない鋭い感覚を失わないよう今の弛みきったコロナ禍を生き抜いていきたい。
美月を優しく見守る大人たちのこれまでを知りたかったなと思っていたら「虹色天気雨」として既に刊行されていた。
しかも読んでいたのに全然結び付かなかったのが悔しい。
また読み返してみよう。
Posted by ブクログ
コロナ禍の直前に辞表を提出して会社を辞めた美月。働く意志はあるものの、世の中はとんでもない事態に陥り、ハローワークにも人が溢れている始末。出費を抑えるため母親の友人である市子ちゃんのもとに転がり込んだが……。
アラサー女子の奮闘記かと思って読み進めたが、どうも様子が違う。やがて美月は周囲の人達にも助けられ、思いもしなかった未来が広がっていく。
主人公にあまり悲壮感がなく、なにやらユーモラスな雰囲気で楽しく読めた。
Posted by ブクログ
コロナ禍の日常がリアル
2年前のことなのにもうすでに懐かしい日々
家にいれば平和なのに外に出るとやっぱり世界は変わっていることに気付かされる
あんなちっちゃなコロナウィルスに世界を狂わされたんだから人間が動けば自分も変われる
市子も美月もコロナ禍でも生きてる
Posted by ブクログ
今までイメージしてきた著者とは違うテイストで、かなり戸惑いながら読み進める。
というか、1人称ぶっちぎりの流れでなかなか一息付けない。若いからかぁ(笑)
題名が出てきたところで、ようやくこのお話の面白さに目覚め、そしてその前のお話が2編もあることを知ることとなる。
いろいろなコロナ禍を舞台にしたお話を読んできた中で、もやもやした思いをいちばんしっくりと代弁してくれている気がした。