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Posted by ブクログ
自分を受け入れられずに自ら不幸に突っ走るタイプの人たちの心理を理解したくて読んだ。真逆なタイプの人間にはこういう解説がないと理解が難しい。
他の著書同様、加藤諦三氏の表現は変にオブラートに包んだり飾ることなくストレートだからわかりやすくて好きだ。
挙げればキリがないが、たとえば
『ありのままの自分に価値があると感じている人の周りには、質の良い人が集まる。自分を受け入れられない人は、周りにいる人の質が悪い。その人たちはお金持ちかもしれない、有名かもしれない、権力を持っているかもしれない。しかし、人間としての質は悪い。』
『自分が見えている者にしか、他人は見えない。自分が偽物だと、他人の欺瞞がわからない。』
では、何故そうなってしまうのか。
たとえば親が恨みがましい性格で、いつも子供に罪悪感をもたせるように育てれば、子供は被責妄想になる。『責めていないのに、責められていると感じる。』だからこそ逆に、誰からも好かれようとする。いわゆる八方美人になってしまう。この要求が、満たされていない幼児的願望と一緒になると、相手に犠牲的献身を求める。『自分のほうから人を愛する気持ちはまったくなく、ただただ愛されることを求める。』『普通の人は、「あの人には常識が通じないから」と言って去っていく。したがって、ノイローゼの人やうつ病になるような人の周囲には、まともな人はいなくなる。周囲にいる人は、その人を利用しようとする「質の悪い人」ばかりである。かくて彼らは、最後には孤独に苦しむ。』
実際にこういう人を見ていると、確かにそうなっていく様子がわかる。そして本人に自覚はできない。だからこの本を手に取って、そんな自分としっかり向き合い、「うけいれる」勇気をもってくれたらと思う。
自分を信頼できている人間が、誰が信頼できるかを最もよく見分けられる。
悲劇的なまでに人を見る目がない人がいるが、こういうことなんだと納得する。
人間的な土台がなく情緒的に未成熟な人の特徴をよく表した例がたくさん書かれている。
また、何故そうなってしまうのか。それは「母なるもの」を体験して幼児的願望を満たされている人と満たされずに大人になってしまった人の違いだということが繰り返し述べられている。
『じつは、母なるものを持った母親の子供として生まれるか、母なるものを持たない母親の子供として生まれるかは、巨額の借金を抱えて生まれるか、巨万の富を持って生まれるか以上に違うのである。』
これが生きる土台の違いといえる。情緒的には幼児、しかし社会的には大人。しっかりとした土台が作られないまま擬似成長してきた人は、このギャップの中で生きているのだろう。『誰も好き好んで擬似成長してきたわけではない』しかし、まず、そういう自分を受け入れることからスタートしなければならない。加藤諦三氏がいうところの「神経症者」や「うつ病になるような人」には、このスタートラインに立つ勇気を持ってほしい。
親が与えた歪みを自分の力で直していくということが、生きていくということ。
自分の背負った運命と闘うことが生きるということ。自分の弱点を克服していくことが生きるということ。
自分を受け入れない人は人生の目的を間違える。
学歴、有名企業、年収…目に見える外側だけを必死にかき集めるより先に、心理的歪みを自覚し修復すること。
そして最後には、こう書いてある。
『あなたの心の底に積もったゴミを焼き払いなさい。もう「助けてくれ」と人に叫ばないで、自分でゴミを焼き払いなさい。』
まさに、天は自ら助くる者を助く。
加藤諦三氏のいう「神経症者」にいくら手を差し伸べても、彼らが「自分を受け入れる」というスタートラインに立たない限りは誰も彼らを救えない。その理由がよくわかる。
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今までの自分を否定して目をそむけていてはこれからの人生は切り開けない。ありのままの自分を是認して初めて自分はこれからどう生きればいいのかを気付くことができる。自分の弱さに安住し目をそらし続けていては幸せを感じることなどできない。敵が見えなければ戦えない。自分の弱さを認めるということは自分の弱さに甘んじるのではなく、自分の弱さと戦う下準備であるということだ。
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加藤諦三の本を読むとき、ひとつだけ注意点がある。
それは作者が「いつ」書いたかによって、
言葉の調子や、論調が変化している点。
著者自身、生き辛さを抱える人間であり、
激しくも、それを抑圧した、行き場のないような言葉を感じてしまうことも。
ノイローゼの人は、あまり初期の作品は読まないことをお勧め。
この本はそんなこともなく、お気に入りの一冊。
「自分を確立するために戦う」というのが基本ベースだから、
「癒されるわぁ~」という類ではないことは確かですがねw
加藤諦三の本でのおすすめは、
『行動することで人生は開ける』
『自分づくりの法則』
『自分の受け入れ方』
『心の休ませ方』
『つらい愛 楽しい愛』
それぞれに、違う意味があって、
なんかいいですよ(曖昧w)
本作品は、自分の辛さをどのように受け止めるか、を主題に書かれています。
「受け止める」ことに特化。
鬱とか、ノイローゼとか、神経症とか。
「そんなん自分に関係ないや」って人でも読んでみてください。
「ありのままの自分を好く」
それがどれだけ難しくて、
どれだけ先天的なものに左右されてしまうか。
その運命を認めて、今の自分から出来ることをはじめていく。
それは悲しいことながらも、していかなければならないこと。
今まで認めてあげることのできなかった『自分』
それは誰しも少なからずあるはず。
そんな可愛そうな彼(彼女)そっと優しく認めてあげることも、
たまには大事だと思いますよ。
Posted by ブクログ
孤立性から自立性へ。
自分に変化をもたらすのは容易くないと書いてあった。
しかし、裏を返せば不可能ではないと受け入れた。
自分が自分であるにはこの変化を自分と格闘しながら
少しずつなじんで生きたい。
Posted by ブクログ
幼児期願望が満たされなかった人=愛情をもらえなかった人。大人になってからも母親と他人の区別がつかず、愛情を求め続ける→周囲といざこざ、常に余裕がない。
幼児期願望が解消されないで大人になってしまった事実を受け入れる。そんな自分は他の人とは違うということを受け入れる。幸せは人それぞれの周囲に対する解釈の違いで決まる。だから、自分なりの幸せをみつけていけばよいと言った内容。
Posted by ブクログ
『我考える故に我あり。』過去に人生において、「自分」だったからそのように選択し、そのように生きてきたのだ。それが「自分らしさ」だったのだ。と、すべて過去における自分の生き方や実績を肯定し、賞賛することから、始めてみようかな。
Posted by ブクログ
「自信と劣等感の心理学」で加藤さんに興味を持ち、こちらも読んでみました。
あいかわらずのストレートな文章でした。
この本にもあるように、幼少の頃に満たされなかったことで、自分自身も幼児的欲求のまま大人になってしまっているのだと痛感した。
また、自分の周りにも多いと思ったし、逆にそうではない人もいることに気づきました。
専門的に学んでいる方などは賛否両論あると思いますが、もう少し加藤さんの本は読んでみたいなと思っています。