【感想・ネタバレ】正反対な君と僕 2のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ほんとう、尊いってこれだよな・・・・・勢い良く言う感じじゃなく、しみじみと言ってしまう、静かなんだけど、尋常ないほどのエネルギーが、この『正反対な君と僕』にはある。何言ってんだ、と呆れる人が多いだろうが、私も自分で何を言っているのか、分からなくて、苦笑いしながら、今、この感想を書いているので問題ない
こういう良質なラブコメを、あんまり深く考えるのは良くないなぁ、とは思うが、未読の方に、読んでください、と高圧的に言っても読んで貰えないのは、私だって理解している。
読んでもらいたいのであれば、何故、読んで欲しいのか、どの部分が自分に響いたのか、を言葉で説明できなきゃならない。小説家として世に出たいのならば、なおさら、そういうトコは蔑ろにしちゃいけない、と思わせてくれた部分で、まず、この『正反対の君と僕』に感謝だ。もちろん、これが、未読の方を動かせるモノになっていないのは百も承知だ。
この『正反対の君と僕』に、多くの漫画読みがグッと来ているのは、共感できる部分が多いからだ、と私は思う。
ちょっとした日常の中で起きる出来事に対するキャラの言動や、心の揺れ方に対し、この『正反対の君と僕』を読んでいる人間は、「あ、わかる」と自分のアオハルであった事を思い出し、頷いてしまう。
本気で「好き」になった相手と付き合っていれば、毎日、甘酸っぱい事ばかりが起こる訳じゃない。付き合い始める前にあった事が、付き合い出してからの毎日に絡んでくるのだから、時には、苦々しい空気になってしまうだろう。
この(2)では、谷くんと鈴木ちゃんの間に、傍目からしたら大したことは無いけど、当人たちからすれば大きく高い壁になるピンチが訪れている。それに対して、目を逸らさず、自分を誤魔化さず、なぁなぁで済ませず、ちゃんと自分の頭と心で考えて、好きな相手に真正面から距離を詰めていく、その若さが本当に眩い。
ドロドロしている訳じゃないにしろ、本気の恋愛物語に於ける綺麗事じゃない部分を、生真面目男子とギャル女子、そんな真反対の立ち位置に入るけど、お互いへの「好き」が純粋で揺るがない二人を主軸に据える事で、コミカルながらも、茶化さない感じで描いている阿賀沢先生は、実に脅威的だ。
また、この(2)では、元気花丸印な山田くんの青春に、恋の風が吹き始めている。150pは、正に、人が恋に落ちる瞬間を見てしまった、ってやつだ。谷くんと鈴木ちゃんと同じく、山田くんと西ちゃんも正反対なだけに、やっぱり、応援したくなる組み合わせである。
山田くんはゴチャゴチャ考えず、まず、自分が思った事を行動に移せるタイプだけど、こと恋愛に関して言えば、ニブチンな面がありそうだ。なので、意外と、スローペースかもしれない、西さんとカップルになるまでは。けど、気長に待てるだけのモノが、この作品にはある。

この台詞を引用に選んだのは、上にも書いたが、この『正反対の君と僕』の強みである、読み手が共感できる部分だからだ。
端的に言えば、これは、大抵の人が持っているであろう、しょうもない見栄だ。
けど、人付き合い、特に、恋愛において、見栄ってのは大事じゃなかろうか。
もちろん、相手を騙す事が良し、とは言わない。むしろ、騙すのは論外だ。
しかし、見せられる姿と、まだ見せたくない姿があって、後者を見せたくないが故に、必死で逃げてしまう鈴木ちゃんを誰が笑うだろうか。
この『正反対の君と僕』を読んでいる方の中にも、今、好きな人と付き合い始めたばかりの方もいるだろう。であれば、あなた方のなかにもあるんじゃないか、好きな人にだからこそ、見せられない素の面が。
そういう見栄を、私は、恥ずかしい、相手に申し訳ない、と思う必要はない、と強く言いたい。
実に人間的だ。
まぁ、鈴木ちゃんが油断をしていたってのは否定できない訳だが。
(ごめん、谷くん・・・!! ありのままの自分でいたいけど・・・! 流石に、何でもかんでも見せればいいってわけじゃないんだ・・・! 今はまだ、見られてもいい自分と、見せたくない自分がある・・・!! 曝け出し過ぎて、幻滅されるのは嫌~~~!!!)(by鈴木ちゃん)

もう一つ、私の心にぶっ刺さってきた台詞を紹介。
もう、これはグサァァァッッッ、と来ます。
これほどまでの大ダメージを喰らったのは、私が三十路を超え、アオハルが遠くなってしまったからなのか。
こんな青臭い事を言えちゃう山田くん、マヂに良い奴だ。
ますます、優しく見守りたくなる、彼の恋路を。
「なんていうか・・・違うんだよな~~~俺、別に、その人のこと、『好き』ではないと思う。ていうか、何も知らん。けど、なんか知りたくなってるから・・・なんつ~の・・・? ・・・あ、好きになりにいってるんかも、今。わかった」(by山田くん)

そんで、もう一つ、上2つに負けないくらいの破壊力を有した台詞を紹介。
読んだ人によっちゃ、自分にとって都合が良い解釈、結論の出し方だ、と感じるだろう。
けど、それもまた、青春真っ只中にいる若造らの真っ直ぐさゆえだ。
鈴木ちゃんは、学校の成績こそ揮わない子かもしれんが、決して、バカではない。
ちゃんと、失敗をしてしまった、後悔するような事をしてしまった自分との対話が出来て、自分の答えが自力で出せる、良い子だ。
谷くんが、彼女を好きになった理由が、改めて見れたような気がする。
しかし、今更だが、過去に囚われている平くんと東さんには、ほんと、幸せになって貰いたいわ。
「たとえ、見た目が良くても・・・! たとえ、仲が良くても、それが男子でも、だからといって、私にとって、それは=恋愛になるわけじゃないんだって、あの時、学ん・・・(・・・あ、何もなかったわけじゃないじゃん。ちゃんと、反省と後悔がある。というか、そもそも・・・)」
「・・・にしても、初カレ初カノとか・・・いいなぁ、ピュアって感じで。もう、私には経歴が濁り過ぎて・・・・・・」
「違う、関係ない。過去の潔白だとか・・・初めてだとか・・・過去に何も無い方が『純“ピュア”』みたいなの、変だよね? そんなことなくない?? なんのアピールをしてたんだ、私は・・・!!」
「? どした? なんか、スイッチ入った・・・?」
「たとえ、私が、過去に100人抱いた女だとしても・・・!」
「抱い・・・!?」
「今これから、目の前の人と真摯に向き合おう!って思ったなら・・・それは、もう、純愛“ピュア”じゃんね・・・!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・??!?」
「よっしゃ! 谷くんのとこ、行ってこよ。俺は『今』なんだよ!!」(by鈴木ちゃん、東ちゃん)

0
2023年03月05日

ネタバレ 購入済み

良い

ジャンプラで無料公開されてるから14話まで入ってないと勝手に思ってたけど入っていて安堵
2巻はこの話で締めなきゃね!

0
2023年02月12日

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