【感想・ネタバレ】美しき愚かものたちのタブローのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月25日

タブローにかけるそれぞれの熱い想いを知る前と知った後では、見方が変わりそうです。それぞれ全然違う人生で、タブローとの関わり方も違うけど、みんなにとって特別であることには変わりない。
国立西洋美術館もう一度行きたくなりました。

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Posted by ブクログ 2024年03月14日

一つの美術館のために、こんなに情熱を捧げた人がいて、命懸けで守った人がいて、尽力した人がいたことを知り、心から感動しました。
戦争で失ったものも多く、戦争で狂ってしまったことも多く、それがとても悲しいです。
それでも困難を乗り越えて守り抜いた絵画や彫刻、そして国立西洋美術館の誕生は彼らがいなければな...続きを読むかったことなのですね。
そこにあるのが当たり前と思っていた美術館、美しい絵画をいつでも見られることを心から感謝したいです。

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Posted by ブクログ 2024年03月13日

タブローにかける情熱。
敗戦国日本に本当の豊かさ、本物の美術を見せれる美術館をと願い行動した人々の情熱。
胸が熱くなった!

パリには行ったことないけれど、若き田代の目線で芸術の都、パリにワクワクドキドキした!

直島の地中美術館でモネの絵を見てからモネが大好きになったけど、この小説に出てくるモネと...続きを読むモネの庭の描写を読んでますます大好きになった!
この衝動のまま今からモネの絵観に向かっているところ!

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

原田マハさんは、男性よりも男性のロマンをよく知り、表現するのがうますぎる。
そしてどこまでがノンフィクションで、どこからがオリジナルなのか、全くわからなくなるから不思議としか言いようがない。かの有名な松方幸次郎、何回人生やってるの?と驚く経歴の持ち主。彼やモネが実際にこんな人だったら、嬉しいな…関係...続きを読むない私でさえそう願うのです…溜息がでるほど、熱く切なく感動する物語。
愚か者、美しい、タブロー…絵画がもっと好きになる一冊です。

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Posted by ブクログ 2024年02月07日

100年前の日本。芸術に関する知識もなければ理解も得られないような時代(今もその雰囲気は残ってはいるけど)。本物の芸術を知ってもらいたい、日本にも西洋に負けないくらいの大きな美術館を作りたい。そんな一心で絵画を集めた人間と、戦争で奪われた絵画を取り戻そうとする人間の酔狂な物語である。

愚か者過ぎて...続きを読む涙が出てくる。
この国を真に思ってのことをやってくれてる。

今でこそ、漫画やイラストが広がって日本のサブカルとして世界に知られていっているのも、芸術を取り入れ、そして守ろうとした人間たちがあったからこそなのではないか、と。

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Posted by ブクログ 2024年02月02日

「この物語は史実に基づくフィクションです。」通常は、史実をよりドラマチックに脚色して物語とするだろうし、本作も著者の手によって登場人物の感情の機微が繊細に描かれ美しく胸に刺さる物語となっている。
しかし、何よりこの物語で一番美しくドラマチックなのは「史実」の部分であると思う。
交わした約束と美術品を...続きを読む守るべく、異国の地で何百もの美術品を守り抜いた日置釭三郎や、次世代を担う若者のために美術品を集め美術館を開く夢を描いた松方幸次郎。彼らが描いた夢の結末が現実として国立西洋美術館として存在していることが本書を読んだ後だと特別誇らしく思える。
本書を手に取らなければ、「なぜ国立西洋美術館にこれらの作品があるのか」という事は考えもしなかったと思う。とても良い作品に出会えました!

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Posted by ブクログ 2024年01月22日

国立西洋美術館の成り立ちについてフィクションを織り交ぜながら書かれている。今現在に至るまでにどんな紆余曲折があったか、また美術品を守るために命を懸けた人たちのことを知ることができる。絵がもたらすドラマが本当に壮大で、読み応えがある。

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Posted by ブクログ 2023年12月30日

「戦闘機ではなく絵画(タブロー)を。戦争ではなく平和を。」
第二次世界大戦を経て設立された国立西洋美術館の誕生秘話や、松方コレクションの経緯を史実を元にしたフィクションで成り立つ物語。ゴッホの「アルルの寝室」などを含む超有名作品を中心に、現代に近い時代とさらに前の時代を行き来しながら進んでおり、結末...続きを読むで繋がる。
少し難しい部分もあるが、本気で美術に向き合った者達の奮闘した日々が綴られており、思わず食い入るように読み終えた。
これを読むと、国立西洋美術館での絵画の見方が変わるかもしれません。

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Posted by ブクログ 2023年12月28日

国立西洋美術館に込められた思いをひしひしと感じられる作品。
これを読んで美術館を訪れたので、改修後に来られた喜びもひとしお。
日本にこんな素敵な美術館があることに感謝できた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月09日

明治第四代、六代内閣総理大臣、松方正義を父に持ち、川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)の初代社長などを務めた日本の実業家である松方幸次郎。
そんな彼が一枚の絵に胸を打たれて「ほんものの絵を見たことがない日本の若者たちのために、ほんものの絵が見られる美術館を創りたい」と本格的な西洋美術館の創設を目指し...続きを読むて、数々の美術品を集める姿を、西洋美術を研究しタブローを愛する青年田代からの目線で描いている。
松方幸次郎という男は読んでいるだけで惚れ惚れするほど賢く立派に書かれていた。周りを巻き込む大きな磁力を持ち、大きくて新しくて強い人。かっこいいと思った。
時代は明治の日清日露戦争の頃。タブローを集めよう、美術館を作ろうなんて、その時は馬鹿なことでそんな時代でもなかっただろうけど、松方は美術のことなんかわからんと言いながらも、一枚の絵が人の心を動かす力を知り、これから文化の力は必要だと考え、美術館を創るため動いていた。造船所の社長で、先を読んでかつ欲深く、経営者としても賢くて、事業も成功を収めている。だから立場上、戦争を否定的に言うことなどできなかったと思うけど、それでもタブローの力を知って美術館を作ろうとしたのは、純粋に未来の美術に興味を持つ若者たちのためだけではなく、戦争よりも文化がもたらす平和を願ってなのではないかなと感じました。
松方自身が平和を願うような表現はなかったので分からないけど、文中に
「戦闘機じゃなくて、タブローを。
戦争じゃなくて、平和を。」
という表現がありました。
造船所社長である松方が集めたからこそ意味があって、動かされるなと思いました。

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Posted by ブクログ 2023年11月01日

使命感や責任に押し潰されそうになりながらも、コレクションを守り抜いた日置の存在は「愚か者」以外何者でもないが、その姿は本当に美しく心を打たれた。
絵一つにしてもそれぞれの物語があり、動かされた心がたくさんある。この本には、心が動いた瞬間が簡単に表現されているが、伝わってくる衝撃や思いはとても大きかっ...続きを読むた。
松方から-Bon travail!(いい仕事をしてくれ)
そして最後には、田代から-Bon travail!(いい仕事でした)この場面に涙が溢れた。

何度も読み返したい作品です⭐︎

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Posted by ブクログ 2023年10月22日

多角的に描かれる心に残る話を読んだ
前衛画家達も、松方も、田代も、日置も、みんな愚かものなのかもしれないけど、みんな美しいね
ジェルメンヌの言葉で涙が溢れた
そうだよ、
戦闘機じゃなくて、タブローを
戦争じゃなくて、平和を
正しすぎて、辛い
国立西洋美術館はやく行く

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Posted by ブクログ 2023年09月11日

戦闘機じゃなくて、タブローを。
戦争じゃなくて、平和を。

美術に知識がないにも関わらず日本に美術館をつくろうとした松方幸次郎と、その想いに共感し、様々な時代の荒波から命を賭けてタブローを守ろうと尽力した人たちによって今の国立西洋美術館があるのだと知った。
戦時中にナチスドイツから必死に絵を守った日...続きを読む置釭三郎さん。
どうしてこんなにすごいことを成し遂げた人がこんなにも無名なんだろうと思ったけど、原田マハさんはしっかりとライトを当ててくれていて、日置さんや返還交渉を粘り強く行った田代さんのような人がいたということを知ることができて、本当によかった。
国立西洋美術館。一度は足を運んで松方コレクションをみてみなくっちゃ。
読むのに結構時間はかかったけど、読後感がとてもいい物語だった。

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Posted by ブクログ 2023年08月19日

絵がわからないと言う松方幸次郎が集めた絵で、絵がわからない私が感動することが奇跡的だ。画家がすべてを注いだ絵を、理屈や知識でなく人をみて買う松方幸次郎だからこそ、命をかけて日置釭三郎が守り、吉田茂首相や田代雄一が日本に受け入れるバトンが尊い。戦闘機やお金でなく美術で回復したフランスと日本の繋がりは、...続きを読むモネやゴッホの時代から引き継がれていて、これからも途切れないことを願わずにはいられない。

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Posted by ブクログ 2023年08月09日

「戦闘機ではなく、タブローを」。

この本を読み終えてから、タブローのため、美術館を日本に作るために、尽力した松方幸次郎さんをはじめ、協力した人たちの想いで完成した国立西洋美術館やその絵画作品をひとめ見たくて、実際に訪れてきました。

「モネの睡蓮」を実際に拝見し、絵画の裏にあるストーリーが浮かび上...続きを読むがり、熱い思いで鑑賞できたのは、原田マハさんが、史実に忠実に巧みに書き上げてくださったこの本のおかげです。

戦争中にドイツ軍から必死に絵画を守ってくれた日置さんや、返還交渉を粘り強く行ってくださった田代さんの思いを感じながら、実際の絵画と対面できてとても楽しめました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月27日

最後のほうで、田代が亡き日置のためにゴッホ「アルルの寝室」をフランスとの寄贈返還の交渉をあえてやめて残留させるところがとても感動しました✨

人の想いを紡いでいくストーリーで良い読書時間を過ごせました♪

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Posted by ブクログ 2024年04月26日

またしてもよい小説だった。
自分もその時代にいて近くで物語を見ているような、またタブローがする呼吸まで感じるような。
ますます色々なタブローを間近で見たくなる。

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Posted by ブクログ 2024年04月14日

どうしてゴッホの作品が表紙になっているのか?と考えながらページをめくりました。(もちろん読んでいた中でしっかりと納得)

ゴッホやモネそしてその作品の素晴らしさについては、すでにマハさんの作品からかなり吸収できていたつもりでした。しかし、いやいやまだまだ。様々な角度でマハさんは楽しませてくれます。
...続きを読む
本作品の主人公たち。松方幸次郎、田代雄一(矢代幸雄)、日置釭三郎という実在した人々を中心にしてストーリーを展開しています。日清戦争、日露戦争、第一次大戦を経てきた、まさしく江戸時代から現代へと向かう日本文化の成長の礎となる歴史の動きを感じることができました。

富国強兵を掲げながらも、絵画を初めとした文化が一般大衆に根付かなければならないということにこだわった当時の上流階級の選ばれし人々。まあ、作品に登場する人々は超上流階級の人々であり、市井の人ではない。少し眩しい憧れのようなものを感じてしまいました。

本作は「松方コレクション」が日本文化に与えている重みを感じさせてくれる作品でした。

国立西洋美術館の完成は第二次大戦後となったのだけれど、その前に絵画を中心とした様々な文化、当時の先進国の一般大衆の文化が日本にも入っていたとしたら、果たして第二次大戦に踏み込んだのだろうか?ふと、そんなことを考えてしまいました。

マハさんのおかげで、いろんなことを考えされられました。政治、経済、文化、戦争、人々の営み、、、さらに今では地政学ですかね?微妙なバランスは今も昔も変わらないですね。

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Posted by ブクログ 2024年02月03日

松方幸次郎の絵ではなく人を見て購入するのが印象的。国立西洋美術館とジヴェルニーに足を運んでみたくなりました。

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Posted by ブクログ 2024年01月14日

面白く一気に読み進めた。
美術・芸術というものと国力との関係性。
実在の人物も出てきて、学びになった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月26日

正直、途中までなかなか読み進められませんでした。
ところが、日置という男性の話になってから一気に引き込まれてしまいました。
それぞれの人生が、タブローによって大きく動いていく様子は、フィクションであっても史実に基づいているものであるからかとても心打たれました。

(「楽園のカンヴァス」、「暗幕のゲル...続きを読むニカ」、「リボルバー」、本作を読んで、原田マハさんの小説は、行ったことのないフランスやイギリスやアメリカに連れて行ってくれるような気がして、ちょっとした旅行気分も味わえるなぁと感じました。)

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Posted by ブクログ 2023年10月26日

この小説を読むと、誰もが国立西洋美術館に行ってみたくなるようだ。松方コレクションを観るために。
松方コレクションの数奇な運命を、それに携わった人物たちとともに史実にフィクションを織り交ぜ、描いた壮大なアート小説である。
主人公は、実在の人物を仮名にした美術史家の田代雄一。
彼を中心に、松方幸次郎、文...続きを読む部省役員雨宮辰之助、総理の吉田茂、黒田清輝、田代の東京帝大時代の同級生成瀬正一、戦時中松方コレクションを守り抜いた日置釭三郎と彼の妻ジェルメンヌ、フランス関係では国立美術館総裁で返還交渉相手となるジョルジュ・サル、そしてコロード・モネ。錚々たるメンバーが登場する。
構成は、戦後の1953年6月、田代と雨宮が松方コレクションの返還交渉に赴いた場面から始まる。
その後、年代は戦前の1921年、1919年、さらに1866年まで遡り、再び1921年、1931年、1953年と来て、最後は1959年の上野公園国立西洋美術館と、めまぐるしい展開。一大叙事詩の感。
1919年の項では、翌年に松方幸次郎が海軍の福田中将からドイツが誇るUボートの最新型の設計図を密かに入手して欲しいとのスパイもどきの依頼を受ける挿話もある。
日本に美術館を作ろうと、絵画購入のため次々と画廊を訪ね歩く松方と田代。
人を介し、クロード・モネの邸宅への訪れ。
彼ら多彩な登場人物たちが様々な役割を演じ、繰り広げた物語は、彼らとともに読者も、遙かな旅をしてきたと思わせる読後感。
大磯吉田邸での項では、松方コレクションも絡む戦後の講和条約締結時の秘話も綴られる。フランス外相から返還の肯定的な返事を引き出した吉田の説得力と交渉術の巧みさは、現代の政治家に参照してもらいたいと思うが・・・
題名の「愚かものたち」は、もともと印象派の画家たちを批評した言葉だったとは。

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Posted by ブクログ 2023年07月06日

日清、日露、第一次、第二次と大戦を経て変わりゆく時代の真っ只中を豪快に生きた松方幸次郎。
その松方幸次郎と、『タブロー』を与えた者達、守る者、意思を継ぐ者に焦点をあてた物語。
モネ、ゴッホ、ロダン、読み進めると出てくる数々の作品は、私でも知っているものもあり興奮した。
「あとがき」では田代雄一以外は...続きを読む実在の人物でほぼ史実に基づいているという。その田代雄一にも実在のモデルがいる。
吉田茂やモネなどと時代を共有し、日本の若者の為に日本初の西洋美術館を作ろうとした松方幸次郎に日を当てた原田マハさんはやはり素敵だ。そして傑作だった。

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Posted by ブクログ 2023年04月22日

時間がかかってしまったけど、よかった…時系列にエピソードが並べられているわけではないので、時間が空いて続きを読むときは何回も前のページをめくってしまった〜けどよかった〜!!
国立西洋美術館に絶対行きたい。原田マハ作品を読むたびに思うけど、絵や写真がなくても絵画を見ている気分になるから本当にすごい。コ...続きを読むロナ前にオルセーもオランジュリーも行ってて本当によかった。また行きたいよ〜絵が見たいよ〜!

2023.7.27追記
国立西洋美術館行って来たよ〜!!!モネがいっぱいあって最高だった!ゴッホもルノワールもセザンヌもピカソもぜーんぶ良かった!窓の代わりに飾った絵はこれだったかな、とか、モネを訪ねたときに描いていたのはこれかな、とか、きっかけとなったブラングィンの船の絵はこれかな、とか、ブラングィンが描いた松方幸次郎の自画像ってその場で描いたというあの?とか、この本を読んでなかったら思い付きもしなかったことに思いを馳せながら鑑賞できて、とても贅沢だった。美術館って本当に楽しい!

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Posted by ブクログ 2024年04月29日

絵画は、考えるより感じるもの、というフレーズが印象的。本にも通じる。
絵画コレクターからの視点が新鮮的だった。強烈なキャラクターで収集する姿と、時代の流れとともに勢いと衰退する様が儚い感じ。

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Posted by ブクログ 2023年12月24日

国立西洋美術館がどうして作られたのかでした。大変な苦労があっていろんな人の遺したい。という気持ちが、これからも長い長い世代に受け継がれていくんだな…と思います。

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Posted by ブクログ 2023年10月28日

マハさんの作風は、情景が本当にみずみずしくて、一瞬で、その場に一緒に立っているような、風をうけながら肌で温度を感じながら、漂う匂いをかぎながら、絵を見ているような感覚になる。
全ての登場人物のキャラがたっていて、どこまでがフィクションか分からなったが、人たらしの夢追い人、情熱あふれる松方氏、実直に仕...続きを読む事を遂行した日置氏が実在したとは驚いた。こんなお金の使い方する、粋な日本人もいたんだなぁ。
コレクションを奪還すべく交渉場面をもう少し期待していたので、少し中だるみ感が否めない。

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Posted by ブクログ 2023年08月24日

史実に基づきながらも、実在した魅力的な人々をより魅力的に描いているという、解説に共感した。「楽園のカンヴァス」、「たゆたえども沈まず」の順で読んでおり、今回が3作目だった。

原田マハさんの3作品を通して思ったのは、史実から創造された情景描写、心情描写がわかりやすく、想像しやすいのはもちろんのこと、...続きを読む加えて場面や時代の切り替えによる話の運び方が秀逸であることだ。
時間軸に沿って史実を説明するのではなく、時間軸を前後することで、読者側にとって物語性を帯び、ドラマチックに映る。

第二次世界大戦下に日本における敵国、フランスにて守り抜かれたタブローを描いてはいるが、本書が2022年に出版され、ロシア、ウクライナの問題下であり、ヨーロッパの情勢が雲行怪しいことも無関係とは思えない。

松方が社長であっても会えなかった人にタブローを通せば簡単に会えてしまうと言っていたように、文化を介せば私たちは、もっと相手と近づけるのでは、分かり合おうとするきっかけになり得るのではないか。

国同士が緊迫していても、文化はそれらを飛び越える。その国の文化は相手に興味を煽る。世は話し合うことでしか良くなっていかない。いくら血を流しても世の中は良くならない。そうした話し合いは相手に興味をもってもらう、もたせるというほんの小さなことから始まる。

どうか、現代において、健康で文化的な最低限度の生活さえあれば、、、と思わずにはいられない。

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Posted by ブクログ 2023年08月17日

おもしろい!けど長くて読むのにすごく時間がかかってしまった。
自分的には1番気になっていた、「どうやってコレクションを寄贈返還にもちこんだか」がハイライト的な書き方になっていたのが残念だったので星3で。
他の部分はしつこいくらいじっくり書いてあるのに、最後はサクッと終わる。

史実を元にしているのは...続きを読む本当にすごい。時代背景などを踏まえると、どれだけ彼らのしたことが情熱に溢れ、タブローに翻弄されてきたかがわかる。
国立西洋美術館には企画展しか行ったことがなかったけど、常設展も近いうちに行かなきゃなぁ。

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Posted by ブクログ 2023年07月11日

美術に造詣が深くない私は、原田マハさんの作品で美術を知る。
史実を元にした小説だから全てが事実ではないだろうけれど、国立西洋美術館ができた背景を知ることができる。当たり前に今ある美術館も、先人たちの計り知れない苦労の末にあるものだと思うと貴重なものだと感じるし、それを受けて改めて美術鑑賞をしたいと思...続きを読むった。

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