【感想・ネタバレ】死亡告示 トラブル・イン・マインドIIのレビュー

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Posted by ブクログ

短編集全6編。どれも捻りが効いていて面白い、さすがディーバー安心して読める。特に中編サイズの「永遠」はシリーズ化して欲しい欲しいくらいである。

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2022年10月28日

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 短編集『フルスロットル』に続く『トラブル・イン・マインド』二分冊の後編。前編が、リンカーン・ライムの他、キャサリン・ダンス、ジョン・ペラムなど懐かしの主人公たちが活躍するのに比して、こちらは独立作品がほとんど。標題の『死亡告示』のみがリンカーン・ライムものだが、本書中では最も短いショートショートに限りなく近い短編。でもライムのアームチェアが表紙を飾っている。不思議だが出版社の意図が感じられ、それもまた理解できる。

 最初の一篇『プロット』は、スリラー作家の死を巡る短めの一篇だが、こちらと『死亡告示』は兄弟のような作品に見える。それと書く側の内なる深淵を覗き込んだら、えっ? となるようなひねりプロット。皮肉な真相には喜劇の一面も見える。

 次の『カウンセラー』は、オカルト&サイコ風味の語り口で始まる、とても奇妙でスーパーナチュラルな作品。こうした変化球も言わば広義でのディーヴァー節と言えるだろう。聞いたこともないような、全く奇妙なストーリーなのである。

 『兵器』はディーヴァーらしい大上段に構えた仕掛けとタイムリミット型サスペンスがブレンドした玩具のような作品である。それにしても結末がディーヴァーらしく後味が良い。

 『和解』は、父と子がどのように和解できるのか、はたまた距離が置かれたままの人生で終わるのかを、描くヒューマンなドラマ? さあ、そんなストレートに終わらないのが、ディーヴァーのおもちゃ箱的仕掛け。騙される快感は、本当にどこにでも潜んでいるのだから。

 『死亡告示』は、ディーヴァー死す、との死亡告知がタイトルになった実に小さく、かつ興味深い掌編。

 さて最後の一作『永遠』だが、これが凄い。本書の半分を占める230ページとなれば短編と言えるだろうか? ぼくの感覚では、限りなく長編に近い中編小説である。そして、長編小説なみにキャラが立っているので、是非、いつかシリーズ化して頂きなくなるような魅力的かつ個性的主人公なのである。

 その主人公とは数学の天才。何事も数学に置き換えて解き明かすその徹底ぶりが面白い。別に数学が苦手で嫌いなぼくのような読者でも楽しめたのだから、この主人公は是非再登場して頂きたい。その相棒刑事もなかなかいいやつでバディものとしても行けるし、犯罪者の側も、『カウンセラー』にも似たオカルト的サイコたちなので、この双方のツイストぶりが何とも傑作の匂い芬々といった空気なのである。

 短編集の掉尾を飾るこのラスト作品『永遠』を読むためだけでも本書の一読をお勧めしたい。ディーヴァーは、どこまでもディーヴァーなのであった。

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2022年10月13日

Posted by ブクログ

最初の方のいくつかの短編はディーヴァーらしくないプロットや、フィリップ・K・ディックのような不思議な世界観の話。あれ?どうしたのかなと思って読みすすめた最後の「永遠」は、これぞディーバーの本領発揮といえる作品でした。短編ではなく中編のボリューム。
主人公と仲間のキャラも出来上がっているし、どんでん返しがこれでもかと続く。リンカーン・ライム、コルター・ショウに続く新しいシリーズのお試し版として読者の反応を確かめるために発表したのではないかと思うほどの作品です。

前半の短編があれ?だったことについて、訳者あとがきを読んで理解できました。
「短編集1巻「フルスロットル」の著者まえがきにあるように、書き手がいつものジャンルから離れてみたいと考えたとき(中略)一編や二編よそのカテゴリーにお邪魔しても苦情は来ない」
ディーバーだってたまに違う趣向の話を書いてみたいですよね。でも、読者が納得できるように最後にこれぞディーバーって作品を用意して満足させる。さすがです。

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2022年10月07日

Posted by ブクログ

短編集の後半。
ライム死す。は言い過ぎでイマイチ。
他の短編はよく練られていて面白い。
特に最後の「永遠」は中編の長さで最後にえっとなるオチがついていて面白い。

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2022年05月22日

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ネタバレ

 ニームは人の本能の名残だ。のちにホモサピエンスとなる生物の心理的構成の一部で、生存に不可欠なものだった。初期の原人には、現代なら悪とか、犯罪と認識されるような行動が必要な場面がたびたび訪れた。つまり暴力に訴えたり、怒りや衝動、加虐的な気分、欲に屈服したりせざるをえない場面があった。しかし共同体が生まれ、発展するにつれ、そのような有害な衝動の必要性は薄れた。共同体を治める機関や軍隊、警察機関が、生存本能がそれまで果たしていた役割を引き継いだ。暴力や怒りなどの負の衝動は、不要になっただけでなく、共同体の利益違反するものとなった。

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2023年06月18日

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ジェフリーディーバーの短編、中編の作品。どれもこれも、文句なしに面白かった^ ^ 長編、改めて読み直してみたいなと思ってます。

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2022年10月09日

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CL 2022.8.26-2022.8.28
短編はよくわからないことがあるんだけど、これはオチがハッキリしていてよかった。
いつものジェフリー•ディーヴァーと違う面もあって楽しめた。
中編の「永遠」は主人公二人のキャラがよかった。

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2022年08月28日

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いやいやいや面白かったぞ!

本人曰く「書き手がいつものジャンルから離れてみたいと考えたとき、長編よりは短編のほうが挑戦のハードルが低い…………(中略)…………短編小説は、長編ほど読者に多くを要求しない。次回の長編はあなたが期待しているとおりの…………作品に戻りますよと長年のファンに約束したうえで、一編やニ編、よそのカテゴリーにお邪魔しても苦情は来ない」

言ってるとおりのことを思う存分やってます
そして長年のファンを自認する自分もまぁ短編ならねというスタンスだ
そして各短編に込められた革新的な取組みは革新的な取組みが常にそうであるように初めは凡人たちの否定的な意見に晒されることになる
凡人代表の自分もそう、これがいつかとんでもない長編の誕生のきっかけになるかもしれないから読んでおこう、まぁちょっとね、面白いかどうかでいったらまぁちょっとあれだけどね
なんて思ってたら

最後の中編『永遠』が出色の出来でした!
このままの設定で明日から新しいシリーズが始まってほしいくらい
いやもうすでに始まっていてもOKだ
登場する二人の刑事がもう魅力的すぎるんです!
中編なのでどんでん返しは軽めだけど脇を固めるキャラクターたちも粒立ってるし
ディーヴァーファンなら大きな心で手に取るべき1冊!

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2022年08月11日

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短編集の後編。お楽しみだったリンカーン・シリーズの一編より、最後に収録された「永遠」が一番のインパクト。長編シリーズ化も、映像化もできそう。つい先週から始まった坂元裕二のドラマ、これが元ネタなのでは…

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2022年07月20日

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短いながらもきちんとオチがある。
ライムの死亡告知という大袈裟なわなで犯人を追い詰めて逮捕するとはちょっと大胆。 中編の永遠も2つのオチがあってそれはそれで面白かったです。

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2022年07月06日

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ネタバレ

「カウンセラー」…ちょっと超自然的でした。若干後味が悪いです。
「死亡告示」…リンカーン・ライムシリーズ。一瞬ドキッとはしましたが、彼らなら犯人を炙り出すのにこの程度のことはやりかねないと思ったら案の定。ある意味これまでの彼をダイジェストに振り返ることが出来ました。懐かしい。そして『石の猿』を思い出して切なくなりました。
「永遠」…読み応えありました。数学オタクっぽい刑事とベテラン刑事のコンビ。シリーズ化しても良いのではと思いました。

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2022年07月02日

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短編集、実態のないエネルギーが人間に影響を与えると信じる男の話、死んだ父親の真の姿を知る話、夫婦の連続心中事件の謎を解く話など。

悪くはないのだが、前作「フル・スロットル」の方が面白かった。

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2022年06月26日

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ネタバレ

ジェフリー・ディーヴァーの短編集だったので。

リンカーン・ライムは前にも死んだふりをしたことがなかったけ?
という訳で、タイトル「死亡告示」にはだまされなかった。

面白かったのは、数学の天才刑事のお話。
統計上、病気を苦にして心中する夫婦にはあてはまらない「外れ値」だという
新たな切り口で心中事件を調べ始める。
捜査の手順がまったくわかっていないのに、
突き進んでいくのには笑えた。

「本物」の刑事からは馬鹿にされていたが、
最後には相棒になるし、射撃の腕は披露するし、
無事事件で知り合った女性とデートもできそうだったが、
それもこれもアシスタントの応援があってだと思う。

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2022年06月20日

Posted by ブクログ

どれも楽しめたが短編では「和解」。目を45°転じた時に見える景色の転換が凄い。中編「永遠」も楽しめた。数学フリークのタルがいい。ディーヴァー作品は長ければ長いほどワクワクが増す。

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2022年05月29日

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5つの短編と1つの中編。その中の「死亡告示」はショートショートみたいで楽しかった。「永遠」は中編ながら犯人逮捕に至ってもまだまだ続く不穏な感じが凄く良かった。

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2022年09月16日

Posted by ブクログ

ジェフリー・ディーバの短編集の下巻にあたる一冊。こちらは、ライム登場の短編が1編と短編が4編、中編的なボリュームがある1編という構成。短編はこれまでの作品とは一風変わった感じの作品もあり新鮮。どれもしっかりとオチが付いていてさすが。中編はライムとは違う意味での数学的な論理的思考で対応する主人公による展開は気持ちよく、最後のほのぼの感も良かった。

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2022年07月28日

Posted by ブクログ

手練れだなー。安心して読めるなー。間違いないなー。
短編集だが最後の1作は中編と呼べるくらいの量があって読み応え。そりゃあツイストも運びもすごいけど、ディーヴァーの真骨頂は共感できるキャラ作りにあるように思うよな、やや類型的とはいえ、細部が凝ってて深みがあり、好きになってしまうのよ。

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2022年06月16日

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