【感想・ネタバレ】私以外みんな不潔のレビュー

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Posted by ブクログ

主人公のもりなつきは、言葉遊びをしている点で、太宰治の『人間失格』を思わせるところがあった。また、カフカの『変身』のように不条理なところが垣間見られた。

さくらももこの『ちびまる子ちゃん』にも通ずる大人チックな観察や表現も持っていた。ただ、ほとんど、もりなつきの目線から世界が広がっているので、作者の独白のようにも感じた。ドストエフスキーの『地下室の手記』にも近いだろうか。

ストレンジャーであることの意義を教えてくれる小説だったと思う。つまり、遠く北海道から訪れ、卒園後は別の小学校に入学することが決まっている。その通過点をトンネルを抜けるようにうまくやり終えることに、ただそれだけに注がれている。

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2023年11月23日

Posted by ブクログ

最初、幼稚園生が大人の表現で?と、違和感を感じだけど、読み進めるうちに違和感は無くなった。
幼稚園のトイレ怖かった。子供なのに、子供嫌いな人に是非!小さい頃に思っていた感情が共感できます。

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2024年01月22日

購入済み

怒涛の幼少期の感覚

自分の幼少期の記憶で強く残っているものはなんだったか思い出すきっかけをくれる作品。
幼少期の記憶というのは大人になって繰り返し思い出すたびにちょっとずつ改ざんされたりしていくものだと思う。
この小説では5歳の男の子のお話だけれども、改めて
ああ、自分の幼少期にもこんな感覚になった、と思い起こさせてくれるところがある。
解説にもあったが、身体の感覚を伴ってが書かれている文章なので、
比較的(もう確認しようがないので)改ざんされていない、無垢に近い思い出がよみがえるのかなと思った。
自分も幼少期、こんな風に感じたことがあったな、と思いだせる、
まだ人生経験が浅いのでわからなかったけれど、今だったら名前が分かる感情などもあったんだなと。
能町さんはそういった鋭い感覚で子どもを描くのがとても上手だと思った。

#深い

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2022年09月06日

Posted by ブクログ

まったく、ここはなんて不潔で下劣な世界なんだろうか。私は今まで、文字がたくさん書けたり、絵がうまく描けることで、正当に評価されてきた。ところがそれらはここでは何とも思われず、どうやらかけっこだのなわとびだの、私が一つもおもしろいとは思えないものが得意な、くだらない人ばかりがほめそやされている。(P.98)
どんな大人も、ときどき見せる本性というのか、ふだん私に対して必要以上にニカニカして子供として接してくるくせに、その緊張感がふっとぬけたときにあっさりと垣間見えてしまう皮がむけきった大人の部分があるけれど……(P.101)

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2022年08月19日

Posted by ブクログ

どんなに幼いこどもでも、色んなことを感じて考えているんだよな、と思う。でもリアルタイムにそれを言語化することはなかなかできないし、言語ができるようになった頃には忘れ去ってしまっていることばかりなのだろう。
だからこれは特異な本だと思った。

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2024年05月12日

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