感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2022年10月30日
ものすごく、素敵な物語でした。
高校生のころ、「おもしろい」ヤツに憧れて新宿のルミネtheよしもとを度々訪れ、芸人さんたちの生の漫才を楽しんだ日々を思い出し、懐かしい気持ちにもなりました。
売れない芸人が、新たな相方とスタートを切り、売れるようになってゆく、というサクセスストーリーは、決して珍し...続きを読むいものではありません。
けれど、主人公のお笑いへの熱意、新たな相方として75歳という遅咲き過ぎるデビューをはたしたクセの強いおじいちゃんのキャラ、おじいちゃんの家族が抱える問題など、物語の中で描かれるそれぞれのエピソードがグイグイと本の中にひきこんでくれます。
漫才のシーンも臨場感があって笑いを誘いますし、舞台から降りたあとの2人の掛け合いも微笑ましいです。
辛いこと、苦しいこと、恥ずかしいこと、怒りを覚えること、生きている中ではしんどいことも少なくありませんが、「笑い」は世界を変えるのだということを改めて感じさせてくれました。
ラストシーンでは思わず涙がこぼれそうになりました。会者定離とはいうものの、やはり切ない。
でも、とても心温まるいい読書でした。
最近、本を読む時間がなかなか取れていなかったですが、久しぶりに読んだ本が本書で良かった、と心から思います。
こんな感動的なラストだなんて、最後は思わず涙が、、、。お笑いが大好きな保美が、息子に心配されて家に閉じこもりがちな賢造を漫才の世界へゆっくりと引き込んでいくお話。元のコンビの解散や家族との衝突などいざこざはあったけれどとっても感動的なお話だった。温かいな。
Posted by ブクログ 2022年03月19日
優しくも漫才に向かない相方と自分の才能を信じて売れたいと願う主人公の保美は行き詰まり、バイトもうまくいかず、ひょんなことから紹介された見守りのバイトで妻が亡くなって家族もばらばらになり表情がなくなって痴呆症を疑われ孤立する賢蔵さんに出会う。賢蔵さんに真面目に向き合う中で次第に賢蔵さんの表情にも、周り...続きを読むが痴呆と決め込んでいた偏見にも変化が見られ、新しい世界への扉を開くべくコンビを結成する。順調に売れっ子になっていったその先に訪れる最後の決断。賢蔵さんの斜に構えながらも素直な言葉がほとばしる感動のフィナーレだ。