【感想・ネタバレ】暇と退屈の倫理学(新潮文庫)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年05月05日

難しかった。もう1回読みたい。
特に印象に残っているのは、パスカルの「人間の不幸は部屋にじっとしていられないがために起こる」。シオランみたい。
あと、「生きているならば必ず傷を負う」っていうのが、これからを生きる私たちへのエールに思えた。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月22日

人間的な営みとはどういうことなのか。暇と退屈というテーマから哲学的にアプローチしていく本。哲学書を読み慣れてなければ少し難しく感じるかもしれないが、様々な分野の具体的な事例を挙げながら平易な言葉で書いてくれていると感じた。新たな気づきを得ることができた。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月21日

消費ではなく浪費の為、物を受け取る為、
そして動物になるため、勉強、勉強、勉強。

おった傷を思い出さないよう、
思い出してしまうタチだから

そうなるためにもまだまだ勉強が足らない

動物になる
そんな瞬間を夢見て

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月20日

人は自由を手に入れ、暇な時間でしたい事をするために労働してきたにもかかわらず、暇なときに何をしていいのかわからない。楽しみ方を先取りされて、カタログのように提供されそれを消費させられている。いわば暇を搾取されている。
 
人間と動物どちらも環世界はあるが、人間は環世界を簡単に移動できてしまう。つまり...続きを読む一つの世界に没頭できずに退屈してしまう。動物になれないわけだ。
___________________
「あそこのラーメンはうまいよ」と聞いて、思考することしに「たしかにうまい! なるほどうまい! おそらくうまい!」と情報を消費するのではなく、

自分の舌で味わい、「なぜうまいのか」を思考する楽しみは、やがて没入を生みます。

この訓練を繰り返すことこそが、1つの環世界に没入する「動物になる」瞬間を待ち構える訓練にもなる、というわけですね。

白山鳩より
______________

誰かに宣伝されたコンテンツよりも自分が本当に何か好きなものを見つけてそれがなぜ楽しいのかを思考しながら何かに没頭することが退屈を突き放す良い考え方なのだと教えられた。

0

Posted by ブクログ 2024年04月07日

なんとなく退屈だ。
→索敵能力余ってるし、高い環世界移動能力を持つ人間には必然。
→人間であるとはおおむね退屈と気晴らしが入り混じったものを生きること(第二形式)

第三形式(退屈=自由)
→決断→第一形式(狂信・隷属)
のサイクルに取り込まれないように。
消費社会に取り込まれないように。
(ファイ...続きを読むト・クラブは名作)

→贅沢を取り戻そう
(気晴らしを存分に享受すること)
→楽しむためには思考が必要
→動物になること(熱中できること)を待ち構える。

0

Posted by ブクログ 2024年04月03日

 著者も述べている通り、哲学的な話であったが、論理立ててひとつ一つ説明がされ、まとめもあったので、難しい点は所々あったが、読みやすかった。
 この本は一貫して暇と退屈について、発生の理由からそれに対して人間がどのように対処してきたかについて、哲学の観点から考察がされております、興味深かった。結局のと...続きを読むころ、暇と退屈についての結論というよりも、そこまでに至る思考の過程を学ばせてもらっという感じでした。

0

Posted by ブクログ 2024年03月20日

時間の使い方、人生の生き方について考えさせてくれる本。
人生に余裕を余裕をもち、楽しむことで自分が熱中できるものについて知り、更に人生を豊かにできる。
一回読んだだけでは半分も理解できていない気がするので、期間をおいて再読したい。

0

Posted by ブクログ 2024年03月20日

ハイデッカーを始めとする大哲学者たちの考えをバッサリと否定しながら、丁寧に理論の積み上げを行う姿勢はある種、痛快でもある。ハイデッカーの退屈の三形式を引用し、人間は第二形式に安住しながら時折、第一、第三へと逃げ込むとする。この第二形式をいかに楽しめるかを学び、経験することの必要性を解く。世界が暇を感...続きを読むじなければ退屈もない。しかし、退屈を紛らわせるため、消費社会には罠が仕掛けられている。消費とは観念的であり、際限がなく続く。それに抗うには実際に物を受け取る贅沢を知る社会の到来が望まれるとする。贅沢を贅沢と捉えるには相応の知識や経験、学習が必要とする考えには共感を覚えた。

0

Posted by ブクログ 2024年03月19日

私たちが普段何となく感じている暇や退屈について、哲学を中心に人間学・歴史・生物学など様々な視点から深堀りし、その本質と解決策について提示するという内容の本です。

タイトルはいかにも難解そうですが、全体的にわかりやすいタッチで書かれており、思ったよりもすらすら読むことができました。(特に難しい箇所に...続きを読むついては読み飛ばしてもいいと筆者も言っています。大筋は追えるので大丈夫。)
内容もかなり面白かったです。

筆者の斬新な考えが次々出てきて、主に暇や退屈を感じるであろう休みの日はもちろん、仕事の取り組み方についても考えさせられる一冊でした。
また、この本を読むことに対しても退屈を覚えている自分がおり読んでいる最中は苦笑してしまいましたが、この退屈は本著での「退屈の第二形式」であり、これは良い退屈の過ごし方なのだと気づくことができました。そして、この気付きこそが暇や退屈を楽しむために重要なことなのだと解釈しました。

0

Posted by ブクログ 2024年03月16日

前評判よりは読みやすく、内容、そして構成がわかりやすく面白いものばかりだったのでスラスラ読み進めることができた。(5章から8章が難しそうだから飛ばして1章から4章だけ読んで結論を読もうとおもって、実際にそうしたところ「なぜ結論だけを読むことはできないか」というタイトルで、甘かったな自分と思い全て読ん...続きを読むでから結論を読んだ あちゃー)

ヒマと退屈に関しては何百年も哲学において大きなテーマだったようで、さまざまな偉大な哲学者たちによる前例を引用しつつ、批判するべきところは批判し(人間を特別視したいハイデガーの考え等)、うまいところを貰って、論理的に展開を組み立て、作者独自の結論に至っている。

結論に関して
1
本書を通読し暇や退屈の知識を得、自分を悩ませるものを知ろうとする。
2
贅沢を取り戻す、消費ではなく浪費。浪費とは具体的に物を受け取るすなわち物を楽しむこと。そのために日常的に経験する物事に関しての訓練をし、楽しめるようにしなければならない。(人間的であるようになる、退屈の第二形式を楽しむ)
3
退屈の第二形式にいるなかでは、楽しめるそして思考できる、ためその前提をもとに、(何か楽しい物に出会うため)とりさらわれる状態すなわち動物になることを待ち構えることができるようになる。

自分的には、いろんな楽しそう(だけどもしかすると思考がたいへんかも)なものに関してセンサーを働かせて、よく考えて没頭する。
生活に溢れてるさまざまな事象、たとえそれが小さいことでも、見逃さず楽しむ。
などと咀嚼。した。

環世界というワード興味深い

以下メモ
1章 うさぎが欲しいのではない
などの例に代表されるように、とにかく退屈から逃げたい。苦痛をも受け入れる。
2章 定住革命により暇の発生。これは進化心理学の考え方などに近いように感じた。 
3章 歴史の中でいかに暇が扱われてきたか。資本主義的流れなど。
4章 消費と浪費による疎外。

0

Posted by ブクログ 2024年03月12日

全くのど、ど、ど素人ですが
私も感じてた
なんとなく退屈だ
何したらいいかわからない
そんな思いを辞めたくて
手に取りました。

途中で頭の中を整理しながら、メモ取りながら
読むのにとても力が入りました。

が、
冒頭より、読みやすい文章で
最後まで読み切りたい
暇とは?退屈とは?結局どこに辿り着く...続きを読むの?
と、読み終えました。
詳しい内容、まとめは、たくさんの方が
もっと知識のある方がかかれてるので

素人の意見として
まずは、
哲学って、
では〜はなぜなのか?
結論
では、〜はなぜなのか?

と、ずーーーっと〜が続いていく

突き詰めるとこの終わりあるのー?って思います。
でもそこが、面白いとこでもあるけど

わかりやすいように、同じことを繰り返し
述べてまとめてくれるところは読みやすかった
けど
再読は必須ですが、、

まとめたノートを見返し
とりあえず
日常をちゃんと楽しめる人になって
人として生きていくことを
受け入れられるようになれたらなーと感じてます。

あーー講義をうけられる
これから、いっぱい学ぶことのできる学生さんが
羨ましい!
私も大学ちゃんと考えて入ればよかった
そういう選択肢を小さい時からたくさん
みていたら、大学中退しなかったかもなー
やりたいこと、いっぱいあるのに
あの時、こんなことや
あんなことを学んでいたかったなー
ってことはたくさんある

なので、この本をスラスラよめちゃう人は
世界中の人が暇を楽しめる世界を
作っていって欲しいと思います。

こんな私にもできることがあれば
していきたいんだけどなー

0

Posted by ブクログ 2024年03月03日

暇と退屈について、純粋に哲学の領域のみならず、人類学や生物学など幅広い領域の知見も参照しながら、その本質に迫っていく良著。何より説明がわかりやすく、わかりやすい説明というのは著者の中での理論構築が明確で確固としており明晰であることの一つの証拠でもあるでしょう。難解な単語を多用しがちな哲学書とは大きく...続きを読む異なり、とても読みやすいです。また、これまでの哲人たちによる暇や退屈についての論考、哲学的な思想の変遷を本書を通して概観できる要素もあり、大変読み応えがあります。特に、定住革命説に退屈の起源を求め、ハイデッカーの退屈の第二形式に真理を見出し、環世界移動能力の高さに人間という種の特殊性を見出す展開はとても面白いものでした。

そもそもとして、哲学というものが過去の哲学者の理論を批判的に捉え、その綻びをよすがにより核心に迫る洗練された思考を追究していくという側面はあると思いますが、とはいえ「そこまで言わんといてあげて…」と思ってしまうくらい舌鋒鋭めです。また、他の哲学者の導いた結論について、「拍子抜けするほど単純だ」などという評価を筆者は下しがちですが、本書の結論も言ってみれば拍子抜けするようなものだとも言えると思います(どのような結論かをここで述べるのはかなり野暮だと思うので述べません)。ただ、本書の着地点としての結論は、これまでの哲学者の結論と比べてかなりプラクティカルかつポジティブであり、哲学というものが人間の生をより良いものとするためのものであるならば、哲学書たるものかくあるべしという思いです。

文庫版にあたって巻末に付記された『傷と運命』についての論考に関してですが、医学を専門とする私の意見としては、これはあくまで仮説に過ぎないと思います。また筆者自身仮説であると言及もしています。慢性疼痛に関して記憶が関連しているという説に十分なコンセンサスが得られている実感はありません。また、この記憶という表現は多分に比喩的な要素も含んでいるように思います。しかし説得力はあります。非常に興味深い理論だと感じました。

総じて非常に内容の充実した哲学書であり、「退屈しない」有意義な時間を過ごしました。

0

Posted by ブクログ 2024年03月02日

正直なところ半分も理解できていないた思う
けれど、これを理解できれば人生で退屈だ暇だと思うだけではなく、そこから得られるものがあるんじゃないかと思える本だった
哲学書であり、歴史を学び、様々なものな触れられる
この本の本質なんて理解できていないと思うが
人生を考えなおすきっかけになる本でした
なお、...続きを読む読むのには相当時間がかかりました笑
一気に読んだ方が理解できると思います

0

Posted by ブクログ 2024年03月02日

哲学の本であるがとても分かりやすく難解さを感じなかった。暇と退屈という視点から、人間の生とは、人間と動物の違いとは、退屈とは?様々なことについての新しい知見を与えてくれ、小説のようにどんどん読み進めてしまった。とても面白かった。
何となく退屈な日々を過ごしている人にオススメ!

0

Posted by ブクログ 2024年03月02日

やっぱ散歩だな!(笑)

時に人類の歴史を辿り、時に動物の感覚を味わい、時に哲学の巨人に立ち向かいながら、様々なジャンルをまたいで暇と退屈について論じることで、「人間は暇と退屈にどう向き合っていくべきか」という巨大な問いに迫ります。

過去に読んだことのある哲学チックな軽い読み物(「人生に役立つニー...続きを読むチェの言葉」みたいな?)にくらべると、重厚な文体と内容ですが(それでもおそらくカタい哲学の学術書に比べると相当やわらかく書かれているだろうことは、学術書を読んだことのない私でも察しがつく)、読み応えがあり、読後の達成感もひとしおでした。文章の解像度が高すぎて私の脳では処理に苦しむ箇所もあったりして、少し心が離れかけましたが、古代の人類に触れた章や生物学に触れた章あたりは興味のあるジャンルなのでグイグイページが進み、最終的には感動のゴールを果たすことができました。

「定住」というパンドラの箱を開けた古代人類は、あまった時間と気力によって技術革新、文化芸術の発展を成しとげたけど、同時に「暇と退屈」が生まれ、つまらない平和より、奮い立てる戦争を選びかねない不安定さや、熱中、没頭、使命を得られるのであれば苦しむことすら厭わない愚かさも持ち合わせてしまったとのこと。人間は指針を欲しがります。こう生きるべきという、見本のようなあるべき姿を。でも今の世の中、宗教や伝統に頼れない者は、どう生きていいのかがわからなかったりするでしょう。私もその指針ほしさに、読書している節がある。いや、絶対にそうなのです。

現代的退屈にはスマホも一役買っているでしょう。満員電車で乗客全員が前かがみでスマホをいじっている光景はもはや当たり前となりました。情報・記号の消費は当たり前のものとなっています。

哲学者ハイデッガーの「退屈は人間特有でそれ以外の動物にはない」とする退屈論と、生物学者ユクスキュルの「環世界」の観点をバトルさせる「暇と退屈の人間学」の章が個人的に一番スリリングで、「好きな日高敏隆さん(動物行動学者)の書籍で知った環世界だ!」という嬉しさもあり読んでてワクワクしました。ハイデッガー対ユクスキュルの大勝負! 私は生物学が好きだからユクスキュル贔屓だし(ミーハー)、ハイデッガーは人間が何かしら絶対的な存在だと驕っているような印象がありました。人間の絶対性に根拠が感じられなかったです。哲学者って意外とデタラメな部分もあったりするんだな〜。自分の用意した答えのために論理を組み立てたり、自分の主張のために物事を決めつけたり。でもどんな人間にも考えの偏り、フィルターがある。著者の國分さんにも、もちろん私にも。でもハイデッガーに「決断しろ!されば道はひらけん!」て言われたら、私は単純だから「決断」て言葉の甘美さに惹かれて「はい!」て言いそうです(笑)

決断した人が退屈から自由になったように見えて羨ましく思える、という著者の意見に同意します。過激な政治運動をしたり、新興宗教にどっぷりハマったり、陰謀論を信じたりする人のことを白眼視しつつも、人生を賭けられることがあるのは羨んでしまいます。しかしそんな彼ら彼女らは、考えることをやめ自らを省みる必要すら失くした、ひとつの価値観しか見えない危うい状態なのだと著者は説きます。ひとつの考え方に支配された奴隷のように生きることは、人間らしさがない危険なものだという著者のメッセージに感じ入りました。だから大事なのは、退屈から逃げないこと。身を任せ、自分に向き合うこと。狂信的・盲信的になることは、感受性をとじてしまうこと。感受性、、、受け取って感じる力。感受し続けることこそ人間の生き方であって、感受性は訓練して育むものであるという著者の力強いメッセージが心に響きました。著者に励ましてもらえた気分です。

ラストの結論で、これまで7章・400ページ弱に渡って論じられてきた言説のピースがカチカチとはまっていき、結論が力強く提示されます。あまりにも我が意を得たりで、その気持ちよさだけで読んでしまったので、今いちど冷静に読み直すべきかもしれません(笑)。ちなみに著者は結論の前置きとして「今までの400P弱をすっとばして結論だけ読んでも意味ないからね」と立札を建てます。要約すると、この400ページ弱の読書体験の間、読者は自分なりに暇と退屈をどう捉えるかを思案しています。読む行為はそれだけですでに実践しているのであって、読む前と読んだあとで読者に変化がおきている。自分なりに「暇と退屈」の大系のようなものが頭の中で出来上がった上で、結論に触れることに意味があるんだよ、と。ここまで読んできたことが褒められたような、なんか皆勤賞がもらえたような嬉しい気持ちになりました。

私は感覚さえ養えられれば、どんなことも楽しめるのでは?と思っています。以前、友達が「寝ることが楽しい」と言って休日まるまる寝ていたことがありますが、その態度には「平日の疲れのために、週末は寝貯めしとこう」という後ろ向きな部分がなく、積極的に睡眠を楽しんでいるようで、外出したい派の私には全くもって考えられなかったけど、それは私に睡眠の感覚が養われてなくて、単に休息・回復としてしか睡眠を受け取れないからだったかもと思い直しました。高齢の私の両親はTV番組「プレバト!!」を見て俳句にハマってから毎日楽しそうに見えます。暮らしそのものが俳句のネタで溢れているかのようで、季節が変われば季寄せを傍らに、俳句のヒントを探しています。定年後の膨大な暇をまるごと楽しんでいるようで羨ましいです。私は、やっぱ散歩かな!ベストな過ごし方は(笑)

スマホの普及、ネットコンテンツやサブスクなどインスタントかつ大量な暇つぶしに溢れたこの世の中で、口の中でゆっくりアイスを溶かす時みたく、丹念に味わうように思考したいですね。時がとまったと思えるような、田舎の駅の待合室で。

0

Posted by ブクログ 2024年05月05日

人間の行動の根源は退屈にある。
退屈を紛らわす方法は2つある。
一つは仕事(スキルアップ)に没頭する事だ。しかし退屈よりは辛くないけど、楽しくない没頭状態の場合、これは紛らわす方法としてあまり良くない。仕事の奴隷となっている。
2つ目が楽しみに没頭する事だ。いわゆる趣味だ。ここで必要になるのが、考え...続きを読むるという行為である。この時が最も退屈から自分を遠ざけてくれる。仕事でも、考える事を楽しみながらする事が出来ればこちらに分類される。ただの快楽による楽しみもある程度はいいが、考えるという行為がない点においては劣るのかもしれない。

0

Posted by ブクログ 2024年05月03日

優しく書いてあるのだろうが、哲学的な本は私に理解しにくい。賛同できる論旨も多いが全体が理解できない。▼増補新版で追加された『傷と運命』は共感できる。つまり;▼人間は生き延びて行く中で記憶し続け、傷を負い続ける。だがその中には自分だけでは消化できない記憶がある。もしその記憶の消化を手助けしてくれる者が...続きを読む目の前に現れたら、人はその人と一緒にいたいと願うのではないだろか。▼また最後まで気になったのは、刺激となる楽しいはずの行動が、とても楽しく感じることもあれば、全くそうでなかったりすること。刺激(楽しみ、悲しみ等)を感受するには、経験や学習だけでなく、個々人の気質や体調が大きく影響すると思える。暇と退屈を論じるには、哲学的論考に加えて、生理的な解釈がもっと必要が気もした。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月10日

過去の哲学や思想の大家を引用し、歴史学や経済学、医学など様々な観点で暇と退屈を論じているが、文体自体はとても平易で大変読みやすくあっという間に通読した。

日常の習慣に溺れず、無感覚さから脱すること。
周りの出来事に一つ一つ思考を巡らせ、それを〈楽しむこと〉。
それらが、逃れようのない退屈と折り合う...続きを読むための一つの解である。

一見すると、毎日の出来事を楽しむ、コト消費、丁寧な暮らし、といった現代の消費のムーブメントをそのままなぞっているかのように感じるが、それらを、「コトの体験」ではなく「モノの受け取り」として、「消費」ではなく「浪費」として捉え、実践することにこそ本質があるという論旨にはハッとさせられた。

結論はシンプルなこの本を、最初から通して読み、色々な観点から考えることそれ自体が、退屈とうまく付き合っていくための一つの体験なのかもしれない。
(それを提供することが筆者の裏の目的なのではと勘繰ってしまった)

0

Posted by ブクログ 2024年04月05日

人は、暇と退屈とは切っても切り離せない
それをうまくごまかそうとしている
それが気晴らしなのか、決断への従属なのか
そしてそれを企業も広告もわかっていて、気晴らしをあの手この手で与えようとしてくる
自分から楽しみを探しに行く場合は肯定的に働くし、そうで無ければただ受け取っているだけのループに入り込む...続きを読む、ということなのか

現代は情報とか広告が大量に入りすぎて、それに取り組むこと自体が億劫になる、頭をぼーっとさせて何も考えないことが退屈への対策ともなりうるのかもしれない

楽しめば思考するというが、人間は基本思考したくない生き物なのではないか
思考することかポジティブアウトカムになるのか、それをポジティブに捉えて思考の受け入れ体制を整えることが良いのかな、それはたしかにそう
わかりやすく暇と退屈について歴史的にもたどってくれた。自分にとっても良い刺激、思考材料になったと思う。この観点を持って今後は世界を見てみようかな。

0

Posted by ブクログ 2024年03月17日

本書を読む前は暇な時間に対しても、無性にソワソワしてしまう時間が多く、時間を無駄にしてると思うことが多かった。
読み進めるにつれて、暇と退屈が同義でないことや、何もない時に思考する時間を作れるかなど、時間に対する価値観が変わった気がする。
何か予定を入れていなければ幸せでないのではないかと考えていた...続きを読むが、決してそうではないと気付かされた。

0

Posted by ブクログ 2024年03月10日

哲学に興味はあったものの、言い回しや言葉の難しさから敬遠していたのですが
この本を手に取ってよかったです。
とてもいい内容で、分かりやすかった。

0

Posted by ブクログ 2024年02月26日

暇と退屈という誰も深く考えずになんとなく過ごしている時間を独特の視点で掘り下げる点が面白かった。暇と退屈を倫理的に考えていくと、人間と動物の所作に行き着いく様子などこの本ならではの示唆を得た気がする。
そう思いながら読み通せたことは暇ではあったのかもしれないが、退屈はしなかった。

0

Posted by ブクログ 2024年02月25日

「退屈」というテーマを独特な観点から掘り下げており、面白かった。
ボリュームが思ったよりも多く、読み終えるのが大変だったが…

0

Posted by ブクログ 2024年02月23日

学生時代はある一種の「答え」がある中で、それが何か、どのようにすればそこに行き着けるのかを学んできた。

しかし、社会人になってからはありとあらゆる答えがあるし、同じ答えでも正解になったり不正解になったりすることがある。

その点で、哲学というのは学生時代に倫理で入口に触れた程度だが、社会人になって...続きを読むからの方が自身の人生に影響があり、自身を導くものなのではないかと、本書を通じて思うようになった。

哲学とは「自身の生き方を決める」ことであり、社会人にとってみると、何が正解か分からない中でも意思決定し、それが正解になるよう全力を注ぐことと言い換えることができると考えたためだ。

もちろん周りに危害を加えるような思想や考え方はNGだが、考え、意思決定し、また考え、を繰り返すことで自身の生き方を自分で決め続けていくことで人生を豊かにできるのではないか、ということを気づかせてくれた本書に感謝したい。

0

Posted by ブクログ 2024年05月05日

オチに期待しすぎた感がある。
いろんな学者の言葉をそれぞれ比較して論理的に意見を組み立てるというのは面白かった。
どんなオチなんやろって期待しすぎて最後がっかりって感じ。普段から色々考えとる人とかやとちょっとつまらんというか、当たり前じゃねとか思っちゃうかも。
セリフというか、言葉自体は好きなのがた...続きを読むくさんある。言葉はね。
自分なりに考えるしかないんやろーね。

0

Posted by ブクログ 2024年04月28日

「退屈」という概念を、人類の歴史や過去の哲学をもとに再定義し解説している。
アカデミックな論調の割にはロジカルさ、網羅性が足りない印象(哲学とはそういうものなのかも)で、あまりしっくり来なかった部分があったが、それでも自分の退屈に対する理解は確実に深まった。
退屈しないためにどうすればいいかは厚くは...続きを読む触れられておらず、自己啓発本の類ではないので注意

0

Posted by ブクログ 2024年04月11日


私には難しい部分もあったけど基本わかりやすくて面白かった。
人は生きている限り傷を負い続ける運命にあって、自分じゃ消化しきれない記憶を、一緒に消化してくれる人を求めてるってとこ。すごいしっくりきた。彼氏彼女に弱いとことかわがままなとこも受け止めて欲しいっていう欲求も、まあしゃあないわなってことかし...続きを読むら。

0

Posted by ブクログ 2024年03月29日

修士論文が終わり卒業もし、入社するまでの期間中、暇な時間ができたので、タイトルに惹かれて読んでみた。途中、なんでこの本を読んでるのかわからなくなってしまった。でも退屈な時間に退屈とは何か考えて楽しめたから人間らしい生活ができたんじゃないかな。

0

Posted by ブクログ 2024年03月20日

 いつも聴いているpodcastの番組に著者の國分功一郎さんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。
なかなか面白そうだったので、ちょっと気になって手に取ってみたのですが、やっぱり駄目ですね。私には、國分さんの丁寧な解説も全く理解できませんでした。
 私の場合、そもそも思考する訓練が...続きを読む全くできていないので、何度読んでも “返り討ち” に会うだけでしょうね。

0

Posted by ブクログ 2024年02月25日

YouTubeで原宿さんがおもしろいと言っていたのがきっかけだが、自分自身も退屈しないためにはどうすればいいんだろう?何かをしなければならないという義務感が拭えないのはなぜだろう?と思って手にとってみた。

これを読んで何かが劇的に変わるとか、ハッとさせられたというものはなかった。けれども、書いてあ...続きを読むる内容は新しい視点、知識ばかりで、少しずつ自分の中に蓄積され、思考の種になるのだろうと、結論を読んで感じた。

自分は何か夢中になれるものが欲しいと思っていた。それは本書で言うところの、なにかに囚われたい、動物になりたいと考えているということなんだろう。しかしこれは退屈の第三形式から第一形式への変化に繋がってしまう考え方であり、それをむやみに求める、消費するのは違うってことなんだろう。
今自分の周りにあるものを楽しむことにフォーカスして生きることが、最終的に思考に繋がり、「動物になることを待ち構えることができる。」状態に繋がるのではないか解釈した。

0

「学術・語学」ランキング