【感想・ネタバレ】激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972のレビュー

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Posted by ブクログ

昔も今もセンスがないという一点において左派は一貫してるなーと思った。
政治的なものの見方で突拍子もないこといったり暴力を肯定して大衆に見放されたり。とにかく大衆意識との乖離を自覚しない点で常に地に足ついてない。
過去の左派では「エライ」の基準は獄中暦とか非転向とかだったそう。本書で描かれた時代にはこの基準が先鋭性に移り変わったと見える。現代では「正しさ」。より正しく誤謬のない理論や価値観を提示できた人がエライ。そうなってしまう理由が理論への過信にあるという佐藤の見方には同意する。
現代において見られるのは、理論に惹きつけられるのはエモーションの働きが弱い人、つまり性欲や金銭欲などの俗っぽい欲望が希薄な若者が左派に引き寄せられる傾向。欲望が希薄なので基本的に欲望に従って生きている大衆の気持ちがわからない。理論を学べば学んだ自分達が正しく学んでいない大衆が遅れているという意識になるので、平気で「保守化する若者は想像力が足りない」みたいなことを言い出す。誰がより正しいかという競争は大衆からどれだけ乖離できるかという競争でもあるのだけど、それと同じ構図の競争の到達点が浅間山荘だったことは他人事としか思ってないのかな?
現代の左派の人たちこそ読まなければならない本。

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2022年06月05日

Posted by ブクログ

左翼はなぜ過激になるのか。(右翼にもあてはまりますが)豊富な事例を分析しながら解き明かす。現代への示唆もしっかりあります。おすすめです。

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2022年03月06日

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新左翼の時代について振り返る対談。
「新左翼の離合集散に関する細かい経緯を理解する必要は全くありません。」
と佐藤氏がいきなり述べているので、私としては拍子抜けであった。全体の流れを把握すれば十分、ということであれば本書に新たな知見を期待する必要が(個人的には)なくなってしまう。

「閉ざされた空間、人間関係の中で同じ理論集団が議論していれば、より過激なことを言うやつが勝つに決まっている。」
という池上氏の総括が新左翼の過激化を一言で言い表していて(ただし、ナショナリズムも同様であると述べている)、ほぼそれで済んでしまう。
そもそも新左翼自体が左翼活動の先鋭化の表れであるわけなのだし。
そういう意味では、前巻「真説」で述べられた戦後から50年代の左翼運動からの連続性でとらえるべきだ。序章でまとめられた「前巻のまとめ」がとても整っていて、理解しやすい。

佐藤氏が述べている「左翼というのは始まりの時点では非常に知的でありながらも、ある地点まで行ってしまうと思考が止まる仕組みがどこかに内包されていると思います。そしてその仕組みは、リベラルではなく左翼の思想の中のどこかにあるはず」というのは、その通りだと思う。
ただし、左翼というよりは「革新」(保守との相対的な位置づけ)の性質ではないかと思う。
現実社会のドロドロした因縁を捨象して、理論的な正しさを追求しようとする以上、理論面で先頭を走る人間が現れるのは当然だろう。そして、全員が先端理論を理解できるわけでもないし意見を異にする者も現れるから、立ち止まって理論を整理したり理解を放棄する者が現れるのだろう(本書の語彙でいうならば「外部注入論」が生まれる背景はこれだろう)。

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2023年04月14日

Posted by ブクログ

知らないことが多い。こう言う流れでこう言う事が起きたのかと改めて整理出来た。あさま山荘事件とか。テルアビブ空港乱射事件なんて知らなかったし、よど号事件も知らなかった。もっとちゃんと知らないとダメだな。しかしこのエネルギーはどこから来るのか。そう言う時代だったという事なのだろうが、このエネルギーが何処に行ってしまったのかも謎だ。今の若者も政府から過剰なコロナ対策で青春を奪われまくっているが、誰も抵抗しない。革命起こしても良いくらい理不尽に痛めつけられているのに。老人支配国家だし。過度な暴力や内ゲバとか、やっぱり引くよな。支持を失うよ。次の巻も出るようだから読んでみよう。マルクスとか勉強した事ないけど、ちゃんと知っておかなければならないのかな。佐藤氏はそう言う面ではこの頃の新左翼は勉強していたし知的レベルは高かったと評価していた。そんなものなのか。

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2022年07月29日

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感想

戦後の日本を語る上で左翼の変遷を避けることはできない。左翼史を学ぶことは日本を学び直すことにつながる。

学生運動は過去の記憶として、戦後日本の黒歴史のように扱われるが、今こそしっかりと見つめ直し、なぜ学生運動が残酷な内ゲバやテロリズムに発展したのか考えておく必要がある。
本書を読めば時代的背景も相まって当時の知識人が左翼思想に辿り着くことは自然のことであったし、その活動が過熱することも運命だったのだと分かる。

この本を読むと、一つ一つの派閥の変遷や傾向も生々しく分かる。
最初は主に政党への失望から派生した学年運動も、少しずつ本来の思想を失い、最後は内ゲバやテロリズムに発展して崩壊していく。

個人的には学生運動や左翼には少なからず嫌悪感や違和感があったが、本書はそういった部分は抜きにして、左翼という軸で昭和の日本の世相や価値観を感じることができた。

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2022年05月22日

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 今や死語になりつつある「左翼」。しかし、その思想は、かつては、「いざとなれば自分だけでなく他人を殺すことも躊躇うまい」と人に決意させてしまうほどの力をもった。何が、若き知的エリート達の心をとらえたのか、なぜその思想は力を失ってしまったのか…。
 「左翼というのは始まりの地点では非常に知的でありながらも、ある地点まで行ってしまうと思考が止まる仕組みがどこかに内包されていると思います」。
 「人間には理屈では割り切れないドロドロした部分が絶対にあるのに、それらをすべて捨象しても社会は構築しうると考えてしまうこと、そしてその不完全さを自覚できないことが左翼の弱さの根本部分だと思うのです」。
 池上彰と佐藤優が対談で歴史を解き明かす。新書だけれど、中身は濃い。

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2022年02月21日

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ずっと引っかかてたけど知らずに済ませてきたこと。社会党と共産党の違い、新左翼、ノンポリの誕生と政治への無関心など頭の中を整理できた。
新左翼の失敗を、何もしないおじさんの存在を許す「官僚化」ができなかったことに結論づけるのは新鮮。

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2023年10月15日

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理想を掲げた学生運動と過激派の行く末は、内ゲバ、容赦ない殺人、テロ行為。こんな歴史が日本にもあったのかと思ってしまう。
それにしても、集団心理や同調圧力は怖い。自分が1960-1970に学生だったら、どう振る舞っていただろう。

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2023年09月02日

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1960年から1972年の出来事が紹介されており、学生運動が新左翼を生み、連合赤軍事件によりトドメをさされる、言わば日本左翼の黒歴史が描かれており、革マル派と中核との違いが理解できた。 また、共産党との社会的区別もわかりやすかった。

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2023年08月20日

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この時代の特徴として、学生を中心とする社会運動が盛り上がり、良くも悪くも耳目を集める運動(犯罪)が起きたのに比べ、代議制民主主義の場で早くも革新勢力の停滞が始まった事。

市民は生活に根差した高度経済成長を認めそれを主導した保守勢力を総論で支持し、革新勢力は折々の各論の支持を取り付けるに留まった。

その社会運動も先鋭化すればする程、各論の支持すら失ってしまう。冷静な判断が出来る間に気付けば戻る事も出来たのだろうが、一線を越えてしまうともう戻るに戻れない。後は破滅のみ。

谷島屋書店浜松本店にて購入。

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2022年11月03日

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日本左翼史第二弾「激動」
第一弾である「真説」はなかなか理解が難しい部分が多かったが、今回の「激動」は学生運動やよど号、あさま山荘等実際に起きた出来事、事件を題材にしていることもあり、非常に面白かった。
読んでいて思ったが、正直共産党や社会党の成り立ち、歴史等はあまり興味が持てなかったし、分裂や合流が複雑すぎて理解が追いつかなかった。
ただ、左翼という思想を発端にして、いかに学生運動等のできごとが起こったか、そこに至るまでの経緯や思想、考え方についてはある程度理解できたのではないかと思う。また左翼という団体がなぜ過激な暴力という道に進んだのかもなんとなく理解はできた。
左翼という思想が起こした歴史は決して肯定されるものではないが、元は純粋に国の行末を案じての行動だったに違いない。果たしてそれだけの想いをいる大人現在がどれほどいるだろうか。当時の人達が今の選挙率を見たら失望の念を抱かずにはいられないはずだ。この国のことを少しでも真面目に考える一つのきっかけになったと思う。

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

前著「真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945~1960」に続く第二弾。学生運動が盛り上がり、セクト同士の内ゲバが激化し、過激派によるテロ事件が多発した時代、「新左翼」による失敗の本質は!

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2022年09月12日

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「左翼」のことが大嫌いな人がいる理由や、「左翼」とレッテルを貼ることが相手に対する悪口だと考えている人がいる理由が分かるかと思って前巻から読み始める

60〜70年代の過激な学生運動や過激派の活動が共産党とは無関係であることは前巻から説明されていたので分かっていたが、逆に共産党がストライキに反対していたことは知らなかった 総評→連合が労働組合が共産党から距離を置くのはそういうことだったのね

かといって、報道されている芳野友子の言動からは、芳野友子が共産党を嫌う理由がそこにあるようにも思えず。。。

新左翼が過激化した原因を全然共産党のせいにするのは論理が飛躍してないか

組織を過激化させないように組織にダラ幹を置いて官僚化せよと、社会党をぬるま湯体質と批判した同じ口で元公務員が主張するのは、自分の怠慢を正当化する屁理屈にも思えるし、今の野党が官僚化しても自民党に対抗する力を持つことができるようになるとも思えない
結局、佐藤優も長いものに巻かれてる人なのね

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2022年04月30日

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60年安保から学生運動の高揚、新左翼の衰退まで。左翼内の意見相違から内ゲバ化していく経緯が語られているのだが、当時の雰囲気ってそんなものだったのだろうか。

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2022年01月10日

Posted by ブクログ

 共産党の独特の立場については、よく分かった。
 また、学生運動が、若者が政治について考えてなくても良いという言い訳を蔓延させたという点もなるほどと思った。
 
 ただ、戦後の政治史の中で、表面に浮かぶような右翼史は成り立つのか?(そこをギリギリ隠してきたから、どこかの政党は長期化しているのか?)

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2021年12月30日

Posted by ブクログ

 60年安保から60年代の社・共両党と新左翼のヘゲモニー争い、そして1968年からの東大全共闘、日大全共闘の活動、この時代は市民と信頼関係があったにも関わらず、なぜ新左翼が市民から遊離していかざるを得なかったのか。共産党が言うように「権力によって泳がされ、利用された」との批判はその意味で当たっている。わずか50数年前の出来事が今は理想に生きる人たちが多く存在した夢のような時代に感じられる。その中では当時の共産党の姿勢が理想とは遠く、党派を優先する姿勢に終始し、混乱を与えていたには改めて残念に思う。いまや左翼は共産党しか存在しない中で、リベラルな主張をしているように感じるが、警戒すべき存在だと改めて感じた。
二人の最後近くの対話が正に的を得ている。
佐藤)権力側との力の差を考えれば、火炎瓶や手製爆弾では自 衛隊はもとより機動隊にも対抗できないのですから。新左翼運動は現代から振り返ればすべて「ロマン主義」の一言で括れてしまう。
池上)ロマン主義であるがゆえにますます現実から遊離していった。
佐藤)リーダーたち一人ひとり個性が豊かで、それぞれの党派にも個性がある。それは彼らが、ゆくゆくは日本の中枢から動かせるくらいの 知的能力も意欲も備えながら、社会の矛盾を正したい一心で自分の人生全部を棒に振る覚悟でロマンを追求した。既存体制の中にある知識人の欺瞞、大学の中の親分子分関係にもとづく空虚なヒエラルキー、そうしたものすべてに異議申し立てをすること で、人間の解放をしようと本気で目指していた。そういう意味では、自分一人の栄達だけで満足できてしまえる21世紀型のエリートではなかった。そこはやはり評価しなければいけない点だ。
池上)ある種のノブレス・オブリージュ(高貴な者が宿命的に負う義務)を自覚していたとも 言える。

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2023年09月02日

Posted by ブクログ

以下、引用

S (略)あるいは日本の新左翼運動が残したのは、島耕作型のサラリーマンを大量生産したことかもしれません。
(略)
S 個としての自立にはこだわるけれど、目の前の利益にだけ執着するという生き方です。島耕作は社内の派閥に属さないけれど仕事はでき、出世のチャンスも逃さないという男でしょう?新左翼の連中は信頼していた仲間に裏切られ、党も何も信用できず頼れるのは自分だけ、という局面を程度の差こそあれ経験しているから、運動から身を引いた後にこのタイプのサラリーマンになった人たちは多かったはずです。もうひとつは「最後に信用できるのは家族だけ」という意識から発する生活保守主義です。政治など社会の問題に対して、自分たちと地続きの問題として真剣に捉えず、たまに話題とすることがあっても居酒屋論議レベルの無責任な議論しかしない。「政治」や「社会」と、自分たちの「生活」を完全に切り離して自分の生活だけ大事にし、あとは自分のキャリアアップのためだけに頑張る。そういう新自由主義の母体を造ったという意味では新左翼運動の影響は大いにあったと思います。
I 日本人を「総ノンポリ」化してしまった面は間違いなくあったでしょうね。

S 公安は情報を集めたうえであえてどちらも放置し、結果的に中核派だけでなく、このような事件に関しては被害者側になった革マルも、両方社会から遊離するように仕向けるんです。権力側はそれくらいのことは常にやっていますし、権力というのはそういうものです。だから結局、生存のための戦略という点に限っていえば、新左翼よりも権力側のほうが知恵があったということでしょう。

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2023年01月21日

Posted by ブクログ

家に持っておきたい本ですが、
左翼史の中で最も吐き気がする部分であり、
個人的には思想として資本主義に疑問を感じていても、一緒にされなくないという思いが湧いてしまうのはこういう暗い歴史に対する活動家の捉え方に触れた時だと率直に思う。

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2022年11月19日

Posted by ブクログ

 まあ、二人の対談なので分かり易いのはもちろんなのですが、共産党批判でもある。政治的な立場はリベラルからの左翼批判かな。

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2022年10月04日

Posted by ブクログ

左翼、ってなんだ?
マルクス、スターリン、日本赤軍、ブント…聞いたことはあるけれど、「なんかやべー奴ら」としか思っていなかった。
左翼といえば革命。
革命を担うは労働者、労働者の権利といえば労働組合。

誤解なきようはじめに言うと、労働組合そのものは労働者の権利であって全く悪いものではない。
だが、「九条、沖縄、団結せよ!」しか言わない(しかも組合費の使途は不透明でやたら高い上に私の給料も待遇も上がらないし)会社の労働組合はとっくに抜けた。
せいせいした〜

だが、その程度の認識でいいのか?よく知らないままでいいのか?
「なんかやべー奴ら」の歴史を知りたい。
学校や資格試験の勉強、普段の仕事では出てこないことをちゃんと知りたい。

本書は佐藤優氏と池上彰氏の対談形式。
どちらもまだ学生運動華やかなりし頃に学生時代を過ごしている。
左翼の思想から学ぶことは多い、と彼らは言う。少し構えた。
しかし彼らは何も暴力革命を煽っているわけではない。
本書は可能な限りフラットに語ろうとしているように思えた。
分裂していく思想、政党の変遷…こうしたものを見ると、人間の善き面だけではない多様性を感じた。

確かにどこからでも学ぶべきものはある。
まだ、私は左翼を知らない。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 なるほど、共産党や社会党に加え、第3の左翼勢力である「新左翼」は1960年の安保闘争から急激に存在感を現し、全共闘に進展してから1968年の安田講堂事件や日大闘争などでピークを迎えたという。その後の運動は内ゲバやテロなどの活動は過激さを増し、世間とは遠い存在となってしまったと。1970年代になると労働運動も「ごろつき化」してしまったとのこと。
 同志社大学元理事長野本真也氏の「大人の政治」と「子供の政治」という視点は大変興味深く、体制側と新左翼の姿を端的に言い表していると思う。

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2022年09月04日

Posted by ブクログ

p29
生徒会の起源はGHQの民主化施策にある。
戦後の旧制水戸高校の生徒ストも一要因。

p31
外部注入論。
労働者は本来革命の主体となるべきだが、
資本主義から抜け出せないため、
職業的革命家の集団(=ボリシェビキ)を結成し、
ロシア革命を成し遂げた。

p74
フルシチョフは基本は平和路線。
帝国主義戦争を内乱化させて革命を起こすことは無理との考えに基づく。
一方で、相手が武力放棄する確証はないため、
核軍備は進めるという、まさに、敵の出方論。

p115
学生が大学の学費値上げに怒ったのは
大学が資本の論理に基づき大学を運営しており、ひいては、学生たちを資本家が期待する労働力として育て供給するための機関に成り下がっていると考えたから。

p147
第一組合は労働者が同僚をオルグして組織する。共産党系か総評系が多い。
一方、第二組合は子飼いの社員に命じて作らせる労使協調路線であることが多い。
第三組合は新左翼系の従業員によって結成されていたこともあった。

p207
60年代末期は高度経済成長により生活水準が上がったが、一方で大型機械の導入や分業、マニュアル化が進み、働くことそれ自体の喜びから切り離される事態も著しく進行した時代。

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2022年08月12日

Posted by ブクログ

1巻目もそうだったが、理論家の登場人物が多すぎて頭こんがらがる。
そして事実の解説部分と佐藤優さんの自説開陳部分の区別をもう少し明瞭にしてもらいたい。

60年安保→その後空白期間→68年東大闘争→ますます過激化し70年よど号ハイジャック事件など
という流れは改めて理解できた。
それからこれは次の巻で語られるのかもしれないが、新左翼が世間から見放されたことはわかるがそれがどう社会党と共産党の凋落に結びつくのかをもう少し詳しく解説してほしい。
だって流石に規制政党は新左翼みたいな内ゲバやらないでしょ、と普通考えると思うので世間が左翼全体を見放すにはもう少しいくつかの要素がいるんじゃないか。と思ったりした。

今を生きる私たちにとって重要なのは、佐藤優が何度か言及している「左翼とリベラルは違う」という点を理解することなのでは?
リベラル=左翼と思われてるし当事者もそう思ってると思うので、次の巻ではその点をもっと語ってほしい。

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2022年07月09日

Posted by ブクログ

1.この本を一言で表すと?
学生運動がなぜ起こり、何故終息したのか振り返った本。

2.よかった点を3~5つ
・「敵の出方」論をめぐる志位和夫の嘘(p60)
→共産党の民主集中制の異常さがよくわかる内容だと思う。佐藤氏が言う「矛盾や詭弁を平気で口にできてしまう体質」の問題点もよく分かった。

・日本人を「総ノンポリ化」した新左翼運動(p245)
→現代に思想の面で何も残せなかったが、それでよかったのかもしれない。
浅間山荘事件の犯人の1人加藤倫教が2/28NHKラジオに電話出演していたが、今事件をどう捉えているかの質問に「事件後、政府に対して反対する市民運動自体が悪いことになってしまった」と語っていた。

・人間には理屈では割り切れないドロドロした部分が絶対にあるのに、それらをすべて捨象しても社会は構築しうると考えてしまうこと、そしてその不完全さを自覚できないことが左翼の弱さの根本部分だと思うのです。(p209)
→この文が左翼の失敗の本質ではないかと思う。

・2019年の慶應三田祭で卒業生が昔の学生生活について在校生に教えるという企画があり、私のところにもある現役学生が話を聞くために訪ねてきたのですが、この学費値上げ反対ストの話をすると不思議そうな顔をしているんですよ。彼らからすると「だってこれから入ってくる学生の授業料を値上げするんでしょう? 在校生には関係ないのに、何で反対するんですか?」というわけです。
それを聞いて私はつい語気を強めて「おい! 君は自分さえよければいいのか!」と言ってしまいました。(p114)
→私はこの学生と同じ考えです。個人主義が広がったということか。

2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・左翼思想家はなぜ別名(ペンネーム)をつける人が多いのか?

3.実践してみようとおもうこと
・主義主張には反対の主張の両面からチェックするべきだと思う。
・今後左翼思想が主流になった時、戦後左翼史の失敗を繰り返さないために何をすれば良いか?

5.全体の感想・その他
・細かい解釈の違いみたいなもので彼らは殺し合いをしていたのかと唖然としてしまう。
・思想というのは、革命を成し遂げるためには人を殺してもいい、という考えにさせる非常に怖いものだと思う。

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2022年06月27日

Posted by ブクログ

今の70代はこういうことをしていたと知っていた方がよいですね。
血の気の多い方もたくさんいますので。

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2022年03月15日

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