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高揚する学生運動、泥沼化する内ゲバ、あさま山荘事件の衝撃。
左翼の掲げた理想はなぜ「過激化」するのか?
戦後左派の「失敗の本質」。
自分の命を投げ出しても構わない。他人を殺すことも躊躇しない。
これが「思想の力」である。
いま、戦後史から学ぶべき歴史の教訓とは。
「この時代は、左翼運動が最高潮に達しながらその後急速な凋落を辿っていった時代にあたり、左翼史全体を通じても特に歴史の教訓に満ちた時代です。まさに、この時代は「左翼史の核心」と言えるでしょう。」(佐藤優)
「なぜ左翼は失敗したのか。この本では一貫してこの問いに立ち返ることになるでしょう。そして、左翼の顛末を歴史の教訓として総括することは、最も学生運動が盛り上がっていた1968年に大学生になった私の使命でもあります。」(池上彰)
【本書の目次】
序章 「60年代」前史
第1章 60年安保と社会党・共産党の対立(1960~1965年)
第2章 学生運動の高揚(1965~1969年)
第3章 新左翼の理論家たち
第4章 過激化する新左翼(1970年~)
【本書の内容】
・60年安保は「反米闘争」か「反岸闘争」か
・「敵の出方」論をめぐる共産党・志位和夫の嘘
・「反スターリニズム」に賭けた新左翼の精神
・「反米従属」と「愛国」に舵を切る60年代共産党
・新左翼は「リアリズムを欠いたロマン主義」
・「第一次羽田事件」山崎博昭の死が時代を動かす
・戦う意志を貫き、代議制を捨てた「全共闘」
・行動の「中核派」、理論の「革マル派」
・「ニセ左翼」vs.「権力の泳がせ論」
・本屋で「火炎瓶製造マニュアル」が買えた時代
・「日大アウシュヴィッツ」という揶揄の声
・池上彰青年を「オルグ」しようとしたセクト
・卓越した思想家・黒田寛一と国鉄・松崎明の関係
・沖縄は「奪還」すべきか、「解放」すべきか
・日本人を「総ノンポリ化」した新左翼運動
・左翼は「人間の不完全さ」を自覚せよ ……ほか
Posted by ブクログ 2022年06月05日
昔も今もセンスがないという一点において左派は一貫してるなーと思った。
政治的なものの見方で突拍子もないこといったり暴力を肯定して大衆に見放されたり。とにかく大衆意識との乖離を自覚しない点で常に地に足ついてない。
過去の左派では「エライ」の基準は獄中暦とか非転向とかだったそう。本書で描かれた時代にはこ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月14日
新左翼の時代について振り返る対談。
「新左翼の離合集散に関する細かい経緯を理解する必要は全くありません。」
と佐藤氏がいきなり述べているので、私としては拍子抜けであった。全体の流れを把握すれば十分、ということであれば本書に新たな知見を期待する必要が(個人的には)なくなってしまう。
「閉ざされた空間...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月29日
知らないことが多い。こう言う流れでこう言う事が起きたのかと改めて整理出来た。あさま山荘事件とか。テルアビブ空港乱射事件なんて知らなかったし、よど号事件も知らなかった。もっとちゃんと知らないとダメだな。しかしこのエネルギーはどこから来るのか。そう言う時代だったという事なのだろうが、このエネルギーが何処...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月22日
感想
戦後の日本を語る上で左翼の変遷を避けることはできない。左翼史を学ぶことは日本を学び直すことにつながる。
学生運動は過去の記憶として、戦後日本の黒歴史のように扱われるが、今こそしっかりと見つめ直し、なぜ学生運動が残酷な内ゲバやテロリズムに発展したのか考えておく必要がある。
本書を読めば時代的...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月21日
今や死語になりつつある「左翼」。しかし、その思想は、かつては、「いざとなれば自分だけでなく他人を殺すことも躊躇うまい」と人に決意させてしまうほどの力をもった。何が、若き知的エリート達の心をとらえたのか、なぜその思想は力を失ってしまったのか…。
「左翼というのは始まりの地点では非常に知的でありなが...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月03日
この時代の特徴として、学生を中心とする社会運動が盛り上がり、良くも悪くも耳目を集める運動(犯罪)が起きたのに比べ、代議制民主主義の場で早くも革新勢力の停滞が始まった事。
市民は生活に根差した高度経済成長を認めそれを主導した保守勢力を総論で支持し、革新勢力は折々の各論の支持を取り付けるに留まった。
...続きを読む
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