【感想・ネタバレ】同志少女よ、敵を撃てのレビュー

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Posted by ブクログ

本屋大賞読んでみる★
引っかかりを感じない読みやすい文章でした。
ロシア人の名前は馴染みが薄く、登場人物の把握は大変ですが、息を呑む展開が続き読み進められました。

少女セラフィマが、ナチスに無残に蹂躙された家族、村人の復讐に立つ(立たされる)
過酷な訓練に生き残り、スナイパーとして逞しく中心戦力となっていく
戦時下の悲しい物語
今のウクライナ侵攻を続けるロシアと対比すると複雑な気持ちになる

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

自分の中では授業で学んだ歴史とは○年にこんなことが起こったというように記号でしかなかった。
しかし、この本では実際のリアルな戦争のありよう(軍人の心理や戦争の残酷さ)が臨場感たっぷりに書かれており読み応えがあった。
この本のような人間同士の悲惨な殺し合いというのは絶対に無い方がいいし、少なくとも自分の生きる世界は平和であって欲しい。

これまで歴史小説は読んでこなかったが、自分がこういう本も好きなんだという事が知れて良かった。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいてとても苦しかった
何故読みはじめてしまったのだろう、と思いながら救いがあると思って読んだ
物語としてのカタルシスはあり、読後感は爽快ですらある
しかし爽快さを感じていいのか?という思いはそこに残る
同志少女が最後に撃ったのは、どんな敵?
顔の見えない匿名性の高い戦争の中で、唯一顔の見える兵種、狙撃兵
どうしてロシアだけは女性が実戦部隊にいたのか
それでも戦後、『戦争は女の顔をしていな』かったのか?戦争は何なのか
ただの善良な少女が、『優秀な兵士』になっていくさまがあまりにまざまざと活写されている
そしてその過程が理解できてしまう。そしてその過程を知らない人たちから畏怖される…彼女を置き去りにして

一人ひとりが普通にそのへんにいる人だ。敵の未亡人を愛して、しかし少年を囮にする。死ぬと思ったときには泣き叫び、裏切る。舞台に復帰すれば自己弁護の厚い皮をかぶる。
故郷の恋人が死んだものと思い任務に邁進し、生きているとわかると喜ぶがその彼女が80人を殺したと知るや恐怖し、普通に会話できると知ると一瞬復縁を考え、男の仲間を庇い、女を凌辱するならば死ぬさと気弱に笑い、戦勝祝に女を充てがわれて喜ぶ…

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2024年05月24日

Posted by ブクログ

表紙から「女性狙撃兵が活躍する英雄譚」をイメージしたがそんな話ではなく、戦争とは何なのか、女性が戦場で戦う意味、『敵』とは誰なのかを考えさせられる小説。

時代背景が第二次大戦、ソ連が舞台ということもあってとっつきにくさを感じる人もいるかもしれないが、世界史に明るく無い自分でも充分に理解することが出来たのでそこがネックになっている人は是非手に取ってみてほしい。

主人公セラフィマや戦場で出会う同志達、一人ひとりの人生に焦点が当てられていて、中盤以降は自分も戦場にいるのではと錯覚する感覚に陥った。

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2024年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家族や村の仲間たちを目の前で殺されたセラフィマが狙撃兵となり、戦争に駆り出される中での仲間との絆、破壊、死がとても生々しく描かれていて、そのリアルさに引き込まれた。
オリガが秘密警察組織の立場を隠して明るく優しい少女を演じていたことがすごく衝撃的だったし、セラフィマとミハイルの再会と昔のような関係には戻れない切なさが印象的だった。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやー凄かった。
戦争モノは初めてで第二次世界大戦に関しても詳しく覚えていない私が読んでも読みやすく、面白かった。
セラフィマ、よく頑張った。
村を焼かれ母を焼かれ、復讐心を胸に必死で生き耐え抜いてきた。
イリーナは凄く厳しかったけど教官としては素晴らしい人だった。
生きたいか死にたいか、それ以外の道も用意してくれて居場所を失った少女たちを助けてくれた。
ミハイルの件はショックで、結局お前も周りに馴染むために合わせてしまうのか、結局そうなのかとショックだったのでセラフィマが撃ってくれて良かった。
どうして女性をモノのように扱うのか。
戦果として当然と思っている部下も、それすら許されないのかと憤る気持ちも理解できず、これだから男はと思わずにはいられない。
どの時代もどの国も同じなんだなと思う。
やはり自分を守るためには強くあらねばならない。
自分を自分で守れる強さと知識が必要で、敵を撃つとはそう言うことだと思った。
自分の大切なモノは人それぞれで、
ドイツから見たら大切な人を撃たれたから反逆。逆もしかり。戦争はだから繰り返されて終わらないのだなと悲しくなる。

出来る人は集中力が違う。いわゆるゾーンに入るというやつ?メリハリが出来ていて仕事の時は仕事のことだけ考えて精神集中できるひと。どの仕事でもそういうひとが成績が良く成果を上げられていると思った。ただ目の前の敵を撃つ。一箇所に留まらない。自分の能力を過信しない。かなり勉強になりハッとさせられた。
歴史について勉強したくなったし、知っていたらよりこの本は楽しめそうだなと思った。
うまく言語化できないけれど訴えかけてくるメッセージが強いなと思う。
デビュー作としては完成度が高く、読み応えもあり素晴らしい。
忘れてはいけない2つのもの。
愛するものと生きがいと。現代でもそれを手に入れられたら幸せに生きられるのだろうと思う。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦争の話だが『敵』は誰かを考えさせられる話。
重い内容と読破後の満足感がたまらない。

同郷の幼馴染を撃ったシーンが1番衝撃的だった。
独ソ戦であるが敵でありながら愛し合う人もいれば憎しみ合う人もいる。
女性の差別についても考えさせられた。
戦争は人と関わる人の人生を変えてしまう。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

戦争ものはあまり好きではないのですが、女性が戦争に行くとはどういうことなのか興味があり、この本を選びました。
ソ連軍とドイツ軍の痛々しい争いは歴史で知っているくらいでしたが、武器や地形、気象、そして兵士の役割などものすごく細かく描写されていたので、フィクションとは思えない臨場感たっぷりでした。

リッツ(ドイツ人)が憎い!フリッツを殺せ!
個人的にクラフトワーク(アーティスト)が好きでドイツテクノをレコードで聴いたり、ドイツ建築が好きでバウハウスまで行ったりするくらいドイツ好きなので、自分も含めて、正直ドイツ人やドイツ好きが読むと精神的に苦痛なシーンがあり、「ナチドイツと現代ドイツは違う」とも思う。
ロシアでは、格闘技のヒョードルやテニス選手のシャラポワ、アンナクルニコワ、そしてロシア生まれドイツ人のzeddというミュージシャンも大好きなので、複雑な思いで読みました。

1章は主人公セラフィマという18才のロシア少女がなぜ狙撃兵になったのか、どれだけイリーナ少尉が憎いのか、そのキッカケから始まります。

2章は狙撃訓練学校で同じ境遇の少女たちと技術も身につけて成長していくと同時になぜ戦うのか、自分とはなんなのか、学んでいきます。
印象的だったのがオルガというソ連ウクライナ人と、ロシア農民のセラフィマとの会話は、現代のプーチン政権までに及ぶドキリとした場面もあり、ロシアとウクライナ戦が2022年から始まったのに、80年前に遡って歴史はあったんだと気づきました。この本はその数ヶ月前に発売日だったのは偶然なんでしょうか。

3章でセラフィマたちは狙撃訓練を卒業して実戦とくるのだが、KV-1、T-34、SVT-40、ppsh41、デグチャレフPTRD1941とか武器名の名前がよくわからなかった。きっとエアガンマニアにはたまらないのでしょう。あと斥候大隊、対戦車犬、覘視孔、焼夷徹甲弾、助命嘆願、背嚢、車長用キューポラのペリスコープなど軍事用語が読みにくく、四苦八苦でした。
10代の女の子が初めて敵一人目を殺したこと、目の前で戦友を失うこと、セラフィマが大佐から称賛を受けたと同時に、その戦地で逃避した大隊と隊長に銃殺刑の宣告がなされたことをどう感じたのか。この本で忘れられないシーンでした。

4章では女性狙撃兵特殊部隊としてイリーナ少尉、セラフィマ、シャルロッタ、オリガ、ヤーナ、ターニァが合流した男性守備隊4人の同志とスターリングラードを守るために戦う。
勲章はカウント数。殺した人の数を数えるような人間になっていくセラフィマの姿は、読んでる自分もいつのまにか数を数えていて、ハッとしました。怖いです。

5章になると、スターリングラードを勝利した女性狙撃兵のセラフィマは昇格していく。新聞記者たちから質問を受けるようになり、ついには史上最強の女性スナイパー、英雄のリュドミラ・パヴリチェンコと出会う。

最後の6章はセラフィマの仇が終わっていない以上、またもや危険地帯に突入するのだが、、、

ただの戦争物語とは違い女性から見た戦争という特殊な視点。
女性が戦争に、女性が狙撃兵、女性が人を殺す、女性が拷問うける、戦時性犯罪の真実、女性兵は女と子供を命かけて守る、そして女性兵が戦争が終わった後、愛するとは、後遺症とどう生きていくのか。
想定外の倫理感を撹乱させられました。
久しぶりに感動を超えて大切なことを学びました。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

悪と善、男性と女性、などの単純な構図では説明できない、戦場を舞台としたストーリー。

狙撃兵としての道を歩んでいく主人公の葛藤や心情の変化が鮮明に描かれており、
戦争という特殊な環境下で生きるとはどういう事なのか考えさせられた。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

とても面白い。僕教育ってすごく大事だなって思っててなんかそれを改めて感じたというか、主人公の考え方が徐々に変わっていく様、成長していく様がとても面白い。信念を持つってほんとに大事だわ。自己形成ってやつか?たぶんそれだ。
500ページくらいあるんやけど1日で読み終わるくらいには好き。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第二次世界大戦の教養は私にはありませんが、それでも夢中に読むことが出来ました。実際にも女性狙撃手がいたという事には驚きました。いつの時代の戦争も、どの国であっても、戦う理由は、誰かを守りたいという事なのかなと切なくなりつつ、読み終えました。戦友の死、バロンの死はとてもつらかったですが、読んでよかったと思える作品でした。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第二次世界大戦の独ソ戦を舞台に、実在したソ連の女性スナイパー部隊を描いた傑作です。

デビュー作とは思えない重厚さとスピード感を併せ持つ作品で、2022年の本屋大賞など数々の賞を受賞されています。

生まれ故郷の村がドイツ兵に襲われ、全員虐殺され、復讐を果たすために狙撃兵になる主人公セラフィマ。
争の残虐さ、悲惨さ、敵国の女性への暴行など
目を覆うばかりだが
主人公が狙撃兵として研ぎ澄まされていくと同時に殺すことに慣れていく過程も悲しく、恐ろしい。

最後のケーニヒスベルク戦は息もつかせぬ衝撃の展開。一気に読んでしまった。
何も知らない状態で、もう一度ゆっくり読みたい。

ユリアンという少年狙撃兵の死
家から離れなかったマクシム隊長、
ドイツ人捕虜が本当はサッカー選手になりたかった話、
敵国ドイツ兵を愛したサンドラ、
勝利を得た後に敵の女を襲うのをご褒美と考える兵士たち。その最前列に主人公の幼馴染がいたこと。しかしその幼馴染は優秀で部下に優しい上官であったこと。
全てが悲しい。。戦争さえなければ。

戦後の話がとても穏やかで、ホッとしたが
現実にはロシアはウクライナと戦争をしている。
ロシアの人たちは今何を思って戦っているのか。

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2024年04月24日

匿名

ネタバレ

人間の本質

はじめに手に取って読み始めるまではページ数と内容の重さに躊躇していたが、いざ読み始めるとページをめくる手が止まらない。開始10ページで主人公の母親が死ぬという、何ともインパクトの強い始まり方。戦争の残酷さだけでなく、その中で女性として生きていくことの難しさや狙撃手となってセラフィマに訪れる心身の変化がつぶさに描かれている。そして、他の女性狙撃手たちと接していく中でその先にセラフィマが見つける戦う意味とは。一度読むと何度も読みたくなる、最高の良書。

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2024年04月03日

匿名

購入済み

主人公たちの心意気がかっこよかった!
これを男性が書いたのいうのが、失礼ながら驚きです。
シスターフッドを描いた作品は多いものの、ここまでしびれるものはなかなかありません。
ページ数も多く、戦争物、しかも名前になじみがない(カタカナ苦手です)……ということではじめは敬遠していたのですが、
読みだしてからは、もっと早く読めばよかったと後悔しました。
本当に、文句なしにいい作品でした。今後も多くの方に読んでもらいたいです。

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2023年10月05日

購入済み

戦争の渦にまきこまれて

正直戦争ものは不得手でしたが、評価がよくトライしました。

もちろん戦争の残忍さや恐怖も描かれているのですが、読み終わった印象としては 戦争の渦に巻込まれてしまったそれぞれの人が主人公劣らず心に刻まれるストーリーでした。
同志ではあるがそのストーリーはそれぞれ。
主人公が同性ということや、’戦争=男性兵士’のありきたりから外れるというのも大きかったと思います。

冒頭部分で狙撃手となるための訓練は目新しく面白かったです。
スコープを通しての狙い方や戦略、銃それぞれの特性など、とても新鮮でした。

戦争の渦に巻き込まれながらも、大事な部分を失わず気高く生きる女性兵士に心寄せた素敵な作品でした。

#感動する #切ない #ドキドキハラハラ

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2023年05月17日

c

購入済み

戦争が生々しい

残酷さが生々しすぎて、、
でもここ最近で一番好き。

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2022年12月18日

購入済み

読後の感想【ネタバレなし】

少女を介して、一般人(猟師)の思考から軍人(スナイパー)への思考の変遷がよく描かれている。
audible他音声版もあるので聴きながら読むのもとても良いと思います!

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2022年09月24日

ネタバレ 購入済み

何のために戦うのか

長い長い物語でしたが、時に息を止めて一気に読みました。
ロシア/ソヴィエトの第二次世界大戦、女性兵士、狙撃兵、何より多くの死者たちにあった日常や心情が映画を観るように脳内でに映し出されました。折しも同じような状況が毎日のようにTVニュースで流れ、何故歴史は繰り返されるのか、戦争は止められないのか、との想いが去来しています。

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2022年08月05日

購入済み

読んで損はしない作品

普段なら手に取らないテーマの本。本屋大賞受賞作品と予言したのかと思う程のご時世ネタ、皆さんのレビューで読みやすい文章であると言う事で購入しました。ロシアというより、戦争中はこんなんだろうと想像はできる内容だけど、凄くスピーディーに読める文章なので、飽きずに楽しめました。でも、これをどうやって映像化するのか興味があります。

#切ない #カッコいい #タメになる

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2022年04月26日

購入済み

同志少女よ、敵を撃て

夢中になって読んでしまいました。
第二次世界大戦の独ソ戦において活躍した女性狙撃兵を描いた戦争小説です。
人を殺すには大義名分が必要です。
戦時下で女性がそれぞれの信念を持って戦います。
とにかく読んでみてほしいです。

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2022年02月14日

購入済み

戦時におけるシスターフッド

とにかく物語に引き込む力が強く、一気読みしてしまった。
第二次大戦を生きた少女の成長+復讐物語に加え、当時の独ソ戦の進行状況や狙撃の技術説明もコンパクトに物語を肉付けしていて、その辺りの知識がない自分でも興味深く読み進められた。
多くの登場人物たちが個人の良識と戦場の常識の間で危うげに揺れ動く様子や、女性部隊内での強い愛情など、人間臭く描かれるシーンが何度も出てくるので、国同士の争いといえど、戦うのはあくまで人間一人ひとりなんだと思い出させてくれる。
これまで戦争作品では男の話ばかりで、戦場に実在したにも関わらず透明化されてきた女たちの話を、ここまで躍動感ある物語として読めることがただ嬉しい。
女性同士の連帯が、肩書きや国に囚われないものとして描かれていることも。

参考文献にも挙がっていた、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ「戦争は女の顔をしていない」も絶対に読もうと思う。

#アツい

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2021年11月23日

Posted by ブクログ

 珍しい女性スナイパーもの。 銃やその操作の描写がくど過ぎず良い感じ。
 スリリング、切なさ、グッと来る。

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

主要登場人物が理想的に過ぎるのかもしれないが、飽きさせず、物語として面白かった。ドキュメント収集中の「戦争は女の顔をしていない」が出てくるが、あの本が話題に上ったのは本書での登場も影響していたのだな。海外ミステリー好きの私にとって、日本人の描く純然たる海外舞台のミステリーには、ずっと二の足を踏んできたが、本書では読み進むうちにそれは一切気にならなくなった。この作者の筆力だろう。

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

戦争小説かつ人名は全てロシア人とドイツ人なので身構えたが、とても読みやすい。情景も思い浮かべやすく、臨場感もありストーリーに引き込まれた。

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2024年05月22日

Posted by ブクログ

オーディブルで視聴。
中盤以降は一気に引き込まれる。
エンターテイメントとして秀逸。
敵も単なる敵ではなく、感情移入できる。

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2024年05月22日

Posted by ブクログ

ただの女の子を、大量に人を撃ち殺しその成績を誇らしげに語る性格へと変えてしまう戦争の恐ろしさが伝わってくる。
何度も読み返したくなる。

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2024年05月21日

Posted by ブクログ

戦争がテーマの小説は読んだことが無かったけど表紙とタイトルに惹かれて。

一番印象に残ったのは、ドイツ軍を尋問にかける場面。その程度の方法で簡単に話すの?と思ったけど、その程度で簡単に話せるぐらいの、普通の人が戦争に駆り出されて人を殺して、と思うとやるせなくなった。
「子どもの頃どんな大人になりたかった?」と尋ねるオリガは女優に、セラフィマは平和のために外交官に、相手のドイツ兵はサッカー選手になりたかった…と。この本を読んでいて、戦争が無かったら良いのにと思う場面はたくさんあったけど、一番強く感じたのはこのシーンでした。

セラフィマはイリーナという存在を得て、一つ手に入れたけどもう一つは手に入るのかな?村の人達とこれから交流する中で手に入るといいな。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦時のソ連の女性狙撃兵の話。フィクションではあるけども、実際にこれに近いことはあったんだと思う。
女性でも兵士として戦争に行くことや、敵前逃亡したら、味方から処刑されること、敵国にたいする性的暴行など…。読んでると胸が痛くなった。
戦争というのは、本当に恐ろしい。そして、戦争している両者のどちらかが正しいということなんて、ないんだと思う。
評価の高い小説ということもあって、とても読みやすかった。いろんな人に読んでもらいたいと思う。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

元々、戦争小説とカタカナの名前を覚えるのがあまり得意では無いため、初めの数ページはなかなか手が進まなく。読みにくいかもと思ってましたが。途中からは逆に手が止まらなくなりました。読みにくいとか思ってしまってごめんなさいです。

やはり戦争は嫌だな。こんなにも、呆気なく人の命が失われてしまう。

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2024年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あなたの敵をうて。

セラフィマは故郷と家族を失い、イリーナに狙撃兵として教育を受けた。敵であるドイツ兵「フリッツ」ハンス・イェーガーを殺すため。そして、母の遺体と家を焼いたイリーナを殺すため。彼女は共に訓練を受けた同志たちと狙撃兵旅団第三九独立小隊として戦場に身を投じる。

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』を思わせる小説。『戦争は〜』は一兵士として戦った女性たちの証言集であったが、こちらは狙撃兵の1人に焦点を当てたフィクションである。敵であるハンス・イェーガーに復讐を果たそうとするセラフィマの戦いでラストを一気に読ませるのは、フィクションだからこそできるカタルシスがそこにあるからだ。しかしそこには同時に痛みもある。虚しさもある。

「敵」は「てき」とも読むし「かたき」とも読む。「敵を撃て」というタイトル、そしてセラフィマが執着するのは「敵討ち」である。憎悪を生きるエネルギーにして一心に戦ってきたセラフィマが最後のシーンで撃ったのは彼女の守りたい者「女性たち」の「敵」だった。

ソ連の敵はドイツだった。市民でもあった。子どもでもあった。男性でもあり、女性でもあった。敵の命を奪って、味方を失って、セラフィマが学んだことは生き方だった。生き方は選べる。そして失われた命は戻ってこない。

戦争中でも許されない罪がある。しかし戦わないといけないときがある。だから自分の道を選ぶのだ。敵を撃つ。守りたいものを守る。そして戦後、語るのだ。選んだ自分の生き方を。そこには敵も恨みもない。そこで戦争が終わる。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デビュー作でこの重厚な完成度…作者は恐ろしいほど天才だなと思った。

タイトルの「同志少女よ、敵を撃て」が現れた部分で、涙が出た。
地獄の中にいるような残酷な世界、必死に逡巡する気持ちのあり方、あの場面で彼を撃ったセラフィマを思うと…気付いたら落ちていた。このタイトルはそういうことだったんだって。

「戦争は女の顔をしていない」そうだよねと思った。
どんな犯罪者も悪人も、自分のことを"悪人"だとは思っていないというけど、まさにその通りで進んでいく。
みんなが他責思考で残虐を極めていく。

何かが悪だから私は正しい。あっちが非道だから仕方ない。みんながしていたから自分もする。
戦時下ほど酷くなくても、こういった心理って今でも人間にあるよなと思う。
例えば、敵側の女性に乱暴することを楽しんで、仲間意識が強まるとか女性じゃなくても憤るような思想だけど、今でも同じ部活の学生複数人で乱暴したとか、集団で自衛官にセクハラとか、あるよね、、あっあるじゃん。今もあるじゃん。
そして、その被害者側を責めるような言葉を向ける人たちも、いるじゃん。戦時下でもない現代の日本で、いるじゃんって思ったら怖くなった。
輪の外側に立って、見つめ直してみて欲しい。私も輪の外側に立つことを忘れないようにしないと。誰も傷付けない生き方なんて不可能だろうけど…。

絶対的な正義はないから、常に自分の正義を疑うことは大切だなと改めて思ったし、みんなが自分の正義なんて考えてる余裕がないような状態に追い込まれる"戦争"ってのは、本当になくなって欲しいと改めて思った。

小説を読んだだけで理解したとは到底言えないけど、「戦争がどう人の心を壊すのか」をすごく丁寧に描いていると思う。

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2024年05月25日

匿名

購入済み

ずっと前から気になってて、とうとう買ってしまいました。読み始めると、ストーリーに惹き込まれて、ページを捲る手が止まらなくなりました!最高の一冊です。

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2022年10月26日

Posted by ブクログ

主人公はソ連軍の狙撃兵という設定で、結果、この独ソ戦に勝利するわけでもあり、華々しい戦歴からして勇ましく優れた軍隊、という描写となっているが、2022年のいま、同じ東欧の舞台で戦っている士気の低下したロシア軍、的な報道との対比が興味深い。

なんといっても473頁のテキストに刮目。

“ロシア、ウクライナの友情は永遠に続くのだろうか、とセラフィマは思った。”

歴史をちゃんと勉強しないと、欧州の国際問題や安全保障は理解出来ないんだろうなと改めて認識しました。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

20世紀の戦争を舞台にした小説を初めて読んだかもしれない。

ほとんどの場面で、戦争の凄惨な情景を一人称視点で説明されるので少し疲れてしまった。というのは、どんな特徴の武器を使ってどのように敵を殺すのかや、敵の戦車がどういう型式で、それと交戦したとき兵士の眼前でなにが起きるのかなど、ミクロな視点で何度も何度も描かれる部分から、少し冗長で退屈な印象を受けたからだ。
武器や兵器が好きであれば、この辺りをわくわく楽しめるのかもしれない。
戦争や合戦を描く場合、それらを舞台にしつつも人間ドラマに焦点を当てたものか、知略や戦略を楽しむような、もう少し引いた視点から語られるものが、個人的には好みなのだと気づいた。

物語のほうは、主人公の復讐譚、才覚ある技術者が高みに登り詰めるということ、平和が訪れたあとの兵士たちの人生など、1人の女性狙撃兵の半生を通じて語られるが、大きなテーマは戦争を生きることと、戦場においての女性、だったように思う。これが、どちらも大きな事柄であるためか、後者に関しての描写がやや表面的で、そのために主人公の行動が少し突飛に感じられる場面があった。

兵士の日常を語るなかで、さりげなく伏線が貼られて、その回収が最後に鮮やかにされるので、爽快感があった。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

初見、思ったより分厚いし、難しい内容で読みきれるか不安でしたが、引き込まれる内容で読み進むことができました。

常に死と隣あわせで、同志が酷い死にかたをしていくのが辛かった。捕虜になりそうになった時のために手榴弾を二個持っている…というのが、死を覚悟の上で戦っていると印象に残った。

主人公のセラフィマは死なずに済んで、エピローグへ続いてるのが救い。仇も倒せたけど、失くしたものも多いんだろうな。

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦中、ドイツ対ソ連のソ連軍に実在していた、女性狙撃部隊をモデルにしたお話。

「戦うか、死ぬか」の二択しかない状況に背筋が伸びる。映像よりも想像してしまう方がグロテスクなんだ、って思わされるほどの描写。

訓練所のシーンが好きだった。

戦争の悲惨さや「人間が生きるのに必要なものは?」「戦争の本当の敵って?」っていうのが作者が伝えたいことだったのかもしれないけど、私は"経験"の重要性をこの小説から学んだ。

戦争で死んでいくものと生きるもの。運もあるが、経験から人は学び、強くなっていくのだな、と。傷つくことを恐れて、経験しなかったら。

自分が感情にのまれそうになって、判断がブレるとき、自分を助けるひとつは"経験"だなって思った。何度も失敗したり、上手くいかなくて嫌になることもあるけど、その経験が、大事な時に自分を救うかもしれない。

自分には経験が足りていない、経験することを恐れずいこう、と思った。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

一人ひとりの生きざまと死にざまを描くことで、数多くの戦死者を出す戦争の虚しさを感じた。主人公は戦争で何を失い何を得たのか、ドラマティックな展開で魅せる。

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

普段なら手に取らないタイトルなのですが、
本屋大賞受賞作品と言うことで読み始めました。
いつもならハイスピードで読むのですが、なかなか読み進められませんでした。
やはり戦争ものはキツイ。しかも少女。
戦争のない国で今を生きられることに感謝。
そして地球上での殺りくがなくなる事を祈ります。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦の独ソ戦に出征したソ連軍の、女性狙撃兵を描いた物語。

同志少女よ、敵を撃ての敵とは…

戦争とは人を人として無くしてしまう。

早く世界平和が訪れますように。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

『歌われなかった海賊へ』を先に読んだので、同じジャンルとして読んだが、こちらを先に読んだ人は私が『海賊』を読んだ時ぐらいの衝撃を受けただろうと思った。

正直、ソ連やナチスドイツは残酷過ぎて目に入れないようにしていたが、この2作で自分とは違う世界というわけではないと考えたことを思い出した。
戦争となったら、自分が今は絶対にしない、できないこともする可能性がある。私だって人を殺すかもしれない。
それを絶対ない!と思い込むのではなく、そうなるのが戦争だから、そんな風になりたくないと正しく恐れる。そしてそうならないように、人が人でいられる世界を努力して維持していかないとと思う。

今作はたまたま私が読んでるのを見た弟が、既読だが冗長でそんなに面白くなかったと言っていた。
話の展開より、女性同士の関係についての話が多かったからかなと思った。

私は、戦中の異様さには慣れていき、人を殺めることすら何も思わなくなるのに、婦女暴行にのみ正常な思考が残っていることに違和感があった。
もちろんあってはならないことだけど、そんなことを思いすらしなかった少女ならではの潔癖さだと思うとそこだけ殊更取り上げるのはどうだろう。
あるいはこれだけのスナイパーも普通の少女だったのだということを強調してるのだろうか。

とは言え読んでよかったことに変わりはない。

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2024年05月05日

被害者が減るように投稿します。

kindle版で購入しました。
読み始めて30分程で端末から削除。
本当に酷い。。。。
何が酷いかはamazon のレビューの★1レビューを参考にして下さい。

著名人からの評判や有名な賞を受賞とあったので期待して読み始めたのですが、あまりにも酷かった。
返品したい。普段は自分の判断で購入したものは反省の意味もこめて返品までは考えないのだが、これは酷すぎる。
これは詐欺じゃないか。。。

これに高評価をつけて楽しめる感性ってなんなの????
日本人の感性ってここまで落ちぶれたの???

なんども言わせて下さい、本当に酷い。
ここまで怒りがこみ上げる本は初めてです。

ちゃんとした本が読みたい人は絶対に買わないで下さい!!!!
後悔を通り越して自己嫌悪に陥ります。

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2023年11月17日

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