芝健介のレビュー一覧
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ヒトラー関する歴史学的な徹底検証がなされている。歴史は曲解されがち。ファクトに忠実でありたい。
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神話や過大評価に踊らされぬよう、できるだけ正確な事実にもとづくヒトラー像を分有することが、あらためて要請されているのではないだろうか。Posted by ブクログ -
[整然とした狂気]人類の歴史において、最も悲惨な形相の1つを呈したといっても過言ではないナチスらによるホロコースト。ともすれば「ヒトラーが反ユダヤ主義のために開始して……」と単直線的な理解になりがちなこの問題に、深く、そして複合的な視点からその原因や成り立ちを追った作品です。著者は、ナチスやファシズ...続きを読むPosted by ブクログ
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余計な感情抜きに、ホロコーストの全体像を把握できる。細かい情報も軽く入ってるので、ここからもっと詳しく知りたいと思えるようになってる。
絶滅収容所と強制収容所の違いなど、結構知らなかったことがたくさんあった。
映画で主に取り上げられるドイツやポーランドの当時の状況ぐらいしか知らなかったけど、他のドイ...続きを読むPosted by ブクログ -
特にホロコーストに関しての書籍ではあるが、ホロコーストに至るまでの過程が概説としてわかりやすくまとめられているので、ナチス関係の入門書としてもわかりやすい。
またこうやって概説として歴史を知ることは、個々の出来事として知っていた点を、線として理解出来るのでとても助かる。
ヒトラーが政権を取ったから...続きを読むPosted by ブクログ -
必ずしも、はじめからユダヤ人の絶滅をナチ党が考えていたわけではない。しかし、占領下のフランスが、マダガスカルへの移送を当時のドイツに打診してきたように、ヨーロッパからの追放という形での対応があり、おそらくヨーロッパでのユダヤ人への抑圧はあったのだろう。ベロックの『ユダヤ人』を読んだあとだと、なまなま...続きを読むPosted by ブクログ
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ヒトラーという人物について、何者でもなかった若年期からその生涯を追い、過度な神格化や悪魔化をされがちなヒトラーの「正体」を見極めていく本。
様々な伝説や喧伝、はたまた罵倒や悪評に埋もれがちなヒトラーの等身大のラインを浮き彫りにしていく本と言えるだろう。
ヒトラーの歩みに合わせて、自然とドイツ第三帝国...続きを読むPosted by ブクログ -
副題が「虚像の独裁者」とあるように、彼の支持者またはアンチが作り上げてきたヒトラー像を一枚一枚はがしていくような印象を受けた。新書でありながらしっかり読み込めた。
彼のような独裁者は時を超えてまた生まれてくる可能性はある。私たちは、カリスマの巨像の部分にも目を凝らして立ち上がる勇気をもつことが重要...続きを読むPosted by ブクログ -
狂気に満ちた歴史の一言。ホロコースト、ナチスの残虐行為の歴史の全体像が見える。
社会の不満が積もったことでナチスの台頭を許してしまった歴史は、現代社会にも通づる部分がありそうな気がする。グローバル化や多文化政策の急進によって、労働者階級の反感が増したり、極右政党が誕生したり、過去の苦い歴史の懸念が...続きを読むPosted by ブクログ -
ホロコースト=ユダヤ人大虐殺だと思っていたが障害者や反逆者など、ユダヤ人以外も犠牲になっていたことが分かった。都合の悪い歴史を葬り去るのではなくきちんと向き合っているドイツを日本も見習わないといけない。Posted by ブクログ
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ホロコーストの全体像を描き出した一冊。
「いずれにせよ本書を通して、ホロコーストというユダヤ人大量殺戮について、狂気に満ちた独裁者ヒトラーがアウシュヴィッツで行うよう命令し、実行されたといった直線的なものでは決してないことを理解して欲しい」(あとがき、P267)
ドイツ国内、ヨーロッパにあった反ユ...続きを読むPosted by ブクログ -
ヒトラー政権によるユダヤ人政策の推移を解説する。
紆余曲折が順を追って解説される他、
ゲットーの仕組みや生活ぶりが興味深かった。
終章であるホロコーストと歴史学では
ホロコーストをどのように捉えるべきか
研究された成果を紹介しており、
より深く学んでみたいと思わされる。Posted by ブクログ -
新書だったので、手に取りました。
普通の市民の集まりが、こういう大虐殺を起こす。ある意味、今まで読んだ大量殺人の本より、怖い。
もう少し、この方面の本を読んで行きたいです。Posted by ブクログ -
恐ろしいタイトルですが、現実を見たいという気持ちがあり購入。
【現実、と書きましたが世の中には「ホロコーストはでっち上げだ」という説もありますが、そのあたりはそれぞれの考え方ということで。。。
僕は存在したと考えています】
おぞましい歴史、本当に信じられないようなことです。
これがただの作り話な...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
ヒトラー政権下、ナチ・ドイツによって組織的に行われたユダヤ人大量殺戮=ホロコースト。
「劣等民族」と規定されたユダヤ人は、第二次世界大戦中に六〇〇万人が虐殺される。
だが、ヒトラーもナチ党幹部も、当初から大量殺戮を考えていたわけではなかった。
本書は、ナチスのユダヤ人政策が、戦争の進展...続きを読むPosted by ブクログ -
ヒトラー個人に焦点を絞った伝記と思って手に取ると肩透かしを食らう。ヒトラーと同時代のドイツ史でありながら筆の濃淡が大きく、著者の関心のない日独関係などはほとんど閑却される。「おわりに」から読み進めることをおすすめする。
あと、聞き慣れないドイツ語の名詞や人名が頻出するので、巻末に索引を用意してほしか...続きを読むPosted by ブクログ -
あの独裁者がどのようにして生まれ、そしてこの世を去っていったのか。コンパクトに要点がまとめられ、よく理解できた。そして今から何年後かに、あの侵攻国の独裁者も同じように語られるのであらう。Posted by ブクログ
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本屋で新刊として平積みされていたので、購入したが、最後に2ページほどの「新あとがき」が追加されただけの新刊だった。
ただ、読んで良かった。なぜホロコーストなんて起こったのか、この本を読むと、現在こそファシズムやホロコーストが再現されるおそれがある時代だと思う。
ドイツ人より画一的な忖度社会で...続きを読むPosted by ブクログ -
ヒトラーが大量のユダヤ人をアウシュヴィッツで殺した、といった単純な理解を超えて、「ホロコーストの全体像を描くことを目的に、ナチ体制という加害者側から見た虐殺にいたる過程と殺戮の様相を記し」(p.265)たもので、反ユダヤ主義の背景から、ユダヤ人問題の「解決方法」が、追放→ゲットー→ソ連のユダヤ人の...続きを読むPosted by ブクログ