下田淳のレビュー一覧

  • 「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのか
    ・サイエンスは時に人類に制御不能なのものをつくってしまう。それでもサイエンスは自己増殖することをやめることができない。資本主義と連動しているからである
    ・もともとユダヤ教は現世信仰。イエス・キリストの時代に、律法(生活規範)のみを権威とする正統派のサドカイ派に対して、天使、悪霊、霊魂の不滅、肉体の復...続きを読む
  • 「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのか
    著者の本は偶然二冊目であるが、着目点が他と異なる事が多く、細かい事を考えなければ面白く読める。
    強引な解釈も、根拠が不明確な断定も、「なぜなのかは不明である」と感性的な自説を展開するところもニヤニヤしながら読み進もう。
    著者の概念、ヨーロッパ史の下部構造である棲み分けによって語られる異説は、既存の歴...続きを読む
  • 居酒屋の世界史
    学生の頃、ローマのオスティア遺跡で居酒屋の跡を目にして「こんな時代にもあったのか!」と酒好きの私はずいぶんと感激したものだったが、この本を読んで、今の時代とは全く違う存在だったのだと今更ながら理解した。冒頭で”つまみ食い的に紹介”とあるように、時代も地域も幅広に扱われ、全体的につれづれとした構成とな...続きを読む
  • 居酒屋の世界史
    久々に良書を読んだという感想。

    居酒屋の発展を世界史の中で辿ることによって、貨幣経済がどのようにして農村まで広まったかということを論じる。貨幣がなければ居酒屋というのは成立しづらいし、さらに農村まで居酒屋が広がるには様々な条件が必要だった。ヨーロッパでは酒造りをしていた教会が、宗教改革によって聖俗...続きを読む
  • 居酒屋の世界史
    無償で提供するのが当たり前だった酒が、貨幣経済とともに農村部に普及していく、そして多機能だったものが棲み分けされていく変遷史です。
    日本においてはこの多機能さが生まれなかったということで、我々が感じる居酒屋というものと、世界での位置づけは全く違うと思ってもいいのかもしれません。
    酒そのものの本ではな...続きを読む
  • 居酒屋の世界史
    ヨーロッパなどのカフェや飲食店の本は目にしたことがあるが、日本やイスラム圏や中国などを含めた居酒屋の話をまとめた本は珍しい。色々な国の食文化が垣間見れるダイジェスト本。読みやすく興味深く面白い。

    びっくりしたのは居酒屋で抜歯まで行なわれていたということ。食べてる隣で麻酔もなく歯を抜かれている人を見...続きを読む
  • 居酒屋の世界史
    本邦初の居酒屋の世界史ってことだけど、酒場の文化史みたいなので結構ありそうだけどなあ。
    ま、ともあれ酒好きとしてはなかなか興味を引く記述がたっぷりでよろしい。
  • 「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのか
    なるほど!と思う部分とちょっと極端かなと感じる部分とあったけど、面白かったです。資本主義の説明がわかりやすくその怖さも考えさせられました。人を棲み分けするって恐ろしい。
  • 「棲み分け」の世界史 欧米はなぜ覇権を握ったのか
    ヨーロッパ文明を「棲み分け」で読み解く試みで、切り口がとてもおもしろかったです。聖と俗の問題の棲み分けの問題は、かなり説得力があります。ただ日本も近世以前は、聖と俗は棲み分けられていました。これは、著者の主張する視点とはずれないと思います。中国に対しては、明代以降が主軸となっている気がします。という...続きを読む
  • 居酒屋の世界史
    かつて居酒屋は、単に金銭に替えて酒を飲む場である以上に、社交場であり、娯楽の場であり、商取引の場でもあった。特に、ヨーロッパではそれに加えて、祭り・冠婚葬祭の宴会の場であり、銀行であり、巡礼宿であり、さらには裁判所であり、病院であり(当時、外科手術は「芸」であった!)と、実に多様な機能を持っていた。...続きを読む
  • 居酒屋の世界史
    主にヨーロッパの歴史上の、著者の定義する居酒屋について書かれている。居酒屋の定義については色々な切り口があるかと思うけれど、大昔から今に至るまで、お酒を飲む人と飲める場所が存在するのですね。
  • 居酒屋の世界史
    ヨーロッパにおける居酒屋の社会史を考察する一冊。居酒屋は金を払って酒を飲む所だから、貨幣経済の浸透・封建制度の解体が前提になる。その意味で居酒屋の普及は近代資本主義国家への指標である。豊富なエピソードで楽しむことのできる「読み物」。
  • 居酒屋の世界史
    膨大な数の文献から居酒屋という切り口で歴史を紐解くという、ある意味斬新な本。居酒屋の普及には貨幣経済の普及が不可欠、太古の居酒屋が持つ多機能性、宗教と居酒屋等々、かなり色々な観点で切り込んでいる。ただ、引用が多すぎてその「まとめ」的な感は否めなかった。しかし、人間っていうのは酒が本当に好きなんだなと...続きを読む
  • 居酒屋の世界史
    好きです。テーマがジャストミートです。
    だからこそもっと深めて欲しかった…!「なので多機能性を持ちました/持ちませんでした。終わり」ではなく!

    教会の役割が居酒屋に移ったっていうのは面白かった。協会と居酒屋が繋がってる所があったっていうのも。で、それはどこなんだいっていうところらへんが。
  • 居酒屋の世界史
    居酒屋の世界史、タイトルも壮大ですが、まさに世界各地の大衆娯楽の世界史でした。
    ヨーロッパから始まる貨幣経済の流れとともに、コミュニケーションの場としての居酒屋が発展した歴史がわかって面白かったです。
    この本を読んで、発展途上国の居酒屋によると、意図せずして、その土地の貨幣経済の浸透度を測ることがで...続きを読む