室井佑月さんの息子が、中学受験〜中学生になってからのこと。最後には、高校生になった息子のことが書いてある。
最後まで読んで、この本は「母から息子への壮大なラブレター」だと思った!
室井佑月さんのこと、私はテレビで見かけるくらいしか知らないのだけど、息子さんへの愛情をすごく感じた。
息子のことを、私
...続きを読むのすべて、とはっきり言えるお母さん。ぶっきらぼうな言葉を使ってるけど、息子にかける言葉は実はすごく考えてて、なるほどーと、何度も納得した。
息子さんは、四国にある寮のある進学校に進学したそうだ。
田舎出身の私は、わざわざ寮に入って遠くの学校に行くの?と、室井さんのことに限らず常々疑問だった。
この本の中で、室井さんが、自分から勉強できる子は、地元の公立のトップ校行けば良い、でも、自分から勉強できない息子には強制的に勉強する環境が必要だ、と書いていて、「なるほどそうか」と納得した。
そして、寮で過ごすことで、自分の居場所をみつける術を身につけて欲しいという親心。。。
私はまさに子育て中なので、室井さんの、息子と離れたくない気持ちとの葛藤には、ちょっと涙出た。
最近、有名人の息子や娘の中学受験に密着したドキュメントを毎年テレビで放送してる。
私は、あれは本当に好きじゃない。
視聴者みんなで応援するというテイにはなってるけど、視聴者はあくまでも他人。
他人は無責任だ。応援してるテイでも、結局一番知りたいのは「結果」「合否」。
不合格の場合、そもそも無謀だったよねー、とか意地悪な感想を持つ人もいるだろう。
そんな無責任な他人の好奇の眼に、小学生の子どもを晒すことに、私は違和感を抱いていた。
そして、この本を読んで、そういうテレビに対する違和感は決定的になった。
この本読んで、受験て、エンタメじゃないと思ったから。
息子を安易にテレビで晒さない室井さんは、立派だと思う。
中学受験の勉強が始まるのは小4だそうだ。
「受験することは子ども自身が決めた」と言う親もいるかもしれないが、それは親の誘導によって決めたんだろうと思う。
室井さんは、息子の将来を思って、受験させ、さらに、母である私が地方で寮のある進学校を進めたと、はっきり言っているのが潔い。
子どもが社会に出て生きていくための武器を身につけてほしくて、親が子どものために進路を導いてあげる、それは決して悪いことじゃないよね。
室井さんは、出版、テレビの世界で働いているから、努力が必ずしも報われるわけではないとわかってるのだろう。
だからこそ、息子にはどんな社会になっても生きていける強さを身につけてほしいと思って送り出す。
私は国家資格を得て働いてる身で、努力がある程度報われたり、正義が尊重される業界で働いている。ルールを守る人が「正しい」とされる業界だ。
だから、私は我が子にも、どうしても「正しさ」を教えがちである。
しかし、世の中にはそうじゃない業界もある。正しさだけでは生きていけないところ。芸能の世界はまさにそうだろう。
そこに身を置いている室井さんだからこその、息子に教えるのは「正しさ」だけではない。身の置き方、身の振り方などの実践的な生き方を教えたいんだろうな、と思った。
勉強になった。