プラトンのレビュー一覧

  • マンガで読む名作 ソクラテスの弁明
    善く生きることとは
    「無知の知」や「悪法も法なり」で有名なソクラテス。
    彼自身は著作を遺していないのでプラトンによる記録である。

    君がもし、国家で起こりうる不正や違法な行為を止めたいと考えるなら......
    公人ではなく、私人であるべき。

    私にはこの言葉がわからない。
    確かにそうだと思う反面、そ...続きを読む
  • 饗宴
    読みやすかった。
    文庫となるとやや古い訳が多く、初めて読む人に薦めにくいところがあったが、これは気兼ねなくオススメできる。
    これからは、プラトーンに興味をもった人には本書から薦めたいと思う。(ほんとは『弁論』から読んで欲しいとも思うのだが、前知識がないと退屈な気もするので)
    また、、訳者あとがきにあ...続きを読む
  • パイドロス
    エマニュエル・レヴィナスさんが「これは読んでおくべき」と推奨された3冊の哲学書の一冊である。
    後の二冊はヘーゲルさんの『精神現象学』とハイデッカーさんの『存在と時間』
    恋する者のはなしから始まって、狂気や神的なものの効用、ものの考え方、書くということの優劣、語るべき言葉を持つことの困難さやそのことを...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    ・死刑宣告を受けたソクラテスが、毒杯をあおるまさにその当日に二人の弟子と交わした最後の対話。「哲学者は死を恐れない。なぜなら哲学することは死ぬことの練習であるからだ」という印象的なテーゼをめぐって対話が進んでいく。

    ・人間は肉体と魂から成り立っているが、肉体は快楽を目指し、魂は真善美を目指す。そし...続きを読む
  • メノン
    メノン:徳は人に教えることのできるものなのでしょうか?

    ソクラテス:その前に、そもそも徳とは何かを考えてみよう。

    メノン:はい、わかりました!で、結局のところ、徳は教えられうるのでしょうか?

    ソクラテス:(唖然)

    ・プラトンの遊び心が感じられる小品。それはともかくとして、ソクラテスは、結局メ...続きを読む
  • 饗宴
    再読。愛=エロスの本質を求めて男達が語り合い、愛の絶頂即ちイデアを求めて昇り詰めていく対話のエクスタシー。エロス、それは賢者と愚者の狭間であり神と人間の中間にいる神霊(ダイモーン)的存在。善きものの永久の所有を欲求するそれは肉体的不死/生殖へ向かい、それを心霊的生産へと向けることで徳へと至る精神を形...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 ほか
    「自然の正義が燦然と輝きでるのは、このときだ。」カリクレス
    ソクラテスの弁明というよりも、ソクラテスの強弁。
    ただし、「クリトン」時の説得力は素晴らしい。
    また、「ゴルギアス」でのカリクレスとの対話も面白い。
    特にカリクレスの主張が、ソクラテスも言うように大胆で素直なものである。
  • 饗宴
    良いこと書いてあるんだけど、なんだかんだで、少年愛がらみの記述に目がいってしまう、ついつい。普遍的な価値について語ろうとするギリシア人たちが、こと「その話題」のときだけは、特殊な文化的背景にもとづく性癖を擁護しまくりというのがね。それが、苦笑をとおりこして、可愛くみえてきた。
  • 饗宴
    平易で楽しい哲学書。ただの読み物としても面白い。
    内容は酒をのみながらみんなでエロスの素晴らしさを語るものだ。性の問題で悩む若者、BL好き、セックスレスカップルはまずこれを読め!
  • 饗宴
    『いけない、いけない、あの人は放っておいた方がいい、それがあの人の癖なんだから。所かまわずどこかへ、人通りを避けて立ち続けることがよくあるのだ。が、いずれまもなく来るだろうと思う。だから邪魔をせずに、放っておいてくれたまえ。』(アリストデモス)

    『実際人は次のようなことを熟思するべきである。明らさ...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    この書の主なテーマである魂の不滅についての証明は、少々ややこしかった。
    それよりは、(プラトンの書く)ソクラテスが死に対してどのような態度で望むか、哲学者として生きるということはどういうことかを述べているところが面白い。

    「(哲学者とは)純粋な思惟それ自体のみを用いて、存在するもののそれぞれについ...続きを読む
  • メノン
    徳は教えられるものなのか、徳はそもそもなんなのかを論理的に追及した作品。対話式のため読みやすい。
    最近法律の勉強をしていると「そもそも善とは何か。悪って何?」と根本な問題をしっかりと定義できておらず思考が空転していた。
    本作で扱うのは「徳」の定義であり善悪の定義ではないのだが、通ずる箇所もあり参考に...続きを読む
  • 国家 下
    久々に読むのに骨が折れた。

    正義とは何か、正しい国家の姿とはどのようなものなのかを根源的に問い詰めたプラトンの著書。ある種の理想の姿なのかもしれないが、この理想を目指して失敗したのがナチス・ドイツだったりレーニンのソヴィエト連邦だったりポルポトだったりするのだろう。家族を否定し、心を揺さぶる娯楽的...続きを読む
  • メノン
    解説を読めば概ね理解できるものの、ソクラテスとメノンその他との会話では真意が推し量りづらい。恐らく彼らとの会話に伍しない限りは分かりえないのだろう。

    ここでは「徳」とは教えられるものであるのか?ということを延々と話し続ける。まずソクラテスは徳とはなんなのか?どういったものか?を云う。

    ①知識...続きを読む
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~
    ソクラテスがプロタゴラスに徳をテーマに論戦を挑み三段論法炸裂によるカタルシスは痛快というか、物語性がある。
    古典新訳文庫は本当に読みやすい。
  • メノン~徳(アレテー)について~
    齢50にして人生初プラトン
    何より光文社古典新訳文庫の大胆な試みと訳のわかりやすさに感謝。高い値段は再読の価値ありの判断で納得です。短い内容であっても1日でプラトンが読めるなんて凄いです~
    アレテー(徳)の考察は洞察に富み、過去の拙い認識を改めることができます。
    哲学の入門に最適な新訳と思います。
  • 国家 下
    最初、哲学史を理解するための教養として読むつもりで手に取ったのだけれど、その気高い思想に触れるうちに読むこと自体が快楽になってしまった。たとえ、本書で語られている内容がほとんど理解できなかったとしても、著者がこれを書かざるをえなかった動機のようなものは感じ取れると思う。そして、それだけでも本書を読ん...続きを読む
  • メノン
    「徳とは何か」についての議論はソクラテスとメノンの対話形式にして書かれたもの。

    「知識は教えられるが、徳は教えられるのか?」とか、「徳はどうやって学ぶのか」とか。


    ソクラテスの誘導尋問的な質問の数々をたどると、不思議といつの間にか書かれていることが正しいように思える。これが対話編の魅力であると...続きを読む
  • ゴルギアス
    当時の弁論家、ゴルギアス、ポロス、カリクレスを相手に、ソクラテスが正、不正の問題で論戦をかわす。
    (おそらく)作者プラトンの意図とは逆にカリクレスのソクラテスへの徹底的な疑念こそがこの作品の価値になっている。
    カリクレスの登場する場面から面白くなります。
  • ソクラテスの弁明 ほか
    哲学者の代表みたいなソクラテス。
    彼自身は著作を残していないのだけれど、
    弟子であるプラトンがソクラテスの対話を書き残したため、
    今日までその名が残っているんだそうな。

    こうしたプラトンの著書はほぼ対話形式になっているので、
    小難しいイメージのある哲学書の中では異例的に読みやすくわかりや...続きを読む