山岸俊男のレビュー一覧
-
非常に勉強になる本でした。1999年に初版が出されていますが、この本で述べられている事象は年々強まっているのではないでしょうか。日本は信頼が崩壊しているという言説があることに対して、そうではなく「安心」社会が崩壊しているのだと著者は論じます。
本書では「一般的信頼」という言葉が重要な概念として紹介...続きを読むPosted by ブクログ -
読んで良かった。
安心社会にいる(もしくはいたい)人と信頼社会にいる人(もしくはいたい人)はコミュニケーションの方法が違うものだろうなと思った。Posted by ブクログ -
簡単なまとめは最後に書かれている。
対談という形式になっていてスラスラ読める。
二人が類似しているので、どちらが長谷川真理子さんで、どちらが山岸俊男さんかわからなかった。長年の付き合いの結果だろうか?
思い込みのうち、『Factfulness』にもあったものとして、あちらの方々マインドや、昔は良...続きを読むPosted by ブクログ -
日本社会の特徴を語られる時、集団主義的で和を重んじるとか、閉鎖的な村社会だとか、言われることが多いように思うけれど、体感として、そんなことはないような気がしていて、和を重んじると言われる割には、他者に厳しいと思っていた。一方で、物を落としても戻ってくる世界的にも珍しい国だとも言われていて、それは確か...続きを読むPosted by ブクログ
-
2020.46
めちゃくちゃおもろかった。。
・日本は安心社会。
・安心社会は信頼能力を育まない。
・日本人は元来個人主義的。Posted by ブクログ -
ここのところ山岸俊男さんの本を3冊続けて読んでいるのだけれど、それは社会心理学者の山岸俊男さんが観る社会の景色を共有したいとおもってからだった。
でも、山岸さんの本はかつて読んだ記憶があるのだが、専門的で重厚で立ち向かうのに苦労した記憶があった。
この本も、そして数日前に読んだ『リスクに背を向け...続きを読むPosted by ブクログ -
COVID19をめぐる政府方針や社会的な雰囲気の影響で、社会心理学に興味を持った。この本が出版された1999年から果たして、どれだけ社会は透明性を発揮し、個人は一般信頼性を獲得したか。21年後に読んでも示唆に富む内容だった。Posted by ブクログ
-
混同しがちの安心と信頼は意味が違うがともに社会が効率的に運営されるために必要。逆に言うと不安は社会の進歩を阻害する要因になる。Posted by ブクログ
-
このような考え方は、古代エジプトやシュメールなど古代都市においても使われていたように思われる。村社会から都市に移ってきた人が感じることは普遍的なのであろう。Posted by ブクログ
-
欧米諸国は契約社会とされるが,意外にその内容は細かくない気がしていた。一方,我が国では最近,取り決めが煩雑で良く言えば緻密,悪くいえばおせっかいな部分が多いと思っていたが,著者によると同族同士の安心感はあるものの,自らが属しているコミュニティの「外側」を信頼することは不得手であるという。何となく今ま...続きを読むPosted by ブクログ
-
世の中には、閉鎖的な安心社会と、商取引から発展した信頼社会があり、それぞれが異なるモラル体系を作り上げたと論じる。2つのモラル体系は全く対立するものであるため、グローバル化が進んだ信頼社会においては、安心社会に基づく武士道の精神を持ち出すのは有害であると断じている。
教育で知識を教え込むことはでき...続きを読むPosted by ブクログ -
社会心理学者と進化生物学者の対談。話がかみ合っていて、内容は結構深い。逆説的なタイトルは、集団内で問題を起こさないようにするネガティブな協調性として取り上げているようだ。理念ではなく、客観的事実に基づいて政策決定することを主張する最初の章は読みごたえがある。
多産か少産かの戦略の違いは、その生物の...続きを読むPosted by ブクログ -
安心と信頼は似たように解釈される言葉だが、両者は大きく異なることが書かれています。放送大学の社会心理学で紹介されていたので読んでみたのですが、とても深い内容でした。
今の時代的な話しもそうだし、マキャベリズムなどの話しもあり性善説と性悪説的な解釈についても現代的な解釈ができそうで、これを読んだ後に最...続きを読むPosted by ブクログ -
氏曰く、日本人の「和の心」とは、他人の気持ちになって、互いに協調しあう関係を好むというよりは、
周囲からどう思われるかを気にして、まわりとの間で波風を立てないようにビクビクすることだと指摘しています。
かなり日本人の行動原理の本質に迫った指摘です。
人に嫌われることを極端に恐れ、嫌われないないよう...続きを読むPosted by ブクログ -
複数の方たちが「この本は重要な本だ」とおっしゃるものですから、私も読んでみようと思った次第ですなのですが、いやー、これは確かに重要な本です。
私の実感ベースでも社会心理学のアプローチで切り込んだ山岸先生の日本人論、日本組織論には大いに共感、納得するところ大です。俗論を真っ向から覆すところ大ですが。
...続きを読むPosted by ブクログ -
ふたつの驚き!日本人は個人主義!そして他人を信頼していない!単なる意見ではなく、データに基づき解説されているのでグウのねもでない。
「ムラ」社会に基づく「安心」社会、他人を信頼するところから始まる「信頼」社会。クローズ社会とオープン社会とも言えるかな。
現実的に起きている事象、ニュースレベルから個...続きを読むPosted by ブクログ -
なぜテレビやネット上で異常なまでに曝し上げが行われているか(精神面ではなく社会面で)分かった。今の社会はまさに「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」で、このままでは悪循環だが巧く改革すれば良い循環にもなると感じた。個人的には「アメとムチ」に対して詳しく解析してある文章がためになった。Posted by ブクログ
-
最後のジェイン ジェイコブスの『市場の倫理 統治の倫理』が紹介されてましたが、商人道と武士道に対比されるこれら二つのモラル体系は、混ざると、救いがたい腐敗をもたらすとされている点がもっとも驚かされた。
最終的には、何をやってもかまわないという究極的な堕落を産み出すことになってしまう。
内部監査と...続きを読むPosted by ブクログ