白石隆のレビュー一覧
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名著だと思います。
イギリス帝国がアジアにどのような秩序をもたらそうとし、それはどのような帰結を生んだのか。分かりやすく記されています。戦後はアメリカが東アジア〜東南アジア地域に強い影響力を持ち日本を軸に「海のアジア」と呼べる地域を繋げる意図を持っていましたが、基本的な発想はイギリス帝国と大きく変わ...続きを読む -
東南アジアの歴史を帝国主義諸国に占領されたあたりから最近までを解説している。自分がベトナムに関わっているので楽しく読むことができた。再読、購入の価値あり?Posted by ブクログ
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東南アジアをシステムとして動態的視点から描き出した良書である。筆者によれば東南アジアとはアンダーソンのいう「想像の共同体」にすぎず、具体的に指し示すことができないものである。なぜなら、タイ史、ベトナム経済史など、東南アジアを構成する数々の国にまつわる諸説をひとまとめにしたとしても、「東南アジア学」と...続きを読むPosted by ブクログ
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元・京都大学東南アジア研究センター教授(現代インドネシア史、現在は名誉教授)、現・政策研究大学院大学教授の白石隆の描く広域海洋地域としての東南アジア近代史。
【構成】
第1章 ラッフルズの夢
第2章 ブギス人の海
第3章 よちよち歩きのリヴァイアサン
第4章 複合社会の形成
第5章 文...続きを読むPosted by ブクログ -
何度も読み直したくなる学術書
というのはなかなかない。
ましてや自分の専門分野以外とくれば。
最初に出会ったのは、
大学3年のとき。
「東南アジア地域研究」という講義でテキストとして使われていた。
上海に3年いた間、
私は頻繁にこの本のことを思い出し、
読みたいと何度も思った。...続きを読むPosted by ブクログ -
本書は題名が「海の帝国」とあるように、アジアを海上貿易面からとらえている本です。またこれは後書きを読んでわかるのですが、メインは東南アジア地域を俯瞰的、歴史的に分析して共通性や相違性を解説していると言うことで、日本や中国、朝鮮については記述が薄くなっています。ラッフルズのシンガポール建設など基本的に...続きを読むPosted by ブクログ
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東南アジアの歴史についての本。王政が敷かれたタイ、スハルト体制下のインドネシア、アメリカから議会政治が持ち込まれたフィリピンでは、性格が違うことが分かった。東南アジアが、19世紀、帝国主義の名の下に、今のような形になって行ったことも分かり、興味深かった。Posted by ブクログ
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近代の東南アジアに現れた地域システムを追うことで、今後のアジアについて考える本。寄港地に東南アジアが多い今年の遠航の頭に読めてよかった。
シンガポール建設者でもあるラッフルズが提言した中国人を警戒した東インドの自由貿易帝国と実際の中国人を協力者とした東アジアの英帝国が違ってしまったこと。
ブギス人の...続きを読むPosted by ブクログ -
東南アジアの歴史から紐解き、日本がどのようにアジアと接すべきかを論じた本。この本もITSの大先輩に進められて読んだ。
19世紀初頭のラッフルズのシンガポールを含めた新帝国の夢から始まる。
今あるアジアの地域秩序のシステム的な安定を図り、そのもとで日本の行動の自由を拡大していくことが結論としている。...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
「海のアジア」、それは外に広がる、交易ネットワークで結ばれたアジアだ。
その中心は中国、英国、日本と移ったが、海で結ばれた有機的なシステムとして機能してきた。
世界秩序が変貌しつつある今、日本はこのシステムとどうかかわっていくべきか。
二世紀にわたる立体的歴史景観のなかにアジアを捉え、...続きを読むPosted by ブクログ -
・出だしはラッフルズの伝記かなにかかと思わせる感じだけど,ちゃんと読み進めると,アジアの覇権と秩序のあり方についての優れた論考になっている.
・日本の戦時中の行動については,ちょっと言及を避けているようなふしもある(第5章と第6章の間で時間が飛んでいる感じがする).Posted by ブクログ -
日本が19世紀後半に明治維新を経て近代化した時期に、東アジアにおいても秩序の変化が起こり、従来の「まんだら」型の「国家」(と呼べるものかは分からないが)関係から、ヨーロッパが持ち込んだ近代国家(リヴァイアサン)へと変貌を遂げていた。
そして、人々の「文明化」は人々の意識を変え、1910年代後半から1...続きを読むPosted by ブクログ -
海の帝国とは、もともと東南アジアを中心にあったアジア的な秩序(まんだら)をそこに行きついたラッフルズをはじめとする西洋近代諸国が国際分業体制の中に取り込んでいくうえで構想した非公式帝国のことである。ここで使われる概念に関しては、エマニュエル・ウォーラ―ステインの世界システム論におけるものが使われてお...続きを読むPosted by ブクログ
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アジア、というか主に東南アジアを軸にした歴史書というか教科書というか。構成の面で、作者が言いたいことが見事に表現されていると思う。
特に戦後におけるタイ、インドネシア、フィリピンの近代国家への歩みの中での類似点、相違点の比較は興味深かった。Posted by ブクログ