小林信彦のレビュー一覧

  • 素晴らしい日本野球
    発語訓練」改題。パスティシュものの嚆矢で、想像力の暴走が楽しい。フラナガン物が秀逸。初出の「ブルータス」から注目。奥の細道」や唐獅子源氏」につながる。まねて「シンポジウム制服」として大学の学部学科内容紹介を兼ねて、各科で制服の意味を論じるという作品を書いた。「カノッサの屈辱」に通じるものがある。
  • 怪物がめざめる夜
    「私」とミスターJとの同性愛関係を疑っていた愛人が、死んだはずのミスターJの影に怯えて精神を病みそうになる。それを阻止するため「私」は愛人とアナルセックスを試みる…わかったようなわからないような、馬鹿馬鹿しく人を食ったオチが気に入った。
  • 素晴らしい日本野球
    それまでのくすぐりを散りばめたお楽しみ箱だったり、思いの滲み出る東京物語だったりとは違って、虚構世界の構築ぶりが好事家にはSFである!ってカテゴライズされそうな新ジャンルの小林信彦だった\(^o^)/
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか
  • 世界の喜劇人
    今や古典とよべる名著。小説家・評論家小林信彦氏のデビュー作と言ってもいい原点の作品。彼の涙ぐましい努力によって「マルクスブラザース」は甦ったと言っても過言ではない。「お笑い」とか「面白」とかを語るんであれば、最低限読んでおかねばならないテキストである。
  • 紳士同盟
    大学入学後数年の間に買うだけ買って読まずに放っておいた文庫本のうちの二冊。両方とも古本だが、『紳士同盟』の方、今はなき江古田青柳書店の店主の手癖による値段が残っている。竹島書店、いいお店だったなぁ。

    今更こうした本にコメントを記すといるのもちょっと恥ずかしい。

    「コン・ゲーム」という言葉が小説の...続きを読む
  • 栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック
    ビブリア古書堂の事件手帖で扱われた作品の抜粋集。作品のいくつかはビブリア古書堂の事件手帖で扱われなければ再販すらされなかった作品もある。この巻は冒頭だけのものもあれば、丸ごと載っているのもある。ただどんな内容かを知りたいならば、いいだろう。
  • 私の東京地図
    「東京」というけど、皇居の西と東、江戸・戦前・戦後、住んでるか仕事場か・・・人により全然違うもの。
    そして、時代を現代にソートしてみても、メディアで一括りに語られる「東京」と、個人的な「東京」もまるで違う。僕の好きなJリーグでいえば、FC東京もあれば東京ヴェルディという東京を冠した2チームはバチバチ...続きを読む
  • 栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック
    『ビブリア古書堂の事件手帖』に登場する本の原文が集められていて、いろんな本の入り口として触れるにはとても良い本でした。

    普段詩を読まないので寺山修司や木津豊太郎の詩を読めたのと、意外と読まないシェイクスピアに触れられたのがよかったです。
  • とりあえず、本音を申せば
    高島俊男さんが
    「小林信彦さんはおもしろいねぇ」
    としみじみおっしゃっていたことを
    思い起こす。

    2020年の世相を小林信彦さんの
    視線、感性で綴られておられる
    「週刊文春」の名コラム集

    少し前のことであるのに
    なんだか ずいぶん遠い昔にあった
    ことのように感じてしまう
    それだけ 世の中の出来事...続きを読む
  • 日本橋に生まれて 本音を申せば
    細かい感想と評伝がたくさんあって、それがおそらくもうあり得ないくらい遠くて、でも今につながっている。昭和が遠い。昭和は長い。平成は昭和の半分、令和もそろそろ5年。
  • 生還
    大病された事を知らず、タイトル買い。「怪人オヨヨ大統領」書いた方が!後遺症無く、 文を書けるように戻れて良かったと感じました。
  • とりあえず、本音を申せば
    いろんな人のエッセイ読んだけど、一番コロナについて(政治批判も含めて)書いてあったわ。
    安倍嫌いは相当のもの。うなづける部分も多々あり。
    そして著者の交友関係の広いことにも驚く。
    なんと江戸川乱歩の葬式に出たとか(一緒の時代を生きてたのに驚いた)私の好きなえみちゃん(上沼恵美子)のことも褒めてるし、...続きを読む
  • 素晴らしい日本野球
    10の短編それぞれで、少しずつ違った手法で著者を笑いに引き込みます。
    ただ、その方法がときに実験的過ぎ、また元々かなり難度の高い(マニアックな)パロディを得意とする人だけに、何処まで付いて行けたのかが気にかかるほどの作品です。
    「素晴らしい日本野球」には別の思い出がある。日本通を気取るフラナガ...続きを読む
  • 怪物がめざめる夜
    年末の大掃除で、我が家で“発掘”された“積ん読”本を読んだ。面白かった。
    買ってすぐ読んでいたら、より面白かっただろうなと思う。
    HP・メール・ツィッター・Facebookを誰もが利用する現代で、もし、この物語が展開されたら、もっともっと恐ろしいことになる……。
  • 怪物がめざめる夜
    ホラーのカテゴリにしてしまうと、構えてしまうかもしれない。この本を初めて読む人は、そこまで構えなくてよい。ワタクシの場合「純文学書きおろし」という宣伝文に完全にだまされたクチである。

    放送作家とジャーナリストが「架空の怪物」を作り上げていき、それが本物になり、作った当事者を襲い始める。怪物は架空の...続きを読む
  • 伸びる女優、消える女優
     舞台や映画関連の仕事と関わりが深くなってきた昨今、本書のタイトルを目にした瞬間「これは面白い視点の本のようだなぁ」と購入を瞬決した一冊。女優論を展開した本だとの思いがあったわけだが、購入して見ると、この文庫、週刊文春に連載されていたエッセイ49編に女優を巡って品田雄吉と行った対談、それにタイトルと...続きを読む
  • 森繁さんの長い影
    4年前の週刊誌連載のクロニクル。4年前に民主党の政権獲得が有ったのは覚えているが、新型インフルエンザのことはすっかり忘れていた。同じ話題の繰り返しと、ぼやきが多いのが少し気になるが、このシリーズが、当分の間読めるのはうれしい。映画と喜劇に関するこの人の目利きぶりは、相変わらず凄い。
  • 素晴らしい日本野球
    今でも笑いたい時にはこの一冊に手が伸びる。カルチャーギャップ・コメディを装って、実はナンセンス・コメディの極北まで吹っ飛んで行く表題作が最高だ。初読の時は余りの可笑しさに机を叩いて笑い続け、家人から心配されたほどだった。この手の作品の常として、今、読むと状況が古くなっている部分はあるが、それを差し引...続きを読む