岡本綺堂のレビュー一覧

  • 岡本綺堂 怪談選集(小学館文庫)
    「想像力が乏しい読み手」なので怖さはわからないんだけど、美しさはわかる。
    静かに美しい。
    選集だから当然だけど欠けている分を読みたい。元の本で読みたい。
  • 岡本綺堂 怪談選集(小学館文庫)
    秋来ぬと…、などと感じた今日なのに、「夏に読みたい珠玉の13篇」なんてものを見つけちゃった。見つけちゃったものはしかたない、今晩読んでしまおう。私の「好きなタイプ」の怪談ばかり。
  • 三浦老人昔話

    100年近くも前の作品なのに

    岡本綺堂のやや怪奇味を帯びた作品が入っている短編集である。明治初期から中期に幕末頃の話を聞きがたりする という体裁を取っているため、幕末と明治初中期の風俗をともに知ることができる。驚いたのは100年近くも前の作品なのに、江戸言葉のテンポの良い語り口で、さして引っかるところもなくスラスラと読めることで...続きを読む
  • サンカの民を追って
    様々な角度から描かれる漂流の民、山窩。古いものから新しいものへ変わる時代の中で、何か大切なものを置いてきたような感覚にさせられる。
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二
    古典的な怪談たる怪談。
    派手さはないが、妖しい雰囲気と語り口の品の良さが心地良い。
    ただ、折角百物語調の導入をつけているのだから、何か全体でのオチが欲しかった。
  • 半七捕物帳―江戸探偵怪異譚―(新潮文庫nex)
    「雪達磨」「お文の魂」「山祝いの夜」「筆屋の娘」
    「勘平の死」「槍突き」「少年少女の死」「津の国屋」の
    八篇。
    時代ものを書くときは、仕事の前に必ず『半七』を読むといった宮部みゆきの編である。
    文政6年(1823年)生まれの江戸の岡っ引き半七。
    明治時代の新聞記者の「わたし」が半七老人に話聞きだすと...続きを読む
  • 半七捕物帳―江戸探偵怪異譚―(新潮文庫nex)
    事件の中身も動機もお縄になった犯人たちの末路も陰惨ながら、語り口や半七親分のさっぱりとした気質や描かれる江戸の風俗の洒落た感じから、古さに新鮮さが乗っかり小気味良い読書体験ができた。
  • 近代異妖篇 岡本綺堂読物集三
    文明開花の世の中、その影、人たちが古い因習に引きづられながら新しい世を戸惑いながら迎えている心情が伝わってきて、当時の人の心が伝わる。
  • 近代異妖篇 岡本綺堂読物集三
    幕末、明治、関東大震災直後…時代の空気が濃い怪談集。
    こういうのがいいんだよなぁ…。
    中央西線から長野へむかう旅行の途中で読んでいたけれど、奈良井のあたりを通った時に、ちょうど奈良井を舞台にした話にさしかかっていた。
    それを含めていい読書体験。
  • お住の霊
    今年生誕150周年を迎える綺堂のアンソロジー。
    今回、初復刻となる「五人の話」は、あの話やこの話の原形だったんだな~、と。この話のこのネタをベースにアレンジを加えてのちの作品としてブラッシュアップされたんだなって気配が感じられて興味深い作品群でしたね。
    上記に加えて、戯曲、随筆、年譜と内容充実。
    ...続きを読む
  • 月の夜がたり
    落語家が空き家を探すあいだに遭遇したおばあさん。初めて出てきたシチュエーションではすわ、のっぺらぼうかと身構えてしまったが、なんのことはなかった。
  • 探偵夜話 岡本綺堂読物集四
    一見怪奇な事件に思えるけれど、それなりの理屈を付ければきちんと解決のできる、しかしやはり奇妙な読み心地の物語を集めた短篇集。どれもが奇妙で不気味で、そして魅力的です。
    お気に入りは「椰子の実」。シンガポールで起こった奇妙な事件の物語。ミステリとして考えられそうだけれどまったくもってどういうことなのか...続きを読む
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二
    古き良き怪談。
    そうそう、こういうのが良いんだよ。綺麗事で終わらせない、不思議は不思議と割り切って読むと、一つ一つの作品の余韻が感じられる。
  • 玉藻の前
    九尾の狐、玉藻の前伝説と平安時代末期の藤原氏の身内争いを上手く結びつけている。千代松との恋愛を絡めたところは物語の単なる妖異さだけてはなく、悲哀さを加え、物語としての話の厚みを増す。
    最後に、石の中で2人は穏やかに過ごせたのであろうか。
  • 半七捕物帳―江戸探偵怪異譚―(新潮文庫nex)
    横溝さんの人形左吉は読んでいたけど、岡本綺堂さんはハードルが高くて読まなかったのですだ。
    激しく後悔!
    今、読んでも遜色ないです。
    先ずは青空文庫からかな。
  • 三浦老人昔話 岡本綺堂読物集一
    ふとしたきっかけで陥ってしまう狂気と、それに巻き込まれる理不尽。とても異様に思えるのに、それを自然に描いてしまうとこが怖いのですが、そういうものに自分が行き合ったら普通の反応しちゃうのものなのか。

    時代小説って…宮部みゆきかしゃばけか壬生義士伝しか読んだことないと思うのですが…武士と町人の普段のく...続きを読む
  • 近代異妖篇 岡本綺堂読物集三
    「鬼談」や「奇談」を集めた短編集。当然カテゴライズするならそのどれもが「怪談」にはなるのですが。恐ろしく感じるもの、少し不思議に思うもの、様々です。
    お気に入りは「水鬼」。因縁の物語もさながら、絡みつく幽霊藻のビジュアルがイメージとして思い浮かぶと、美しく感じると同時にぞっとさせられます。そして呪い...続きを読む
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二
    ひっそりとした恐怖と不可思議が存分に感じられる怪談集。恐ろしい因縁のあるもの、その逆にはっきりとした因縁のわからないもの、いろいろありますが。どれにもぐぐっと惹き込まれます。
    お気に入りは「清水の井」。怖くもあるけれど、ひどく幻想的でなんとも美しく思えた物語でもありました。
    一番恐ろしく思えたのは「...続きを読む
  • 怪獣 岡本綺堂読物集七
    岡本綺堂読物集。この巻で最終との事。

    今回は、動物や道具を媒介に、異界と交わるものたちを描いた好評妖異譚ということで、数々の不思議で少しゾワっとする話を堪能させて頂きました。
    個人的に「経帷子の秘密」「深見夫人の死」が印象に残りました。
  • 女魔術師
    日経の書評で星5つだったので、久しぶりに読んでみた小説ですが、なかなか面白く読み進められた。いい歴史小説でした。
    「山のお客様は気が暴いと一口に云うけれども、彼らは罰もあれば利生もある。憎まれたら怖ろしい敵になると同時に、可愛がられたら頼もしい味方になってくれるのが彼らの習いである」p209