坪内祐三のレビュー一覧

  • 禁酒宣言 ――上林暁・酒場小説集
    全てお酒に関する短編私小説です。家族が困ろうと、お金が無くても、お店の女性に何度冷たくされても毎晩宿酔する様は情けないを通り越して、変に感心しました。この時代の作家には味が有ります。
  • 人声天語
    ニートな若者たちに告ぐ、というタイトルのコラム中の文章
    「各メディアでのニートという言葉の取り上げ方の多さ。そこに私はうさんくさいものを感じるのである。本末転倒な気がするのである。何か未知なものを調べていって、その結果得られた言葉(概念)ではなく、とりあえず先にキャッチーな言葉を作って流通させてしま...続きを読む
  • 玉電松原物語
    表紙でおおと思った。そうそう、松原駅。話からするとわりと後の方の絵。自分の知っていた町の話。牧場の後のあたりからは記憶にある。猫の集会を除きに行く話とか、風景が区画整理前で泣きたくなった。
    坪内祐三さんなくなられていたのを知らなかった。
  • 玉電松原物語
    昨年(2020年)亡くなった著者が直前まで雑誌に連載していたエッセイ。小中学校時代を過ごした世田谷区松原辺りを、ゆるく回想している。昭和の世田谷は、のどかだった。
  • 最後の人声天語
    本当に突然亡くなられたことが
    ギリギリまで掲載されていた
    原稿でわかる。
    きっとご本人もまだ夢の中。

    論調は決して好きなほうではないけれど
    取り上げられている題材が興味をひく。
    そんな評論家さんでした。
  • 文藝春秋2021年4月号
  • 玉電松原物語
    自分自身が今住んでいる世田谷の戦後すぐあたりから
    今までの風景や文化が書かれている本。
    私は、世田谷出身でも東京出身でもなく
    この物語の記載されている著者の年代と
    同じころの自分は、もっと田舎にいたので
    逆に、風景が似通った部分があるような
    気がしました。
    やはり数十年というのは、あっという間のよう...続きを読む
  • 新・旧銀座八丁 東と西
    私にとっての銀座と重なる部分はそれほどないが、例えば「伊東屋=百貨店」など、初めて知ったことがたくさんあった。
  • 新書百冊
    【ノート】
    ・引き続き読書ガイドだが、実はこういう「必読書◯◯選」みたいなものが昔から好きだ。中学の頃、OUTというサブカル雑誌に高千穂遙というSF作家が書いていたSFガイドが自分にとってのSF読みの始まりだった。そこで取り上げられていた本を読み進め、また、「初心者を卒業したらハヤカワ海外SFノベル...続きを読む
  • 白鳥随筆
    するする読める白鳥の随筆集。面白かった!
    明治後半~昭和初期にかけての、白鳥の視線から見た文壇(+出版社)の動向回顧が興味深い。文学だけでなく新派や歌舞伎、美術など芸術全般に対して貪欲に吸収しつづけた白鳥、でもどこか一歩引いたところから物事を眺めているようなニヒルなスタンス。どの随筆も媚びた感じのし...続きを読む
  • 白鳥随筆
     随筆を通して、正宗白鳥の好きなもの、嫌いなもの、価値観、思考、そんなものを追える。だいたいニヒル、時々ぐっさり、結構流されやすいというのか、ごりごり頑固ではない印象。やっぱり変わり者とは確信する。
     自分の作品や生き方に自信や誇りはなく、でもそれを卑下しながらもすーっと書いてるから、驚きながらも読...続きを読む
  • 羊頭狗肉 のんだくれ時評65選
    シリーズ6作目。相変わらずの薀蓄合戦が面白い。
    ただし、明らかな記憶違いがあるので、編集の段階でもう少し手直しをしてほしい。
  • 昭和の子供だ君たちも
    私は昭和37年生まれ。この本によればどのカテゴリーにも属していないが、結構知っているエピソードが多かった。
  • 新書百冊
    ブックガイドとしての役割を期待して手に取った本…だけどこれ、紹介されてるのが基本的に古い。今も手に入るの?的なものもたくさんあるし、少なくとも自分が期待してた内容とは程遠かった。既に十分な読書量があるとか、文学系の仕事しててとかだとこれくらいが良いかもしらんけど、少なくとも自分のニーズには合わなかっ...続きを読む
  • 人声天語
    氏を知ったのは『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 』で、この一作で私にとって気になる作家になったのだが、やはりこのコラム集でも、切り口・眼のつけどころが鋭く、そして読みが深い。
  • 新書百冊
    [ 内容 ]
    一人の青年の燃える向学心に数々の新書がいかに応えてくれたことか―。
    富士正晴『中国の隠者』、児島襄『東京裁判』、金関寿夫『アメリカは語る』、山口昌男『文化人類学への招待』、名取洋之助『写真の読みかた』などなど、この知の宝庫に分け入り、次々と読破した若き日々…。
    好きな本・凄い本・お得本...続きを読む
  • 人声天語
    6年分の連載コラムを一冊にまとめたもの。私は、著者より五つ下の学年なので、子どもの頃、重なる経験もあるけれど(例えば街中で見た傷痍軍人)、そうでないところもあるのが興味深かったです。
  • 新書百冊
    坪内史学の底流が分かりますね。「カルチュラル・スタディーズ」の認識が間違ってるんじゃないの? って思うけれど、それ以外は面白く読めました。坪内学の好きな人は必読ですね。ただ、ここに挙げられている本は、ぶっちゃけ古い。
  • 文藝春秋2023年9月号

    秋篠宮家の娘たちの擁護記事

    どんな内容かと思って購入しましたが、A宮一家の娘たちがいかに大変で悲壮感たっぷりで辛い目に遭っているかという話がつらつら書かれていただけでした。残念です。皇族の方々が並々ならぬ重圧の中で役目を果たしてくださっているのは最もですが、この一家の人々と他の皇族の方々を並べて語ることは許せません。やたらと、...続きを読む