黒野耐のレビュー一覧
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「たられば」で歴史を論じても意味がないと考えるのはおかしなことだ。だって歴史から教訓を得るためには必要条件でしょ?
この本は、果たしてどのような選択をしていたら、日本はアメリカと開戦せずに済んだか、ということを研究している。どうやればアメリカに勝てたかということではなく、勝てないとわかってい...続きを読むPosted by ブクログ -
戦争遂行において中心となった陸軍参謀本部と、その人材教育を担った陸軍大学校について書かれている。
いかに戦前日本の軍事システムは未熟であり、太平洋戦争が無謀な戦争であったのかが分かる。ここで指摘されている組織の欠陥、教育の欠陥は現代日本でも指摘されており、勉強になる一方で、全く変わっていない現状に...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
日露戦争に勝利した新興国家はなぜ破綻したのか。
組織の欠陥と無定見な教育に敗戦の真因を見出す新史観。
[ 目次 ]
第1章 山県有朋の参謀本部
第2章 幻となった統合参謀本部
第3章 陸軍大学校とメッケル
第4章 参謀本部の初陣―日清戦争
第5章 問われた陸大の真価―日露戦争
第6章...続きを読むPosted by ブクログ -
日本はなぜ太平洋戦争へと突き進んでいったのか?陸軍、関東軍の暴走というのはよく言われている。ではなぜ陸軍がそうなってしまったのかを、陸軍の士官を養成する陸大の教育の分野から問い直している。その対象は広く、陸大・参謀本部の成り立ち、関係性や海軍、政府との関係について詳細に説明されている。また私が今まで...続きを読むPosted by ブクログ
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なぜ日本は無謀だとわかっていた太平洋戦争を開始してしまったのか?
内閣と陸軍の分裂、陸軍と海軍の分裂、参謀本部と陸軍省の並列関係、陸大の「総力戦」学軽視、という組織や教育の側面から説明した力作。
戦前の軍の状況はあまり知られていないが、首相は大本営メンバーではなかった、陸軍大臣は参謀本部長よりも格下...続きを読むPosted by ブクログ -
旧日本陸軍の参謀組織とその人材育成の視点からの簡単な通史。いたずらに悪者探しではなく読みやすい。政軍に通じた人材を育てられなかったのが致命だったと言うことか。Posted by ブクログ
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陸軍大学校の話を十分にからめきれていないと思いましたが、
参謀本部の成り立ちの裏に夥しいほどの欲望が渦巻いていたことが感じ取れました。
どんな組織・機構も政治力学から逃れることは出来ない。
政治に長ける人が得をする。
どこもかしこも、
ずっとそういうものなのだということを、
悲しい...続きを読むPosted by ブクログ