神田茜のレビュー一覧

  • 母のあしおと
    良い小説だったなあ。ラストは目頭が熱くなったよ。道子の人生を遡っていく構成がいいぞ。しかも、全てが理に落ちる(こんな経験をしているから、あんな性格になったのか、など)こともなく、人間を人間らしく描いている(息子の婚約者にあんなに辛く当たるのは自分がそうされたから、というわけでもなさそうだし)。他のも...続きを読む
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    30年前の若かりし頃の自分と今の自分を比較する。
    若い頃は目の前に見えるモノしか見えていない。
    お金もないしお腹もすぐに減るし世の中を巧く渡る知識もない。
    プライドだけは高く劣等感にいつも苛まれている。いつかきっと、と夢の明かりを常に灯しながら。

    同年代の女友達と共に過ごしたオンボロアパートでの暮...続きを読む
  • ぼくの守る星
    ディスレクシア(読字障害)を持つ中学生男子、夏見翔と、その周りの人たちの、6つの物語です。
    困難を抱えて一生懸命生きている翔、息子を懸命にサポートしようとするお母さん、それぞれの問題を持つクラスメートたち。

    内容はけっこうヘビーというか、それぞれの人が抱えてるそれぞれの問題がけっこう深刻なのですが...続きを読む
  • ぼくの守る星
    みんな懸命に生きているのだと思いました。懸命が故、噛み合わないもどかしさも感じました。章ごとに語り手が代わり、色んな登場人物の悩みや心情がわかります。物語を通してそれぞれが殻を破っていく様子がいいです。最終章で作品名に辿り着いた時、ほっこりしました。素敵な作品です。
  • 七色結び
    主婦がある日アイドルに恋をする。
    その思いが日々のエネルギーに変わるのわかる。
    全然知らないPTAの世界の大変さもわかった。
    とにかくおもしろくて止められず一気に読んだ。
    水引の内職もやってみたい。
  • ぼくの守る星
    中学生の翔とその友人や家族の物語。
    人は皆不完全でどこか哀しいけれど愛おしい。
    読んでよかったです。
  • ぼくの守る星
    難読症を抱える中学二年生の翔と彼を取り巻く親や同級生の、それぞれの悩みと希望を描く連作小説。
    生きていくってことは、子どもも大人も男も女も辛いことなんだ。自身のコンプレックスに家庭の事情、社会的立場や組織内の立ち位置など、どんな人も悩みは尽きない。本作に登場する人々は、みんな前を向いて歩いている。止...続きを読む
  • ぼくの守る星
    ディスレクシアという読み書きが困難な障がいを持つ中2の主人公。その家族と、クラスメイトをとりまく連作短編。
    軽い内容ではないし、実際すごく大変なんだろうけど、テンポよくさらりと読ませてくれる。
    でも心に残る。よかった。
  • 女子芸人
    悲喜交々の芸人人生、挫折も苦悩も芸の肥やしにして逞しく成長していく女芸人”琴音”のコッテコテにエネルギッシュな生き方は清々しささえ感じました。
    華やかに巷で活躍する女子芸人も多い昨今ですが皆さんもこうした世界に揉まれているのでしょうね・・・
    その世界で生きてきた神田茜師匠だからこそ書ける渾身の一冊だ...続きを読む
  • 女子芸人
    講談師、神田茜の小説2作目。
    第6回新潮エンターテインメント大賞を受賞。

    琴音は就職しても続かず、ふと入ってみた話し方教室で教わった漫談家の平(たいら)の凡師匠に感銘を受け、弟子入りする。
    平のコトリという名を貰う。
    師匠の鞄持ちばかりしていたが、司会者紹介事務所に所属してから、司会の仕事も増やし...続きを読む
  • 七色結び
    ほっこり日常系のお話
    主人公が明るくて前向きで、アイドルまさきの歌う歌の歌詞が面白すぎてサクサク読めた。
    あまり考えずにゆる〜く読めるのが魅力かな。

    主人公がひょんなことからPTA会長をやることになってしまうんだけど、あまり折り合いの良くなかったママさんに仕事を振って、頼りにしていることをアピール...続きを読む
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    就活のため、初めて東京に行き、下北沢に観光しに行った。帰りに神保町に寄り見つけた本である。タイトルに惹かれ、即購入。
    何気ない過去の日常。友達との出会い、交流そして疎遠。そのような日常が楽しかったと思える日はいつか来る。なのでそのような思い出を作っていきたいなと強く感じた。
  • 母のあしおと
    道子という女性の人生を辿る物語。
    人生を「逆」からたどってみたら、母の私も娘の私も女の私も悪くない。
    それぞれの視点で見ると違ったふうに見える。
    平凡なお母さんなんてきっとどこにもいない。

    とても興味が湧いて、自分だったらどう見えるんだろうと考えてしまった。
    母で人生を終えるのかもしれないが、娘で...続きを読む
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    下北のパン屋「アンゼリカ」。かつてそこでバイトしていた二人。30年ぶりの再会。あの懐かしく、若く、無責任だった、けど、それなりに一所懸命に生きていた日々を思い出す。

    タイトル通り、ノスタルジーの塊です。私も下北に通っていたクチなので、とても懐かしいです。今の、変わってしまった駅前は、下北とは思えま...続きを読む
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    初読み作家さん。
    まさに年齢的にドンピシャなので、色々思い出しながら読みました。
    寮生活や寮を出た友だちのアパートに泊まりに行ったり、くだらないことで笑って怒って落ち込んで。
    銭湯も行ったし、酷いことも人に発してた。
    あれからずいぶん経つけど、あの頃の友だちとはほとんど疎遠になって、それでもいい思い...続きを読む
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    1980年代、バブル真っ只中の下北沢が舞台にした女3人の友情物語。思い出したのが新橋烏森口青春篇。

    不器用で危うい暮らし。収入は不安定で乏しく、食事も睡眠も不規則不安定、横行する詐欺まがいに引っかかり、男に騙され、それでも夢と若さと体力で毎日を乗り切っていく。

    全力でぶつかった若い日の日々は、実...続きを読む
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    懐かしい気持ちと切ない気持ちが心から溢れ涙を流しました。
    いま一度、青春を振り返りたい中年世代にオススメの一冊です。
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    下北沢が、最も活気があったと思われる昭和の終わり頃。当時、下北沢で、女性専用のコーポ、と言えば聞こえはいいが、安下宿に住んでいた理夏は、バイト先だったパン屋が閉店するということで、30年振りに下北沢を訪れた。そして思い出す当時のこと。これは、理夏と同年代、同じく北海道出身で、服飾専門学校に通っていた...続きを読む
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    1度は挫折した人達の、パン屋アンゼリカを通してちょっとずつ進んでいく話。まさかのラブライブがあるとは思わなかった!
  • 下北沢であの日の君と待ち合わせ
    何て不器用な人たち!
    理夏も秋子もちはるも、
    どの人とも、私は友達にはなれんなあ。

    でも、ちょっと離れたところから、
    不器用な友情をみていたかった、いつまでも。

    そんなこと無理だとわかっていても。