日高敏隆のレビュー一覧

  • チョウはなぜ飛ぶか
    アゲハチョウはなぜその様に飛ぶのか?という疑問から始まった研究。観察、考察、実験、失敗を繰り返し新たな疑問がまた湧いてくる。その過程をこの本ではユーモアを交えて非常にわかりやすく書かれていて、探究心を持ち続ける大切さを教わることができた。

    巻末のエッセイも素晴らしくて日高先生の言葉に感銘を受けたの...続きを読む
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
     興味深い本でした。わたしが読んだ本は,1976年発行の単行本。
     ずっと前に古本屋から購入して本棚にあったのだけれども,やっと読んでみた。
     ローレンツのこの本は,大学で学んだ教育心理学の時に知った著作なので,出会いはずいぶんと古い(40年以上前)。「動物行動学」「比較行動学」という学問を世に知ら...続きを読む
  • 生物から見た世界
    それぞれの生物が見ている世界は同一の環境ではなく、それぞれの生物が主体として作りだす"環世界"であるという考え方。

    すごく新鮮で面白かった。
    生物が捉えてる環世界について、いろいろな実験が挿絵付きで紹介されていてとても興味深い。
    生物学的な評論なのかな?と思ってたんですが、生物学的もさることながら...続きを読む
  • 生物から見た世界
    環世界という概念。当然のことを言っているのかもしれないが、改めて色んな動物の世界の見え方をイメージしてみるととても面白い。
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
    筆者の動物愛がものすごく、本に収録されているエピソードが全て面白い。
    古い本のため現在の生物学的に間違った記述も結構あるようで、注意が必要。
  • 生物から見た世界
    生物(主体)は自分が持つ感覚器で世界を捉え、作用器で世界を変化させる。外界の物体(客体)は生物からの作用によって変化させられ、その結果生物に与える作用を変化させる。この環状構造を環世界と呼び、全ての生物がそれぞれ固有の環世界を持っているという。
    感覚器の空間方向の分解能(例えば視力)によって世界の捉...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    初めて日高先生の著書を読みました。
    「面白い」より「興味深い」という言葉がぴったりな本でした。
    10のエッセイと御退官時の講演を読み、考えることができます。

    意味が深すぎたのか一度では私の理解が追いつかず、何度も読み返す文がありました。それでも噛み締めるうちにじんわり染み渡ってくる、そんな内容です...続きを読む
  • 生物から見た世界
    見ているものは同じでも見る人が違えば、見ているものの意味が違う。感じ方が違う。ということを思うと、正解探しはナンセンス。それが環世界
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    ・5度と30度?の気温の高低差の中で実験が成立するということ。両方が必要なんだ、という話が感動的だった。
    ・論理的に筋道立ててあとから説明することはいくらでもできる。人前で発表するならそうなるかもしれない。でも実際はふとした思いつきから入ってやっていく。それの方が自然だなと自分の感覚として思った。
    ...続きを読む
  • チョウはなぜ飛ぶか
    題名から飛び方とか仕組みの本なのかなと思って読んだが想像とはちょっと違ってた
    チョウ道のことは知らなかったのでおもしろかった
    うちにもベランダにレモンの木があって、数年前から春にアゲハの芋虫がつくようになったのだけど、屏より背の低いレモンの木にどうやって気がつくんだろう?ととても疑問だったので、そう...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    生き方はひとつじゃない、自分にとって生きやすい生き方でいい。
    そのために、色んな生物の生き方から学んでみる。

    人間以外の生き物の視点を参考に、人生の選択肢を広げてみる。
    〝こんなふうに見てごらん〟

    生きるって大変なこと、だから、つい人間はなにかに頼ってしまう。
    科学とか、神とか、宗教とか、時には...続きを読む
  • チョウはなぜ飛ぶか

    蝶は飛び、ヒトは歩く

    子どもの頃、ぼくはいわゆる昆虫少年で、昆虫採集に明け暮れていた。小学校の高学年になる頃には、蝶ばかり、それもアゲハ科の蝶ばかり追いかけていた。ちょうどその頃、この本が出版され、ぼくの本棚にやって来て図鑑の隣に収まった。
    残念なことに当時のぼくは、この本の面白さを十分に読みとって味わうことはできなか...続きを読む
  • 生物から見た世界
    普段、我々が五感で感じている世界は、絶対的にそこに存在しているものと思っている。しかし、他の生物とって同じような世界が存在しているわけではない。それぞれの生物には、それぞれが感じる世界(環世界)しかありえないのである。ユクスキュルはマダニやヤドカリなどの具体的な生物を例に挙げて、それをわかりやすく説...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    とても読みやすく、内容も共感できるところが多かった。自分の頭で考えること。なぜを大切にすること。自分の子供たちに読んで欲しい一冊。
  • 生物から見た世界
    「環世界」という言葉に既視感があり、手にとった一冊。

    この言葉に初めて遭遇したのは、『目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)』 という本を読んだときだったかと思います。

    環世界は、人間だけでなく、他の生物も当たり前のように持っています。

    人間の視点、ハエの視点など、様々な感覚知...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    物事の見方、考え方の習慣を一新してくれる可能性のある本です。気になったところを転記します。◆「宙(そら)に浮くすすめ」人間は理屈に従ってものを考えるので、理屈が通ると実証されなくても信じてしまう。実は人間の信じているものの大部分はそういうことではないだろうか。いつもぼくが思っていたのは、科学的に物を...続きを読む
  • 生物から見た世界
    人間を含む生物の感覚と、そこから見える主観的な世界。自分が見ている世界も主観であることを免れ得ない。そういうものの見方を鮮やかに示している。
    最近出版される本にもしばしば引用されているが、気軽に原本に触れられるのはありがたい。良書。
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    良質な本という感じがぷんぷんするよ。ひと頃、「〇〇しなさい」調のタイトルをつけたビジネス・自己啓発書がたくさんあったけど、この本は「〇〇してごらん。ぼくはそういうふうにしてきたよ、こういうふうに考えているよ」と、動物行動学の第一人者でありながら独立独歩であった著者がやさしく示唆してくれる自己啓発書。...続きを読む
  • 生物から見た世界
    人間が見ている世界が全てではないことを教えてくれる。動物の世界がいかに自分と違うのかこの本でもわかることにはわかるが、これをVRを使って誰もが体験できるようになれば、多様性への共感が高まるし、環世界に生きているという実感がわいて面白いなと感じた。
  • 生物から見た世界
    ・「環境」は、あくまで客体であり、主体の周りに存在しているだけのもの。
    ・一方で「環世界」は、主体が意味づけをして構築した世界を指す。

    環境問題はあくまで人間が起こした侵略のしっぺ返しであって、それが動物やら自然やらに貢献するものだという文脈はあまりに身勝手になるのだと。