ユーザーレビュー 生物から見た世界 ユクスキュル / クリサート / 日高敏隆 / 羽田節子 それぞれの生物が見ている世界は同一の環境ではなく、それぞれの生物が主体として作りだす"環世界"であるという考え方。 すごく新鮮で面白かった。 生物が捉えてる環世界について、いろいろな実験が挿絵付きで紹介されていてとても興味深い。 生物学的な評論なのかな?と思ってたんですが、生物学的もさることながら...続きを読むかなり哲学的な視点が強めでした。 すごく面白い理論でした。 分かりやすかったし楽しかった! 生物って本当に面白いなあ Posted by ブクログ 生物から見た世界 ユクスキュル / クリサート / 日高敏隆 / 羽田節子 環世界という概念。当然のことを言っているのかもしれないが、改めて色んな動物の世界の見え方をイメージしてみるととても面白い。 Posted by ブクログ 生物から見た世界 ユクスキュル / クリサート / 日高敏隆 / 羽田節子 生物(主体)は自分が持つ感覚器で世界を捉え、作用器で世界を変化させる。外界の物体(客体)は生物からの作用によって変化させられ、その結果生物に与える作用を変化させる。この環状構造を環世界と呼び、全ての生物がそれぞれ固有の環世界を持っているという。 感覚器の空間方向の分解能(例えば視力)によって世界の捉...続きを読むえ方が変わるのはイメージしやすいが、時間方向の分解能(人間は1/18秒)によって時間の捉え方が変わるというのは面白かった。我々は自分の感覚器で感じられる世界を"実世界"と捉えがちだが、それはあくまで人間の感覚器が受け取れる側面で切り取られた世界である。普段1人の人間として主観的にしか捉えていない世界を、メタ的に「それは人間の感じる世界でしかなく、真の自然は永遠に捉えることができたない」と教えてくれるのは、とても知的好奇心をくすぐられた。 本の読みやすさに関しては序盤に知らない言葉が多く出てきて戸惑ったが、その後に具体例で説明をしてくれるので、きちんと読めば理解できると思う。本文を通しての主張は基本的に同じで、様々な例が挙げられているという感じ。エーテル波という概念が例の中によく用いられており、時代を感じた。 Posted by ブクログ 生物から見た世界 ユクスキュル / クリサート / 日高敏隆 / 羽田節子 見ているものは同じでも見る人が違えば、見ているものの意味が違う。感じ方が違う。ということを思うと、正解探しはナンセンス。それが環世界 Posted by ブクログ 生物から見た世界 ユクスキュル / クリサート / 日高敏隆 / 羽田節子 普段、我々が五感で感じている世界は、絶対的にそこに存在しているものと思っている。しかし、他の生物とって同じような世界が存在しているわけではない。それぞれの生物には、それぞれが感じる世界(環世界)しかありえないのである。ユクスキュルはマダニやヤドカリなどの具体的な生物を例に挙げて、それをわかりやすく説...続きを読む明してくれる。 人はついつい他の生物を擬人化してしまう。他の動物にも我々と同じように世界を見て、同じように感じていると思ってしまう。それが他の生物や世界、宇宙を理解する上での弊害となっているのではないか、ということに気付かされる。 もちろん、ゾウリムシが人間よりも単純な環世界をもっているということは誰でも理解しているだろう。しかし、人間に見てているものが世界の全貌であって、ゾウリムシはその一部しか見えていないのだ、などと考えてしまうと、本質を見失う。人には感じられないが、ある動物には感じられるという事象はいくらでもあるのだから。 もし人間よりも複雑な環世界をもつ生物がいたとしても、人間にはその存在を知ることすらできないだろう。ゾウリムシが人間を認識していないのと同じように。 Posted by ブクログ ユクスキュルのレビューをもっと見る