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小学生のころ,ぼくはおもしろいことに気がついた.どうしてアゲハは同じ道を飛ぶんだろう? 少年はやがて研究者となりチョウの行動のふしぎを解きあかしていく.なぞを追って,世界を知るのはたのしい.動物行動学者が夢中で調べて見たこと感じたことを,失敗談もまじえて子どもたちに語る.【装画・解説=舘野鴻】
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Posted by ブクログ
アゲハチョウはなぜその様に飛ぶのか?という疑問から始まった研究。観察、考察、実験、失敗を繰り返し新たな疑問がまた湧いてくる。その過程をこの本ではユーモアを交えて非常にわかりやすく書かれていて、探究心を持ち続ける大切さを教わることができた。 巻末のエッセイも素晴らしくて日高先生の言葉に感銘を受けたの...続きを読むで子供の頃にこんな本に出会えてたらよかったのにと思った。 舘野鴻さんの後書きでは面白くて大好きな『うんこ虫を追え』(たくさんのふしぎ)の制作途中であると書かれていたのも楽しく読んだ。
題名から飛び方とか仕組みの本なのかなと思って読んだが想像とはちょっと違ってた チョウ道のことは知らなかったのでおもしろかった うちにもベランダにレモンの木があって、数年前から春にアゲハの芋虫がつくようになったのだけど、屏より背の低いレモンの木にどうやって気がつくんだろう?ととても疑問だったので、そう...続きを読むいうチョウ道から見えたか若葉の匂いがしたのかなと読んでてすこし納得できた
蝶は飛び、ヒトは歩く
子どもの頃、ぼくはいわゆる昆虫少年で、昆虫採集に明け暮れていた。小学校の高学年になる頃には、蝶ばかり、それもアゲハ科の蝶ばかり追いかけていた。ちょうどその頃、この本が出版され、ぼくの本棚にやって来て図鑑の隣に収まった。 残念なことに当時のぼくは、この本の面白さを十分に読みとって味わうことはできなか...続きを読むった。ただ蝶の美しさに魅せられていただけだったし、蝶がぼくの目の前を飛んでいたから追いかけていたのに過ぎなかった。 しかし、なぜ蝶はそこを飛んでいたのか。飛びながら何をしていたのか、なぜそのような飛び方をしていたのか……? この本は、明らかにされた情報を知識として紹介する図鑑や解説書のような本とは趣を異にする。なぜと問い、仮説を立て、調査して、条件や交絡を検討する。科学的な探究の物語である。その過程では、うまくいかなかったことにも、結果が得られなかったことにも、意味があり価値があることを教えてくれる。 約50年ぶりにこの本を読んでみた。今はもう昆虫採集に出かけようとは思わないが、散歩をしているときにふと蝶を見つけて、蝶はなぜ飛ぶのかと眺めている自分がいる。翻って、自分はなぜ歩くのか考えてみる。生きものには、意識や意図をこえた営みというものがあることに思いを馳せながら。
#アツい #深い #タメになる
どうやったら「なぜ」を解き明かせるのか。 「なぜ」から「発見」までの試行錯誤の実験の様子がありありと描かれている。 戦時中という厳しい環境の中でも、「好き」を貫き、担任の先生の「昆虫学をやるからといって虫ばかりを見ていてはだめだよ。まず本を読まなくちゃ。それには国語がいる。この虫は世界のどこにいるん...続きを読むだろう?それには地理がいる。いつから日本にいるんだろう?それには歴史がいる…」という言葉を受け、広く勉強し、「知る」ことを楽しんだ著者を見習いたい。
動物行動学の本でありながら、どこかミステリのようなワクワク感を伴う本。解説の舘野鴻さんも言う通り、日高先生を主人公とする物語が、内側に展開していく。そして、謎解きを楽しみにしていると、まさかの結末を迎える。それこそが、生物研究のリアリティなのだろう。また、表題作とエッセイのコントラストも良い。45歳...続きを読むの著者と、75歳を過ぎた著者の視点の違いと変わらないところが、寄り添っているように見えた。虫好きの人は勿論、生物の授業がつまらない人にお勧めしたい。ただし、研究の為とはいえ蝶を殺す描写が非常に多いので、注意。
学ぶことは、本来楽しいものである。ということを生き生きと語ってくれる本。 小中高のつまらない授業とは全く違う、本物の実験が学べます! 必ず答えがある学校の実験とは異なり、何度も何度も失敗と発見を繰り返しながらも、答えに辿り着かないまま終わる本の中の実験には衝撃を受けました。 チョウには決まった道...続きを読むがあるのではないか?という1つの仮説が多岐にわたる実験と、思いもよらぬ発見を生み出していく様は、人間の知りたいという気持ちにどれだけのエネルギーが込められているかということをまざまざと感じさせてくれます。 時に学校に反発しながらも、学ぶことの楽しさを見失わず、自学を続けた著者。 その姿を倣って、自分も知りたいという気持ちを見つけ、育んでいきたいと切に思います。
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