長谷川宏のレビュー一覧

  • 幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで
     本を読みながら、印象に残った箇所、覚えておきたい箇所をノートに写すようにしているのだけれど、この本は、全部写したくなるくらい最初から最後まで感動的な一冊だった。クセノフォン、エピクロス、セネカなど古代ギリシャから始まり、ベーコン、デカルト、ヒュームなど西洋近代を経て、アダム・スミス、カント、アラン...続きを読む
  • 幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで
    本書はヘーゲルの本の翻訳などで知られている長谷川氏による「幸福論」の概説です。本書では、ソクラテスから始まり、アリストテレス、セネカ、そしてヒューム、アダム・スミス、ベンサムを経て、20世紀のアラン、ラッセルにいたる哲学者が幸福をどう捉えていたか、を解説しつつ、実は長谷川氏本人の「幸福論」も展開され...続きを読む
  • 新しいヘーゲル
     ヘーゲル「精神現象学」にトライするための前段として購入。著者は言わずと知れたヘーゲル研究の泰斗。本書は著者が「精神現象学」を訳出する前年に出版されている(ただし僕が読もうと考えているのは熊野純一のちくま学芸文庫版。やはり時点が新しいのと、なんと言っても嵩張らないサイズであるが大きい)。内容は非常に...続きを読む
  • 新しいヘーゲル
    ヘーゲルセレクションを読んでも全く理解できなかったので購入。
    弁証法とヘーゲルの思想に底流するものを理解するには非常に良い本。適当に正反合とかをしたり顔で使う前に、まずはこれを読むと良い。
    ビジネスでアウフヘーベンとかそういう系の語を安易に使う前に、ぜひ読んでおきたい本。
  • 新しいヘーゲル
    名著である。難解な哲学の中でも難解と言われるヘーゲル哲学を理解できる形で提出されている。
    『現実的なものが理性的であり、理性的なものが現実的である。』
    ヘーゲルの哲学は、社会や現実、生活世界に開かれており、その現実との格闘において、精神は成長していく。

    ますます、ヘーゲル哲学に興味を抱いた。
  • 新しいヘーゲル
    よくまとまってるし、面白いと思う!

    けど、そもそものヘーゲル自身の哲学にどうしても興味がもてなかった、、、

    次にいこう!人生は限られてる

    ドイツ観念論とは、なんかうまく馴染めなかった

    かなりの部分が、下手くそな日本語訳の謎の言葉に辟易した、ということにもあり、そういう哲学研究の歴史に腹が立つ...続きを読む
  • 幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで
    哲学における「幸福」とは何かを、時代を追って振り返りつつ、私たちにとっての幸福を考える好著。

    幸福論と西洋哲学の相性の悪さが、内容の豊穣さを生んでいる。

    エッセイとして、静かに内省的に読める。自分の人生を振り返る糧になる。

    222pの「幸福になる義務」の節、そして、終論は味わい深い。
  • 幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで
    西洋を中心に、単純な「快・不快」では割り切れない「幸・不幸」の歴史について。

    自己の捉え方の移り変わりとともに幸福についての考えも変わっていくのがよくわかりたのしい。

    近代の幸福論はヒューム『人間本性論』から始まる。感覚、印象、観念、知性、感情、道徳、行為、経験の読みやすい解説。

    そしてアダム...続きを読む
  • 経済学・哲学草稿
    「経済学・哲学草稿」は、昔、岩波文庫を買ったことがあり、長い間――数十年間(笑)――持っていたのだが、結局、中をチラと覗いたっきり、1ページも読まないで棄ててしまった。

    なぜ読まなかったかといえば、もちろん難しかったから。

    いや、1ページも読んでないんで、難しかったかどうかもわからん。
    難しそう...続きを読む
  • 日本思想史の可能性
    天皇制について刺激的な論考があって読みごたえがあった。ただし、日本思想史の課題としては天皇制しかないという印象も受ける。それ以外にもテーマはいろいろあるのではないか。
  • 経済学・哲学草稿
    マルクスが26歳の時に書き著した草案。

    全体を通して感じることは、
    労働者の隷属状態に対しての批判。


    これが書かれたのは1844年。
    産業革命は1700年代後半からイギリスでおこっていった。

    マルクスはドイツ人だ。
    この時にはドイツにも産業革命の波は届いていただろう。

    波とは、工業化の波で...続きを読む
  • 新しいヘーゲル
    近代が持つ様々な政治的、文化的、社会的イメージと、ヘーゲルの生み出した思想とがいかに重なっているかが分かる。
    現代においても学校や職場など建前上は近代主義の思想に満ち溢れている。近代的理性を持つ自由な意思の集合体が、素晴らしい社会や国家を形成するという。
    この建前が存在しなくなると、選挙制度すら足元...続きを読む
  • 新しいヘーゲル
    在野のヘーゲル研究第一人者の手によるヘーゲルの入門書。冒頭でのヘーゲルに限らないアカデミズムに対する批判は痛快ですが、それでもやっぱり難しいものは難しいですよね。特に、『精神現象学』、『哲学史講義』、『歴史哲学講義』、『美学講義』あたりに関心のある方にはお勧めです。
  • 経済学・哲学草稿
    読みやすさに定評のある長谷川訳ではあるが、ついに読み通すことができたという感慨がある。
    経済学のほうはたいして見るべきことはない。経済学史の授業で習うような事がわかっていればよいのだろう。
    面白いのは、マルクスの疎外、外化の概念や類的存在の概念が説明されているところと、さらに面白いヘーゲル批判である...続きを読む
  • 高校生のための哲学入門
    著書は、「哲学」や「思想」は「個人の人生」と、どのように関わるのかを記す。答えは、「人生を楽しむ」ためというのが本書の主張である。
    著者は、塾に通う子供たちと山奥の合宿や演劇祭を行い、その子供の親たちと付き合い、PTAや地域の活動など、ながい模索を経て、「まわりに気兼ねしないで自分の考えをきちんと提...続きを読む
  • 経済学・哲学草稿
    岩波版の「経済学・哲学草稿」を一度通読した限りでは、さっぱりわからない事が多かったものの、光文社版では非常にわかり易い文章となっていた。
    マルクスの文章はまだ岩波版が多勢を占めているが、数少ない光文社版であることからも、初めてマルクスを読む人はこれがいいかもしれない。

    個人的には、経済学的思索...続きを読む
  • 高校生のための哲学入門
    [ 内容 ]
    「自分」とは、「社会」とは。
    私たちの「生きにくさ」はどこから来ているのか。
    難解な語を排し、日常の言葉で綴る待望の哲学入門。

    [ 目次 ]
    第1章 自分と向き合う
    第2章 人と交わる
    第3章 社会の目
    第4章 遊ぶ
    第5章 老いと死
    第6章 芸術を楽しむ
    第7章 宗教の遠さと近さ
    ...続きを読む
  • 高校生のための哲学入門
    「高校生のための」と前書きしてありますが、アイデンティティーに揺れる青年期の人たちだけでなく、或る程度事故を確立したと考えて日々を淡々と営んでいる人も揺るがせる、貴重な著作だと思います。

    抽象的な知と思考の在り方をどう具体化し、現実世界に生かしていくかを追求し続ける著者の姿は、宮城谷昌光作品の主人...続きを読む
  • 新しいヘーゲル
    一応望みうる最もわかりやすいヘーゲルの入門書。わかりやすいといっても、これくらいには難しくはなってしまう。
  • 芸術の体系
    まだそれほどくっきりと見えてもいないのに、人生について観念的に悩む時期でもある少女期に、ご多分にもれずわたしも人一倍あれこれなんだかんだと苦悩の日々を過ごしました。生きるとは・・・、愛とは・・・、死とは・・・、などの中に幸福とはということにも関心を持って、それで手にしたのがアランの『幸福論』(串田孫...続きを読む