長谷川宏のレビュー一覧
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本を読みながら、印象に残った箇所、覚えておきたい箇所をノートに写すようにしているのだけれど、この本は、全部写したくなるくらい最初から最後まで感動的な一冊だった。クセノフォン、エピクロス、セネカなど古代ギリシャから始まり、ベーコン、デカルト、ヒュームなど西洋近代を経て、アダム・スミス、カント、アラン...続きを読むPosted by ブクログ
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本書はヘーゲルの本の翻訳などで知られている長谷川氏による「幸福論」の概説です。本書では、ソクラテスから始まり、アリストテレス、セネカ、そしてヒューム、アダム・スミス、ベンサムを経て、20世紀のアラン、ラッセルにいたる哲学者が幸福をどう捉えていたか、を解説しつつ、実は長谷川氏本人の「幸福論」も展開され...続きを読むPosted by ブクログ
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哲学における「幸福」とは何かを、時代を追って振り返りつつ、私たちにとっての幸福を考える好著。
幸福論と西洋哲学の相性の悪さが、内容の豊穣さを生んでいる。
エッセイとして、静かに内省的に読める。自分の人生を振り返る糧になる。
222pの「幸福になる義務」の節、そして、終論は味わい深い。Posted by ブクログ -
西洋を中心に、単純な「快・不快」では割り切れない「幸・不幸」の歴史について。
自己の捉え方の移り変わりとともに幸福についての考えも変わっていくのがよくわかりたのしい。
近代の幸福論はヒューム『人間本性論』から始まる。感覚、印象、観念、知性、感情、道徳、行為、経験の読みやすい解説。
そしてアダム...続きを読むPosted by ブクログ -
著書は、「哲学」や「思想」は「個人の人生」と、どのように関わるのかを記す。答えは、「人生を楽しむ」ためというのが本書の主張である。
著者は、塾に通う子供たちと山奥の合宿や演劇祭を行い、その子供の親たちと付き合い、PTAや地域の活動など、ながい模索を経て、「まわりに気兼ねしないで自分の考えをきちんと提...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
「自分」とは、「社会」とは。
私たちの「生きにくさ」はどこから来ているのか。
難解な語を排し、日常の言葉で綴る待望の哲学入門。
[ 目次 ]
第1章 自分と向き合う
第2章 人と交わる
第3章 社会の目
第4章 遊ぶ
第5章 老いと死
第6章 芸術を楽しむ
第7章 宗教の遠さと近さ
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「高校生のための」と前書きしてありますが、アイデンティティーに揺れる青年期の人たちだけでなく、或る程度事故を確立したと考えて日々を淡々と営んでいる人も揺るがせる、貴重な著作だと思います。
抽象的な知と思考の在り方をどう具体化し、現実世界に生かしていくかを追求し続ける著者の姿は、宮城谷昌光作品の主人...続きを読むPosted by ブクログ