米原万里のレビュー一覧

  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―
    「そういう考え方もできるのか」とか「そんな事情があったのか」など、新たな発見に満ちた一冊だった。
    何より、これまでの経験や見聞きした情報から一冊の本にまとめ上げる著者の能力に脱帽。
    アメリカに批判的な部分も個人的には好感。
  • オリガ・モリソヴナの反語法
    ノンフィクションのようでいて、劇的なプロットで読者を飽きさせず、フィクションのようでいて、緻密な取材や資料研究に下支えされた正確な描写。フィクションとノンフィクションのいいとこ取りをしたような小説。
    ドストエフスキーを筆頭にロシア文学は途中で登場人物の名前が分からなくなって何度も戻り読みさせられる苦...続きを読む
  • 打ちのめされるようなすごい本
    ここ20年ほど一日平均7冊を維持してきたという、読書以外の時間を引けば最低1冊1時間のペースでしかも精緻に評論できる米原万里のすごさに打ちのめされました。
  • 不実な美女か貞淑な醜女か
    「美女」とはすばらしい訳文「貞淑」とは忠実な訳文のこと。

    同時通訳者の米原万理がその職業から見えてくる、職人技と心意気とを冷徹な頭脳で看破したエッセイである。また、民族が発生する言葉の裏にある文化を意識させてくれる。

    同時通訳ってこんな仕事だったのか!とユーモアがふんだんにあるこの文章からはじめ...続きを読む
  • 偉くない「私」が一番自由
    米原万里の作品群から佐藤優が編んだ選集。
    米原万里は少女時代をチェコのソ連学校で過ごし、ロシア語通訳者として活躍、のちに物書きとなった人。

    親は共産党員で地下活動が長かったという。通訳として国際舞台での実体験も豊富であり、読書量は一晩に7,8冊は軽いという知見の持ち主。

    ゆえにエッセイもそんへん...続きを読む
  • 旅行者の朝食
    食べ物に関するものを集めたエッセイ集。
    米原万里が食いしん坊であったことがよく分かる。「神戸、胃袋の赴くままに」というエッセイでは、米原万里が美味しいものに目がないこと、とても健啖家であること、食べることに関してはまるで子供のように無邪気に、あるいはむきになることがよく分かり、何か微笑ましくなる。
    ...続きを読む
  • オリガ・モリソヴナの反語法
    ノンフィクションっぽいフィクション。実話の部分もあって”この時代にこういう人が居たんだ”って感じられるからか、ソ連界隈のあまり興味ない世界でも本当に興味深く楽しめた。
  • 米原万里の「愛の法則」
    講演集4編。標題作で笑い転げ、以後はフムフムなるほど。著者だからこそ辿り着いた境地に足を踏み入れる...。
    ムダな言葉を削るのは、プレゼン資料を100作って50まで絞り込むプロセスと似ているなぁ。通訳、翻訳のお仕事をしたい方は読んで損なし!
  • ヒトのオスは飼わないの?
    ロシア語通訳者の米原万里さんが、捨てられたor迷子になった犬猫たちを引き取って、新入りが入る度に彼らの間で巻き起こる嫉妬から、親愛の情が育つまでの賑やかな生活ぶりが臨場感たっぷりに描かれている。

    出張先でも行き場のない仔猫や犬を見つけると連れ帰らずにはいられない著者の家の構成員は、時にその構成数を...続きを読む
  • 旅行者の朝食
    エッセイの名手による食べ物エッセイ。あちこちで書いたものの集積。何ヶ月か前の日経新聞の特集に取り上げていたような曖昧な記憶。

    心の底から敬愛申し上げる米原センセイがつまらないわけがない→やっぱり面白い。

    キャビアとかジャガイモの深い蘊蓄。キャビアを取った後のチョウザメを殺さずにジッパーを付ける!...続きを読む
  • 偉くない「私」が一番自由
    米原万里さんのエッセイが好きで、何冊か読んでいる。本書は、佐藤優さんが編纂した一冊。東京外国語大学の卒業論文が掲載されているのも、本書の特徴。
    今度、本屋さんに行ったとき、久しぶりに米原さんの書籍を手にしてみたいと思った。
  • 旅行者の朝食
    “舌禍美人”の食エッセイ。著者の興味の持ち方と飽くなき探究心に脱帽。
    気軽に読めてクスっと笑えて、捏ね繰り回す蘊蓄...、最高です! 人類二分法で言えば私は間違いなく後者だ。食べるために生きよう! 神戸に行きたくなった...。
  • パンツの面目ふんどしの沽券
    この本が出版されたのが2005年6月。米原万理が卵巣がんのために56歳で亡くなったのが2006年5月。がんとの闘病生活を続けながら死の1年前まで書いていた本が「パンツの面目ふんどしの沽券」という米原らしいタイトルのこの本である。嘘つきアーニャの真っ赤な真実、オリガ・モリソヴナの反語法などに比べれば、...続きを読む
  • オリガ・モリソヴナの反語法
    1人の女性舞踏家の過去や謎を探る旅を、主人公の視点から追体験しているような感覚になる。
    ページを読み進めるたびに、「彼女のことを知りたい」という思いが強まった。

    米原万里氏の作品らしく、徹底的な取材・文献に基づいた史実が多く描かれるため、旧ソ連とその周辺国の様子も手を取るように感じられる。
    特にラ...続きを読む
  • 打ちのめされるようなすごい本
    「打ちのめされるようなすごい本」米原万里。2006年文藝春秋社。
    米原さんの遺作?遺稿?となった書評連載を没後にまとめたものです。
    大変にオモシロくて、「イン・ザ・プール」から丸谷才一から政治や東欧やロシア関係から自然科学系まで、「これは絶対買って読もう」という印がいっぱいつきました。打ちのめされま...続きを読む
  • パンツの面目ふんどしの沽券
    お友だちに紹介され、早速読んでみた。なぜここにフォーカスしたのか? 着眼点が秀逸! 面白過ぎてイッキ読みでした。このテーマでここまで掘り下げられるのが素晴らしい。興味・仮説の起こし方がキモだということを突きつけてくれる一冊。
  • マイナス50℃の世界
    寒いところが苦手な私が、怖いもの見たさで読んでみた。感想...無理! 住めない! でも文章は小学生新聞に連載していたこともあり、子どもでも読めそうな文体で○。吉村昭氏の『漂流』でも大黒屋光太夫の件は触れられているが、『光太夫オロシャばなし』は恥ずかしながら初見だった。機会があれば読んでみたい。ヤクー...続きを読む
  • マイナス50℃の世界
    さっとすぐ読める。マイナス50度の生活。10分外に居られない、でも愛着を持って生活している人々。もっと詳しく知りたくなった。
    ただ、トイレ事情はかなり厳しい。。
  • 旅行者の朝食
    蘊蓄がたくさんあって、面白い!海外に住んでたので、深くうなづく記述が多かった。ロシア料理食べたい。ハルヴァ食べたい。
  • 打ちのめされるようなすごい本
    著者による書評集
    読書というのは知性を育んでくれるものだが、知性があればある程、読書を楽しめるし得られるものも深くなる
    著者の書評を読むとそれを強く感じる
    家に積読本が沢山あるのに、また読みたい本が増える