山田詠美のレビュー一覧

  • A2Z
    久々の女性作家の恋愛小説。
    やはり男性作家とは違う抽象的な表現のようなものが魅力的。
    主人公もなるおも一浩もなんか好きになれる。
  • つみびと
     蓮音は、やはり解離性障害だったんでしょう。小さいころから、過酷な環境に自分を合わせるしか術がなく、心の中の自我を奥に奥に追いやることで、なんとか耐えてきた・・・なんて思ったところで何の意味もないかもしれないけど。
     巻末の対談の中で、作者が『でも、間違いちゃいけないのは、「親がああだから、どうせあ...続きを読む
  • つみびと
    一気に読むとかなり疲れるが1日でも空けるともう読めなくなりそうで息継ぎしながら読み切った。

    主に3人の目線がかわるがわる描かれていくが、息子・桃太の章では突如として「ですます調」になる。母・蓮音と過ごす哀しい日々が子どもの目線を通すとおとぎ話のようなきらきらしたもののように思える。
    蓮音のしたこと...続きを読む
  • 吉祥寺ドリーミン ~てくてく散歩・おずおずコロナ~
    久しぶりの著者のエッセイ。
    コロナ禍下(正しくはね)旦那さんと吉祥寺界隈を仲良く散歩したり、ランチしてるそーな。
    でも、相変わらず間違った言葉使いにはひと言物申す姿勢は作家故かいや、著者の美意識の高さ故だろう。
    いい年した大人が”お父さん””お母さん”、自分の仕事をお仕事、おうち、お魚、”させて頂く...続きを読む
  • 吉祥寺ドリーミン ~てくてく散歩・おずおずコロナ~
    p198手書きの文字は気恥ずかしいです。でも、その恥を知ることが出来るからこそ、抑制が効く。書きたいことより書きたくないことの方が多い私という小説家を理解してくれる若手編集者が、ひとりでもいてくれる内はこのまま書き続けたいです。
  • つみびと
    難解な文章でもなく、何なら非常に読みやすいのにページを捲るのが辛かった。ネグレクトを題材にした話は多いが、そこに田舎の疎外感、女同士の争い等、目も当てられないくらい酷い展開が加わる。でも決して他人事ではないと思った。
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨
    BOOKOFFで購入。
    そういえば山田詠美って久しく読んでないなぁと思い手に取った。
    黒人の男性と日本人の女性の性愛の話書く人、というくらいの認識。実際、この本に関しては当たっているかも。
    書き出しから印象的でスッと入れる。文章がうまいなぁと思う。
    3編が収録されているが、1冊でお腹いっぱいという感...続きを読む
  • 吉祥寺ドリーミン ~てくてく散歩・おずおずコロナ~
    「吉祥寺デイズ」に続いて、週刊誌に連載した身辺雑記をまとめたもの。パートナーの「ヒロちゃん」(以前読んだ本でこう呼んでた。いろいろ衝撃的だったから覚えてるのだ)とは変わらず仲睦まじく、ほのぼのとした生活の様子が伝わってくる。うーん、「ほのぼの」…エイミーにこんな形容をする日が来るとは!「ベッドタイム...続きを読む
  • つみびと
    ネグレクト。たった一言で表していいのかと疑問に思うほどの痛ましさ。何をどう選択するかしないのか、その選択肢を増やしてあげるのが大人の役目。これが実際に起きた痛ましい事件だったという事に抉られるほどの痛みと私自身が母親であるということに恐怖すら感じてしまう1冊。
  • 風味絶佳
    口に入れてる間はねっとり甘いんだけど
    後味はビターでずっと残り続ける
    キャラメルのような恋愛にまつわるお話

    肉体労働に携わる男性たちに
    すごく敬意を払って描写してあることが
    あとがきから分かって素敵

    食べ物の描写と人間の描写を
    比喩している部分はものすごく生々しくて
    鮮明にイメージさせられた

    ...続きを読む
  • 100万分の1回のねこ
    その絵本の内容を忘れてしまったが、
    これだけの作家達に、これだけのお話を作らせるんだから、すごい絵本なんだな、と思う。

    大人になって楽しむ本があることに、幸せを感じる。

    挿絵を描いていたという方の話が、一番、絵本に近いんだろうな、という予感。
  • 100万分の1回のねこ
    絵本「100万回生きたねこ」のアンソロジー本。途中、あれ?猫出てきたっけ?っていう作品もあったけど、基本、要所要所に猫が登場。でも、猫飼い的に胸が痛くなるような描かれ方もあって、さすが100万回生きたねこだな。
    そういえば、100万回生きたねこは幸せなのかどうかって論争もありましたね。きっと、そんな...続きを読む
  • ぼくは勉強ができない
    片親だから、可哀想とか、周りが決めつけてはいけないのだと学んだ。
    可哀想とか、もったいないとかもだけれど、他人が人に対して言っていいものじゃないのだと。
    主人公の先生に対する意見については、本当に本当のことを言っているのにそれに対して怒られてしまう。
    価値観とかは、やはり人それぞれだから、人の意見に...続きを読む
  • 4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール
    全編エイミーって感じだった。
    山田詠美の世界から多大な影響を受けて育った思春期をなつかしく思い出した。いつまでも憧れのひと。
  • タイニーストーリーズ
    最強タッグ笑。タイニーストーリーズ10年以上前に読んだから、覚えてなかったけど、あの毒々しいエロティックな世界を内田春菊の絵で描くとより、濃厚で甘美で。
    たまらん。。。私は好き
  • A2Z
    26文字のアルファベットで表現するというから、細切れなコラム的なものが続くのかと思いきや、きちんと物語。
    夫婦としても、同業者としても、夏美と一浩が信頼し合っていることが節々から伝わってくる。
    お互い様だから丸く収まったのもあるのでは(^^)
  • A2Z
    しゃれた構成で、まさか本当にAからZまでのワードで章を区切るとは思わなかった。しかも一つも思いつかなかったし。
    およそ読んでこなかったジャンルの小説なんだろうな。ジャンルじゃなくて作者に馴れていないだけかもしれないけど。こういう作品を読むと、自分が人の感情にいかに鈍感かが思い知らされる。やれやれだ。
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
    夫に捨てられた妻(ママ)と、その息子、娘。
    妻を病気で失った夫(マコパパ)と、幼い息子。
    ママとマコパパが結婚し、五人の新たな家族を作る。
    その時、四歳だった弟創太でさえ、家族を演じなくてはいけないことをわかっている。

    アメリカン・アンティークで飾られた大きな家。
    家の中を磨き、飾り、子どもたちに...続きを読む
  • A2Z
    AからZまでの26文字ですべて描ける恋の話と、
    26文字でも2600文字でも世界中の言葉を組み合わせても描ききれない人との関係の中で、
    たったひとつの言葉で、関係を描くことができる
    夫婦の話。
    沢山の言葉を仕事にしている優秀な編集者の2人ですら自分達の関係を描く言葉はシンプルに【愛】。
    それに2人が...続きを読む
  • 賢者の愛
    久しぶりのエイミー。谷崎潤一郎「痴人の愛」へのオマージュ作品ということで、主人公である真由子が直巳を自分好みの男に育てていく話だと思って読み始めましたが、ちょっと想像とは違ってました。タイトルからして痴人の愛と対比してつけられているのでしょうが、じゃあ登場人物たちは一体誰が“ナオミ”で、誰が“ジョー...続きを読む