高橋洋のレビュー一覧
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難解だが面白かった。生物は生まれながらに内部を一定に保とうとする「ホメオスタシス」がある。それは微生物も人間でも同じ。意識や感情の順番も自分の中での理解とは違っていて、知的な刺激となった。
人間は高度な生き物なのだが、プランクトンとつながっていると思うと何だか不思議な感覚になる。腸が第2の脳と言わ...続きを読むPosted by ブクログ -
共感はネガティブな効果も持つということが丁寧に説明されている。私自身の意見と合致することもあり、思考がクリアになった。多くの人に読まれてほしい。個人的に著者の語り口が好み。
(学問の場では、)「道徳的情動の擁護者でも、暗黙のうちに理性に優先権を付与している」ので、理性が情動に優先するのは自明とのこと...続きを読むPosted by ブクログ -
本書の原題は「The Nocturnal Brain」、"夜行性の脳"とでも訳せようが、眠りといえば、日の出・日の入りと同じように万人に規則正しく訪れ、脳にとっての休息…では全くないことが睡眠医学の専門家によって描かれる。
それは多少の不眠や起床リズムのズレなどとはほど遠く、完全に昼夜逆転するこ...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトル通りの本。
睡眠異常と遺伝、エピジェネティクな要因、現在の環境要因、脳。。。
いろんなパラメータで、睡眠の側面を明らかにしていく。
また、治療法だけでなく治療経過、結果も詳らかにされていく。
意外と完治しない。
今夜眠れる人は、幸せを噛み締めたほうがいいPosted by ブクログ -
相手の感情をミラーリングした情動的共感。
一般に「共感」というものは絶対的に善であるとされているが、
本書では冒頭にあげた「情動的共感」が、ある局面、具体的には道徳的判断などにおいては悪しき作用をもたらすというショッキングな主張が展開される。
目の前で困っている子供と、遠くアフリカで生死さえ確かで...続きを読むPosted by ブクログ -
非常に重要。特にSNSで暴れたい人々は読んでおくべきだと思う。
訳者の高橋先生はいつも偉い。他にも、この本で論じられてるような最近の主要な論者の翻訳もいろんな先生によってけっこうなされていて、ほんとうによい時代になったねえ。Posted by ブクログ -
神経科学が専門
本書では細胞生物学から脳科学、文化、社会に至るまでを扱う
■第二 文化的な心の構築
5章 心の起源
人間の心の誕生には神経系と身体の連携が必要であること、また、心は独立した生物ではなく、社会的環境の一部をなす生物に生じたことを念頭に置く必要がある。
p91
感情と主観性は太...続きを読むPosted by ブクログ -
本書はアントニオ・ダマシオの新作である。
ダマシオは、「なぜ、そしていかに情動が生じるのか?私たちはどのようにそれを感じ、感情をもとに自己を築き上げるのか?感情はいかに最善の意図を支援したり阻害したりするのか?なぜ、そしていかに脳は身体と相互作用し、その機能を支援するのか?」という問いの答えを求めて...続きを読むPosted by ブクログ -
最初の部分はたしかに反共感論ではあったが、日本語の訳であり、情感に流されないという反感情論であったという気がする。Posted by ブクログ
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刺激的な論考。久しぶりに夜更かしして読み続けた。それぐらい脳を活性化させる内容。
共感は道徳性の中心的要素ではない。それどころか複雑な現実社会においては、共感がネガテイブに作用することが多い。ブルームの議論はなかなか周到で、いくつもの反論を想定しつつ、それに応えて自己の主張を裏付けていく。
共感のネ...続きを読むPosted by ブクログ -
映画のコミカライズだったかな。
生前の貞子が主人公。
表貞子は俗に言うふたなりだけど可愛いし良い子なんだよね。
裏貞子がやっかいなんだよなあ。Posted by ブクログ -
共感に多くを委ねすぎるなという論考。突き詰めるとシンパシーとエンパシーの違いのような点に行き着くのだろうか。
共感の捉え方、理性や道徳、システム2と呼んでいるものとの関係性、個人の中での重きの置き方など興味深い点が多かった。Posted by ブクログ -
情緒的な共感に基づいて意思決定や行動を起こすことは、しばしば合理的、理性的判断に劣る、ということを、個人の身の回りの意思決定から、公共政策まで幅広くカバーしている。共感によって戦争や暴力が道徳的に正当化される側面など、逆説的な論点も提示。学問的あるいは実証的なエビデンスにもとづく意思決定論の立場に重...続きを読むPosted by ブクログ
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睡眠の病に関する色々な話が読める本。問題なく眠れるというというのはありがたいことなんだなと思えます。
個人的にはボリュームがかなりある本だと思います。なかなか読み終わらなかった…Posted by ブクログ -
睡眠関連の疾患に苦しむ患者たちの症状を描いた本です。初めて睡眠関連の症状の話の本でしたので、興味深く読みました。かなり詳細な脳のメカニズムも書かれており、その部分が長いため、ちょっと置いて行かれる部分もありました。その分患者さんの不思議な症状の部分はオリバーサックスの本程ではありませんでした。1章で...続きを読むPosted by ブクログ
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共感は以下の2つに分けられる。
1.「情動的共感」(相手が感じていることを自分も感じる)
2.「認知的共感」(相手が感じていることを理解する)
1は、少数を救うために多くが死ぬような、結果をもたらすことが多い。
グローバリゼーション、ボーダレス、ジェンダレスな社会においては、2での行動や判断を...続きを読むPosted by ブクログ -
共感(Empathy)と言えば一般的には美徳の一つであるが、"Against Empathy" という扇情的なタイトルで、共感が持つ負の側面を紹介する。しかし、実際には共感を情動的共感("Think, First and Slow" の Kahneman 言うところのシステム1に基づく)と認知的共感...続きを読むPosted by ブクログ