児玉真美のレビュー一覧

  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    安楽死は「合法化」なのか、「非犯罪化」なのか…。
    安楽死と緩和ケアの混同。
    囚人でも安楽死を行う国もある。
    臓器提供安楽死の問題…。
    認知症や障がい者、精神的苦痛のみを理由にした安楽死の判断は難しい。
    その判断は誰がやるのか、医者なのか…。
    治療してくれてる医師に死にたいって言うのも、なんか辛いし、...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    安楽死が合法の国では安楽死の条件と対象がすべり坂を下りるように拡大して本人の意思で行うものから本人以外の判断で与えるものになってきていて、そこに「無益な治療」論や「パーソン論」「臓器提供(のための)安楽死」が悪魔合体している現状が紹介されているだけでなく、日本もこれらの動きと無縁ではないということが...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    安楽死の是非を、安直に判断するのではなくて、「なぜ」この人は死にたいと思っているのか?「なにが原因で」苦しんでいるのかを理解しようとする姿勢が大事。人の死を題材しているものと比較するのもよくないが、人事部で働くためのマインドセットとしても通じる気がした。
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    われわれが考える安楽死とは何か。そして安楽死先進国ではどんな問題が起きているのか、一方の日本では。考えるべきトピックが非常に多く読み進めるうちに辛いと感じる事も多かった。今の時代は段々と多様な命を許容できない局面に至っているのかもしれない。
    コロナ禍のトリアージは医療の現場にいない私は「仕方ない」と...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    ある意味想像を裏切った内容でした。
    自分には関係ないと思っていたが誰もが向き合う瞬間がある。
    是非一読してほしい。
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    本書を読む前までは、自分の中では安楽死を尊厳死と同じようなものと考えていて、自分が死にたくなった時に好きに死ねる制度の何が悪いのか・・・で、本書にやたら出てくる「すべり坂」という表現に、失礼ながら少々うんざり感もあったんだけど、半分くらい読んだところで、著者が重度の障害を持つ娘の母であるということが...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    終末期の患者がこれ以上苦しまないようにと善意で導入された尊厳死が、安易な解決方法として世間の選択肢に変わっていく過程が怖い。無益な治療の「無益」は患者にとってから社会にとってへと無邪気に変容するのも怖い。死を勧める前に福祉を充実させるべきという意識は常に持っておかないと落とし穴にはまりそう。
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    スイスやオランダで安楽死が認められている程度の知識しかなかったので、カナダのケベックでは死者の約7%がMAIDによる死亡となっている現状には驚きました。
    著者の言うように安楽死「賛成派」「反対派」のような単純な話ではなく、一人ひとりの「死にたいほど苦しい」理由や環境を医療機関や行政が理解して手を差し...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    私自身「安楽死」についてちょっと雑に考えていた部分があったように思う。本書を読んで反省した。最低限「尊厳死」「医師幇助自殺」「積極的安楽死」の区別はついてないとあかんね。それだけでこの本を読んだ意味があったようなもの。
    本書では世界各地の終末期医療とそれに伴う安楽死、いや医師幇助自殺と言ったほうがい...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    安楽死は個人の意思によって実行されるものという建前のもと、社会からの要請で死んだほうがメリットになる社会的弱者を締め出すものとなりかけている。経済的な状況や支援を得られない人が政治的に殺されている。カナダでは医療や支援がない人の最後の手段になってしまっている。それは元々の原則から逸脱した政治的な安楽...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    日本でもたびたび話題に上る安楽死の合法化。
    それについて、すでに安楽死が合法化されている国の事例を見ながら問題提起をしている本。


    〇日本で混同される言葉たち
     ・安楽死:医師が「死なせる意図をもって」薬物を注射。直接的に「死なせる」行為
     ・医師幇助自殺:医師が薬物の入った点滴等を用意するが、点...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    尊厳死=終末期の患者に積極的治療を開始しない、中止する。=消極的安楽死。死ぬに任せる
    安楽死=積極的安楽死と医師ほう助自殺。
    海外でも、積極的安楽死を認めるところも多い。
    医師ほう助自殺を尊厳死に含ませる国もある。

    2007年は、オレゴン州、オランダ、ベルギーが安楽死を認めていた。スイスは、医師自...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    安楽死を合法化すると、なし崩し的に要件が緩和され、終末期ではない患者に安楽死が提案されるようになる。医療費削減や医療資源の逼迫であるという本人とは無関係の要因で安楽死が進められる実態がある。既に患者の長男の意思で治療を中止する林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償請求事件、平成28年(...続きを読む
  • 見捨てられる<いのち>を考える
    安藤泰至、島薗進編著、川口有美子、大谷いづみ、児玉真美著『見捨てられる〈いのち〉を考える――京都ALS嘱託殺人と人工呼吸器トリアージから』は京都ALS嘱託殺人とコロナ禍の人工呼吸器トリアージの問題から命の選別について取り上げた書籍である。安楽死や尊厳死、優生思想に警鐘を鳴らしている。

    京都ALS嘱...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    作者の主張は 大きな絵として安楽死の合法化が弱者排除へのすべり坂になってしまうことの危惧、小さな物語として 死にたいと訴える人は、なぜ死にたいのか?を個々に解き明かすことが大事 というもの。
    安楽死を訴える人は痛いから、つらいからなのだから、安直に合法化議論をするまえに、痛さ・つらさを和らげる施策を...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    最初の方は各国での法令や運用、裁判になったケースなど、安楽死を検討するにあたって懸念される事項を客観的に公平な立場で紹介していたが、途中トリアージの話の辺りから著者の状況をふまえた強い反対への主張が感じられるように。すべり坂を懸念するのは分かるけど実際に希望する人もいる訳で、まずは厳格な運用から始め...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    前半の安楽死が既に導入されている国の事例は大変勉強になった。どこで線を引くのかの難しさや、導入されることで安楽死の要件がどんどん緩くなってしまう問題、社会保障で救われるべき案件にお金がかかるからと安楽死をさせられる問題など本当に難しい問題だと思い考えることが多かった。
    ただ後半は、医療や介護制度に対...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    安楽死が合法となっている国で起きている問題を説明しながら、安楽死という制度の現状、問題点を挙げ、もしも日本で安楽死が導入された場合どういった問題が起きる可能性があるのかを考察した評論。
    現代日本において生きづらさを抱えている人は多く、死にたい、安楽死制度があればいいのに、と考える人も少なくないだろう...続きを読む
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    健康寿命の不可解さは私も感じます。
    あくまで健康かは自分で判断するもので、肉体的にも精神的にも病院行かなければ健康かは多いに疑問です
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
    海外の安楽死の制度や実情が沢山書いてあり勉強になった。悪い情報のみピックアップして述べているように感じた。
    私は医療職者だか、安楽死には賛成である。DNARの日本の現状について述べているが、現状とはかなり違うと感じた。