佐原ひかりのレビュー一覧
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父の再婚で家族になった弟はブラジャーをつけていた。
LGBTとか性癖ではなく、純粋に好きなファッションとして。
姉のちぐさは受け入れたが、ふつうじゃないと思われたくない、でも弟の好きを大事にしたい、と揺れる繊細な気持ちに共感できる。
まっすぐな思いをぶつけ合う、ちぐさと晴彦のやりとりに、グッときた。...続きを読むPosted by ブクログ -
声の調子や何気ない動作で注目を集め、空気の色や温度を変えるような存在。……指揮者が振るタクトを追うように、目が自然と彼女の行動や表情を追い、意に沿うような音楽を奏でてしまう。(P.7)
そんな時、私はどう応えればいいのかわからず、途方に暮れてしまう。何か言おうと思っても、でてこない。月並みな言葉すら...続きを読むPosted by ブクログ -
程よいページ数、かわいい装丁、中身、全部が良かった!ちぐさの黙りがちな性格に対して絵美が言ったことは的を得ているなと思った。おとなしい人が全員千草のような考えを持っていると思わないが、わたしもあまり口数が多い方ではなく、喧嘩した際も言っても伝わらないからと決めつけて黙ることが多い。相手にはそれが伝わ...続きを読むPosted by ブクログ
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主人公の父が再婚し、弟になった母の連れ子はブラジャーを着けていた…。LGBTや多様性の話かと思ったら少し違った。でも他人に理解されにくい個性を認めてあげるという点では同じ主題なのかも。Posted by ブクログ
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読後感が良かった。
「食べること」に関する拒絶が話の中心ではあるが、家族や友人との関係性のもどかしさ、見えるもの見えないものの気付きなど、とても自然と飲み込める筆致で描かれていて、ほほうとなった。
読みやすいけど軽薄ではないです。Posted by ブクログ -
食べることに拒否感を感じてる女の子の話。
誰もが当たり前にしていることができない、人に理解されづらい悩みを抱えて生きるという辛さ。拒否されることの恐怖や立ち向かおうとするまでの葛藤。一人取り残されたかのような孤独感。色々な感情が豊かに表現されていて実に人間らしい物語だと思った。自分の当たり前を人に押...続きを読むPosted by ブクログ -
タヨウセイの考え方が広がっていく中で、それを受け入れる人間が“良い人”だという認識がどこかにあって、だからこそマイノリティの人を守らなきゃいけない傷つけてはいけない否定してはいけないというレールがひかれている
ちぐさが智くんと口論をする場面で「晴彦は智くんとは違う!あんたと違って、そんなことばっかり...続きを読むPosted by ブクログ -
『多様性』を上辺だけで知った気になると、返って周りを傷つけると思った。
義理だからこそ、互いの距離を測りながら歩み寄る姉弟の関係性が愛おしい。もっと二人の物語が読みたかった。Posted by ブクログ -
(2023/03/24)
「小説新潮 2023年3月号」
特集読切「あなたに見合う神様を」で
佐原ひかりさんを知る。
透明感のある文章を書く人だと思った。
涙を目から海があふれるって書くのとても清らかで素敵。
美しいんだけど、衝突の描き方巧すぎてヒリヒリ。読んでるだけなのに、現場に居合わせたみた...続きを読むPosted by ブクログ -
豊かな個性を持つ義弟晴彦と義姉ちぐさの青春物語。
晴彦に差別や非難の目を向ける人々に対して立ち向かっていくちぐさと晴彦の勇気と行動力。ちぐさの晴彦を思いやる気持ちに感動した。Posted by ブクログ -
ブラジャーを着けた弟を見て咄嗟に「これはLGBTQというやつで、否定しちゃダメだ」(意訳)と思うちぐさ
ちぐさとしては理解して歩み寄ろうとしてるけど、目の前の事象に対して自分の知ってる言葉を当てはめて解決しようとするのはエゴだと思った。
「何が好き」とか「自分を何者と感じるか」とかは人それぞれで、そ...続きを読むPosted by ブクログ -
自分の当たり前は人の当たり前ではない。吸血鬼と少女で【食べられない】という最終地点は同じでも食べたくても体が受け付けない吸血鬼と食べれる体があり食べれるけど食べたくない少女。最終地点が同じでも過程が違うとすれ違いが起こるよね。衣食住できることが幸せという考え方あって食べることが生きがいの人寝ることが...続きを読むPosted by ブクログ
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佐原さん、初めて読んだけど、個人的には好きだなぁと思った。そして読みやすい。
食べること=幸せ、って意識したことなかったけど確かにそれが世間の常識みたいなところあるよなと考えさせられた。食事を題材にした小説が多いのもめちゃめちゃわかる。
周りと違うことはおかしいこととされる世の中で、どれほど生きにく...続きを読むPosted by ブクログ -
佐原さんの作品は、いつも鋭いところをグサグサ突いてくる。
それがまたいい。
衝撃的な冒頭から始まる本作。
決定的に人と違っている部分があって、分かり合える相手がいない孤独。
常に周囲の目を窺って擬態するように生き、苦痛に耐える毎日。それがこの先もずっと続くとしたらーー。
そんな唯の前に現れた唯一...続きを読むPosted by ブクログ -
私は、食べるのが幸せで好き嫌いなく食べている。悲しいことがあっても、お母さんの作ってくれるご飯を食べればたちまち元気になる。
そんな私にとって、食べること自体が苦痛という感覚は大きな衝撃だった。
皆んな食べることに幸せを感じていて当たり前だと思っているので、それが気持ち悪いと感じる主人公の生きづらさ...続きを読むPosted by ブクログ -
著書を読むのは「ペーパー・リリイ」に続いて二作目。
前作に続いて本作も大満足!!
もうね、佐原さんの言葉がいちいち刺さる。
親の再婚で出来た義理の弟・晴彦がブラジャーを着けていた。頭に浮かぶ「LGBT 」の言葉。
義弟の晴彦や年上の彼氏、クラスメイト。
会話に違和感や嫌悪感を感じても、上手く取り...続きを読むPosted by ブクログ