ジョゼフ・コンラッドのレビュー一覧

  • 闇の奥(新潮文庫)
    全てを支配できると思い込む人間の傲慢さ
    不可能な事をできると信じ、できなかったら狂い出す人間の滑稽さ

    一見輝かしいことは、多くの人の肉体と精神が犠牲になって生まれているのだと思った。

    人が求めているのは平等ではなく、人よりも上に立つ事なのだと思う。

    地味にクルツの妻がホラー。
  • 闇の奥(新潮文庫)
    いわずと知れた地獄の黙示録の元本。出張先の書店で見かけて購入。
    原始の混沌に魅せられてしまった殉教者に魅せられてしまう物語なんだろうか。
    虐殺機関の元ネタなんだろうなー。
  • 闇の奥(新潮文庫)
     古典を読まなくなって何年にもなる。十代、二十代の頃は、向学心も強かったためか古典ばかり読んでいたのに、今は新作の追っかけに四苦八苦してそれで済ませている自分がいる。でも古典は、今も時に気になる。未読の古典はずっと心の片隅で消化されることなく遺り、燻り続ける熾火である。

     本作は多くの方とおそらく...続きを読む
  • 闇の奥(新潮文庫)
    狂気の描き方がほわっとしてるというか、表面的に読めばそこまで気が違ってるようには思えない。わかりにくい、といえばそれまで。この作品にホラーやサイコパスめいたものを期待してはいけない。そこらへんに散らばってる出来事や事実を拾い集めると、胃がもたれるような気味の悪さが浮かんでくるタイプ。じわじわきますね...続きを読む
  • ロード・ジム
    雑誌BRUTUSの村上春樹特集で、本人が選んだ51冊のブックガイドの中でまだ未読だったものの1冊。コンラッドの名作『闇の奥』は読んでいたのだが、同じ語り手マーロウが登場する他作品ある、というのはそもそも知らなかった。

    コンラッドの作品は、基本的に植民地支配がテーマであり、本書ではインドネシアのスマ...続きを読む
  • ロード・ジム
    ノルウェイの森の永沢が敬愛する作家の一人として挙げていたジョゼフ・コンラッド。漠然とした興味で手に取ったのが本作。既訳が何個か出ているが柴田訳を見つけるまでに何度も挫折。最初から柴田訳を見つけておけばよかった。。
    訳文を読んだだけで原文のコンラッドの英語の硬質そうな感じが伝わってくる。感情の描写では...続きを読む
  • 闇の奥(新潮文庫)
    象牙と病気になった出張所長を回収するため、蒸気船の船長になってコンゴの川を遡行。
    ドラえもんの大魔境を思い出します。
  • 闇の奥(新潮文庫)
    やっぱりアフリカ行ってみたかった〜!という的外れな感想。
    最後の対話の迫真さ。
    まぁ人生何かを信じたところでそんなもん。他者は他者。
  • 闇の奥(新潮文庫)
    訳者の注釈によると、”wildness”に『大密林』という訳語を当てたとのこと。日本語の表現の多彩さを感じる話であった。
    アフリカの蛮地に文明の光をもたらす使命に燃えてコンゴの奥地に来た筈のクルツは、文明的ルールの縛りのない大密林の中で、逆に蛮行を為す側になってしまう。これがクルツ個人の人間性に依る...続きを読む
  • 闇の奥(新潮文庫)
    植民地時代のアフリカの中央、コンゴでの話。著者の実体験を基にした小説ということで生々しさを感じた。植民地政策の傲岸さ、大自然の神々しさ、人類の非力さが伝わってくる。2023.5.19
  • 闇の奥(新潮文庫)
    クルツが自然に負けおかしくなっていて
    主人公は失望はしても、特に何も変化していない印象だった。
    短い話なのに停滞感が伝わってくる。
    名前が出てこないくらい人として扱われてない人が結構出てくるのが、植民地の考え方を現していて怖い。
    主人公は闇の奥は見えないままなのか?
    一度見続けたことで、あの森の中で...続きを読む
  • 闇の奥(新潮文庫)
    カーツ大佐・・じゃなかった、
    クルツ氏よ、お前の狂気はその程度か?

    「恐怖じゃない!恐怖じゃない!」よ!
  • 闇の奥(新潮文庫)
    岩波文庫、古典新訳文庫に続いて三冊目ですが、相変わらず読み難い。翻訳じゃなくて構成とか文体のせいなんでしょうか。主人公マーロウが船員仲間に語り聞かせる形で話が進むけど、本筋と完全に分けてないから、テムズ河上の船の上なのかコンゴの河の上なのか改行なしの一文章の中で行ったり来たりします。更に輪を掛けてま...続きを読む