志村真幸のレビュー一覧

  • 熊楠と幽霊(インターナショナル新書)
    博物学、民俗学の分野で多大な功績を残した地の巨人である南方熊楠。
    本書にもあるように、私自身も含めた多くの人は、水木しげるの「猫楠」での超人的なイメージが強いかもしれません。
    「猫楠」でも息子の熊弥との関係は描かれていましたが、本書では父親である弥兵衛との関係や、熊楠が自身を親不孝者と思っていた節が...続きを読む
  • 未完の天才 南方熊楠
    著者のこれまでの著作では、熊楠の行っていた学問に対し著者が抱く不満や、自らが日々取り組んでいる学問との差異が強調されることが多かった。このたびの著書でもその差異が扱われているが、しかしそれが熊楠への不満としてではなく、なぜそのような姿勢で熊楠が学問し続けたのかを解き明かす方向へと向いている。同時代の...続きを読む
  • 未完の天才 南方熊楠
    日本の天才の代名詞とも呼ぶべき南方熊楠が、実際のところどのような功績を残したと考えるべきなのか。

    その生い立ちから遡り、当時の時代性の制限の下、何をどのように研究し続けたのかは今持ってなお研究が進められていることに関心を抱く。天才と称される諸人物の中でも熊楠独自の特性が垣間見られ、彼への「未完」と...続きを読む
  • 未完の天才 南方熊楠
    学問それ自体が楽しいから学問する。
    これはいつの時代でもあるべき本来の姿だ。
    しかしこれを徹底するには別途、生活の糧がなくてはならない。
    実家が太いとか、財産や田畑があるとか。
    ダーウィンもそれゆえ在野の研究者でいられたし、Gマルセルも文筆で稼ぎつつ在野の研究者を貫いた。メディチ家に干されたあとのマ...続きを読む
  • 熊楠と幽霊(インターナショナル新書)
     博物学・民俗学の巨人、南方熊楠は多方面で研究・文筆活動を展開しましたが、本書ではその中でも幽霊や妖怪、超常現象(超能力)といった特異なテーマにおける活動を紹介しつつ、その背景が分析されています。

     熊楠は非常に筆まめな人物だったようで、学術誌への投稿もさることながら、膨大な日記も残しており、その...続きを読む
  • 熊楠と幽霊(インターナショナル新書)
    知識の巨人である熊楠が、幽霊や妖怪、心霊現象をどう考えてたのか。
    面白そう!と思って読んでみた。
    欧米で言われるところのオカルト現象を腐ったものと言いきる熊楠。
    そんな熊楠が科学の知識を認めながらも、自ら俗話や地方の説話にこだわって研究していたこと。
    いかにも熊楠らしく、時には学会に発表するけれども...続きを読む
  • 熊楠と幽霊(インターナショナル新書)
    名前は前々から聞いていたが詳しく知る機会がなかったので。
    熊楠という奇妙な名前が郷土に多い名前とわかり納得。
    読みやすい本。
  • 熊楠と幽霊(インターナショナル新書)
    19世紀末のアメリカとイギリスに遊学し、当時台頭していたスピリチュアリズムに触れ、日本に戻ってからも東西に共通点のある怪談や伝説を集め続けた南方熊楠。時に「オッカルチズムの如き腐ったもの」と激しく神秘主義を罵りながら、自身に起きた心霊体験を自慢げに披瀝することもあった熊楠は、死後の魂や霊界をどのよう...続きを読む