ジュリアフィリップスのレビュー一覧
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言い回しや表現が素晴らしかった。訳者によるものか作者によるものか不明だが。
カムチャッカ先住民とロシア人、女性と男性、田舎と都会。排他的な差別が描かれていた。
様々な女性のオムニバスのような形で話が進み、それぞれが抱えている孤独がうまく表現されていた。Posted by ブクログ -
誘拐事件の解決ドラマと思いきや、事件が起こった町で生きる人々の話
ソ連時代と現在の世代間の分断、先住民族と白人との分断
とても作者が同年代と思えないほど、語り手一人ひとりの生活が丹念に描かれているPosted by ブクログ -
小説を読んでこんなに心が痛むのははじめてだった。ある意味ではハッピーエンド的な終わり方かもしれないけれど、リリヤ、ソフィヤ、アリョーナその後のことを考えるとまた苦しくなる。3人の母親だってきっと手放しには幸せを謳歌できない。犯罪の被害に遭うこと、そのことで残る痛みまで想像させる。Posted by ブクログ
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カムチャッカを舞台に、複数の女性を月ごとに主人公にした小説。
とっかかりは幼い姉妹の失踪事件だが、事件の解決とかはあまり重きは置いてなく、土地ならではの閉塞感が女性の視点で描かれる。原住民、有色者への蔑視も見え隠れして、重厚だった。Posted by ブクログ