谷口ジローのレビュー一覧

  • サンドウィッチは銀座で
    谷口ジローさんの絵経由で知った作品。
    大好きな孤独のグルメにも通じそうな本の説明から手に取ってみた。サンドイッチは銀座で、なんてオシャレなお店紹介かと思いきや、ディープな池袋中華に始まり、どぜうやふぐ、最後には熊まで、孤独ではなく仲間とわいわい、お酒もまあよく飲む。お腹は空くんだが、なにせふぐやら熊...続きを読む
  • 孤独のグルメ【新装版】
    有名な孤独のグルメの第1巻
    テレビの実写版は何回かみたのだが漫画は初めて。
    初老の男の一人飯の漫画である。何か時間が起こるわけでもなく、ストーリーもない。
    輸入雑貨の貿易商を営む井之頭五郎は下戸ではあるが、食欲は人並み以上に旺盛である。ミシュランの星の店や行列のできる店を避けつつ、自分の胃袋と嗜好を...続きを読む
  • 孤独のグルメ 2
    久住昌之氏、谷口ジロー氏コンビのグルメ漫画『孤独のグルメ』第2巻。日本を飛び出し、フランス・パリへ出張した先でも、"孤独のグルメ"を楽しむ井之頭五郎の行動力が、すごいと思った。三鷹のお茶漬け屋で酔客と格闘する場面には驚かされた。
  • センセイの鞄(谷口ジローコレクション) : 2
    木桶や布巾 座卓の表面 そういう共感覚のようなものをいくつも感じる エリ・リャオ 耳年増で 篠島民宿「南風」 宵の口に来た時にえらく咳き込んでて 勝手な印象をつけては愉しんだ 綾とは的確な表現を使いましたね 鞄の中には空っぽの何も無い唯ぼうぼう儚々とした空間ばかりが広がっている タイミングと偶然とに...続きを読む
  • センセイの鞄(谷口ジローコレクション) : 1
    谷口ジローが評価されているのは特に、メランコリックな余韻をもつ静かで内省的な漫画物語の傑出した作家・漫画家として、散歩物語の『歩くひと』のような現代コミックの古典の開祖てある点だ。 酌をする女に色気を求めること 以前は「アンチ巨人」を大っぴらに標榜していた まりこのしゅくのとろろじる_芭蕉ですよ 自...続きを読む
  • 谷口ジローコレクション18  孤独のグルメ2 散歩もの
    僕が知る殆どの漫画家の作画の世界はテレビドラマのカメラワークなのに、谷口さんの作画の世界は常にスクリーンの1シーンなのだ。 これは如何に外食がうまく運ばず失敗だらけかという可笑しみの話だ それは孤独である尊さと迷う心とこの世界が生み出すやはり愛すべき時空なのだ 大波と繁茂する蘆のエネルギーが対比的に...続きを読む
  • 谷口ジローコレクション17  孤独のグルメ1
    「私」でも「僕」でもなく「俺」という一人称に相応しい雄々しさが漲っていた しきいき識閾 むげんのう夢幻能のように時空を渡る 父はその間隙をつくように汽車に乗り込む 生命存在は無限とも言える偶然性と共に始まり、誕生と成長の過程の中、急速に現実という極小に向けて縮小固定される。その縮小と固定が始まる前の...続きを読む
  • 孤独のグルメ【新装版】

    ドラマよりある孤独感

    ドラマが好きで、原作も気になり購入。
    ドラマよりも孤独感に溢れている。ドラマだとナレーションだから気づかないが、マンガだと心のなかで考えていることがよくわかる。
    そして静かに目の前のご飯と向き合う食事がしたいと思った。
  • 散歩もの
    「孤独のグルメ」のコンビで散歩もの。
    絵がいいのは間違いないが、言葉もまたいい。
    独り言の分量半端なくて面白い。
  • ステーキを下町で
    今回も平松さんのエッセイに
    谷口ジロー氏の漫画がついている
    ぜいたくな作りの文庫本。

    食欲旺盛な上に丈夫な胃をお持ちで
    うらやましいかぎり。
    だからこそ書いてある文章を読んでて
    楽しいんだよね。

    大衆酒場と夜の街をウロウロした回が
    秘密の場所をのぞきこむような
    わくわく感にあふれている。

    関西...続きを読む
  • サンドウィッチは銀座で
    ぜいたく~!
    平松さんのエッセイに
    谷口ジロー氏の漫画がついてるぜ。
    ああ…おいしそう。

    社員食堂に行ってる回がおもしろかった。
    それもタニタみたいな
    オッシャレ~なとこと違いまっせ(笑)
    文芸春秋や新潮社、横河電機、共産党本部など。
    すごいチョイスですね。

    東西のおいしいオムライスを味わったり...続きを読む
  • 孤独のグルメ【新装版】
    テレビドラマ版はよく観ているが、原作は初めて。
    頭の中で想像をしている井の頭さんとは違っていたので、初めは戸惑い。
    まあ、原作とドラマじゃ違うよな。

    買いすぎてしまう深夜のコンビニフーズにうなづいた(笑)
  • 事件屋稼業(1)

    あまり感情移入できない

    主人公がやる気なさそうな感じで淡々としていますし、いまいち何を考えているのかわからないところがあって、あまり感情移入して読むことはできませんでした。基本的に1話完結で、各話ごとにいろんな登場人物が出てきますが、その見た目がみんな同じ感じで、同一人物が違う名前で毎回出てくるみたいになってるのも、ちょっ...続きを読む
  • 風の抄 柳生秘帖
    歴史に疎く幕末は殊更面倒臭いと忌避している私が唯一好きな勝海舟が枠物語になっている。
    江戸以来の「柳生秘帳」が幕末の無血開城の伏線になっている、という話。
    時代劇には疎いので、知っていることしか思いを巡らせることができない(白戸三平も未履修)が、2点。
    ・装束が身分や立場を表して関所を通れるだ通れな...続きを読む
  • 神々の山嶺 1
    「メイドインアビス」のつくしあきひとの仕事部屋を取材するYouTubeで、つくし卿がお勧めしていた。
    確かにすり鉢状のアビスは、ダンテ「神曲」や本作の山や岩やを思い出させる。
    深町がミステリー的に迫っていく、羽生、岸、長谷たち。
  • 孤独のグルメ【新装版】
    個人輸入業者 豆かんは至ってシンプルなものである 浅草寺裏は所謂浅草とはまったく違う いくらどぶ漬け 上州のからっ風 ジェットのせいで歯車がズレたか… まるで巨人の内臓が剥き出しになっているようだ 不味いミノはゴムみたいだからなあ まるで俺の体は製鉄所_胃はその溶鉱炉のようだ サンチュ チャプチュ ...続きを読む
  • 孤独のグルメ 2
    青葉横丁 黒はんぺん 鰯粉のかかった 汁が辛子になっているので気を付けて インカコーラ チャンスはあった…でも踏み越えられなかった… 小津安二郎『お茶漬けの味』 けれんみ外連味のないピザ 素ラーメン 鳥取カレー 馬の背 見た目通り原寸大にウマイ 智に働けば角が立つ。情にさお棹させば、腹が鳴る… 松濤...続きを読む
  • ステーキを下町で
    食ものエッセイ。題名と表紙のステーキの絵に惹かれて。特に下町にこだわった作品ではなく、作者の方が行った全国の旨いものに関する内容。
    段落の終わり1行~2行に面白そうなことを書くことが多い文調なのだが、どうも個人的には余分なものに思えてくどかった。谷口氏の漫画とのセリフ相性も?な感じ。
    風邪っぴきのと...続きを読む
  • 「坊っちゃん」の時代 第四部 明治流星雨
    幸徳秋水らを中心に描く明治の社会主義者たちのお話。
    ところどころ差し込まれる漱石は第五部への布石か。

    「大逆事件」についてはよく知らないが、半分冤罪もいいところだよなあ、これ。

    警察から主義者の中へスパイとして潜り込んでいる“藤田五郎”は、斎藤一かと思ったが、時代が20年くらい後なので別人のよう...続きを読む
  • 「坊っちゃん」の時代 第三部 かの蒼空に
    石川啄木がとんでもないダメ男、クズであった……。
    お金がないのに、お金を借りると瞬く間にそれを使ってしまう……。

    「働けど働けどわが暮らし楽にならざり」って、そりゃそんなお金の使い方してたら楽にならんよ、てか働いてないし!と突っ込みたい。