宮﨑真紀のレビュー一覧

  • 舌を抜かれる女たち
    読んでよかった。そして、どこかで見かけた本のような気がするが……思い出せない。ネットだったろうか。新聞の書評だったろうか。どちらで見かけていてもおかしくはないが、思い出せない。



    『女性の発言がどれだけ公の場から排除されてきたか』という事が書かれている。
    講演の内容を本にしてあるので、読みやすい...続きを読む
  • 寝煙草の危険
    マリアーナ・エンリケスのデビュー作。
    国書刊行会のスパニッシュ・ホラーシリーズ第2弾。

    幻想味が強いエルビラ・ナバロと違い、純粋ホラーな作風。人間の怖さというより、呪術やゾンビ、幽霊などの怖さを描いた作品が多い。
    わかりやすくホラーな分、読みやすかった。そしてエゲツない表現は共通。ある意味リアルな...続きを読む
  • 兎の島
    エルビラ・ナバロの短編集。スパニッシュ・ホラーと銘打ってあるが、どちらかというと幻想文学?
    日常の何気ないことが、非常にむず痒く気持ち悪く描写されることが多く。嗅覚、触覚を使い読書をする感覚。良かった。

    ○ヘラルドの手紙
    付き合っている男性との別れを決意した女性の心理を描いた短編。現実なのか、この...続きを読む
  • 寝煙草の危険
    ★5 弱者の現実と奈落の底からの叫び声が聞こえる… アルゼンチン作家のホラー短編集 #寝煙草の危険

    ■きっと読みたくなるレビュー
    アルゼンチンの作家、掌編・短編からなるホラー作品集。良い作品なので、しっかりと読みましょう。

    テイストとしては文芸作品ですが、痛烈で狂気な描写が多く、アルゼンチンの歴...続きを読む
  • 舌を抜かれる女たち
    ギリシャ神話からヒラリークリントンまで、女性が発言することへの抵抗、妨害。
    いやいや、この長い屈辱の歴史が容易に変わるわけがない。あきらめずに続けなければ。
  • 幻覚剤は役に立つのか
    幻覚剤(サイケディリクス)についての概念が一変する内容。
    LSD,サイロシビン、MDMA、ペヨーテなどがその範疇に入る。
    幻覚剤には乱用に至るとか依存性が強くあるなどと我々は認識しているが、それは無いのである。
    幻覚剤を活用することで「うつ病」や「依存病=アルコール依存など」の治療そしてがんの末期患...続きを読む
  • 兎の島
    シュールな不安と恐怖を描く短編集。「兎の島」は小島に持ち込んだ兎が恐ろしく変容する物語、「最上階の部屋」は他人の夢が見えるようになる話、「メモリアル」は死んだ母からFacebookの友達申請が来る話です。先がどうなるか分からない不気味な味わいでした。
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験。スザンナ・キャハラン先生の著書。正気と狂気を見極めることができない精神科医。精神疾患である人とそうでない人を見極めることができない精神科医。もしそうであれば精神医学に意味はあるのと疑問に思う人がいても不思議ではない。でも狂気に苦しむ人がいて精神疾...続きを読む
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    ローゼンハンの偽精神患者の実験は広く知られている。しかし、そのニセ患者が自分と院生以外はいたかどうかわからない、という結論である。サイエンスに掲載された論文とともにこれを読むことがいいと思われる。ただし、400ページの本文のうち250ページは偽精神患者実験の説明であり、残り150ページがそのニセ患者...続きを読む
  • 幻覚剤は役に立つのか
    興味深い!マリファナアヘンコカイン覚醒剤等とは違いLSDは依存性ゼロ、脳の知覚機能へ一時的に「サイケデリック」に作用するだけで、LSDを服用した人はみな救済を体験し、サイケ体験はターミナルケアや精神疾患の治療に役立つ、というもの。

    治療薬として効果のある幻覚剤の成分構成と脳機能との化学反応など専門...続きを読む
  • 花嫁殺し
    結婚式を控えた花嫁が無惨な方法で殺害された。
    8年前にも同様の事件があったが犯人は服役中。これは連続殺人なのか、模倣犯が現れたのか?
    捜査にあたる特殊分析班のエレナと所轄のサラテ、エレナのチームの個性的な面々が魅力的。
    エレナの背負う苦悩も徐々に明らかになっていき、クライマックスへ!
    クライマックス...続きを読む
  • 幻覚剤は役に立つのか
    ★脳を揺さぶる科学と導く人間のノウハウの間★覚醒剤や麻薬、LSDの区別がよく分からないが、LSDやシャーマニズムで使われるマジックマッシュルームのようなものは中毒性はないという。
    幻覚剤にはかつて米国の医療分野などできちんとした研究の蓄積があったがサブカルとして広がった反動で抹消されてしまったという...続きを読む
  • 花嫁殺し
     ある意味、完璧と言える構成の傑作だ。冒頭から読者を引きつける、あまりにも奇抜な殺人。マドリードの公園で発見された被害者女性は、頭に三つの小さな穴を開けられ、その中に入れられた蛆たちに脳みそを食われていた。ショッキングだし、その異常さにも程がある。

     被害者の姉も、実は類似の手口で七年前に殺害され...続きを読む
  • 怪物のゲーム 下
    〈怪物〉を名乗る人物に娘を誘拐され、3つの課題をやり遂げなければ娘に同じことをした末に殺すと脅されるディエゴ。それは彼が書いた小説を模倣していて‥‥。

    課題の内容がおぞましくて気持ち悪くて、早く解決して欲しいという思いで一気読み。『クリミナルマインド』みたいだけど、警察がそこまで優秀じゃない。ディ...続きを読む
  • 寝煙草の危険
    ・とっつきにくいかな?と思っていた読む前の印象と違い全然読みやすかった。訳が良い?のか?言葉も現代的なスラングも使われている所もあり、面白かった。
    ・全体的に覆われる不穏感。ラテンアメリカ文学的は不思議さみたいのも感じるけど、何となく思っていたのは映画のJホラー的な不穏さ。何もまだ起こってないのに何...続きを読む
  • 幻覚剤は役に立つのか
    面白い。しかし脳に作用する物質でスピリチュアルな悟りを得るのが好きだねアメリカ人は。それのどこが悟りなのか。精神が物質の結果でしかないこの上ない証拠のように思うが。
  • 兎の島
    装丁が綺麗で手に取ったもの。
    11の短編。タイトルの兎の島は、川の中の小島でウサギを飼ったところ、兎が想定外の行動を始める話。主人公がいなくなると、ウサギも死んで何もなかったかのようになる。
    「ホテル最上階の部屋は」、住み込み料理人が、ホテルの部屋で他人の見る夢を見始める。
    他人が見ている夢といいつ...続きを読む
  • 幻覚剤は役に立つのか
    タイトルに惹かれて読みました。幻覚剤(LSD)は偶然の産物で、これがきっかけで精神薬などが開発されるようになったというのはかなり興味深い逸話です。本書は幻覚剤の歴史とそれを取り巻く社会状況、また著者の幻覚剤体験なども織り込まれた圧巻の500頁の作品。幻覚剤は今でこそ違法薬物ですが、かつてはLSDが様...続きを読む
  • 兎の島
    全く、スペイン語圏ホラーに触れるのは初めて。新鮮という感触より、同じ 人間同士という事でのカルチャーショックを愉しんだ。

    妄想、夢想、無気味、居心地悪さ、嫌悪的感触や臭気・・は人間なら同様に感じるはず~言語は異なっても。

    11の短編はいずれ劣らぬ秀作。
    個人的には「兎の島」のシュール度が圧巻。
    ...続きを読む
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    著者には脳炎を精神病と誤診された過去がある。危うく精神病棟に移送されかけたが、別の医師が脳炎を見抜き、事なきを得た。なぜ簡単に誤診が起きてしまうのか? 精神病とはいったい何なのか?  著者は自身の体験から、こう問い続けた。脳疾患と精神疾患の境目について調べていく内に、著者がたどり着いたのは「ローゼン...続きを読む