兎の島

兎の島

3,000円 (税込)

15pt

4.0

川の中洲で共食いを繰り返す異常繁殖した白兎たち、

耳から生えてきた肢に身体を乗っ取られた作家、

レストランで供される怪しい肉料理と太古の絶滅動物の目撃譚、

死んだ母親から届いたフェイスブックの友達申請……



今、世界の文芸シーンでブームの渦中にある〈スパニッシュ・ホラー〉の旗手による、11篇の鮮烈な迷宮的悪夢が本邦初上陸!!!



現実と地続きに現出する奇怪な歪み、底知れぬ不安と恐怖を、

生理的嫌悪感を催すような濃密で冷たい筆致で描き切った、

現代スペインホラー文芸の旗手による11篇の鮮烈な傑作怪奇幻想短編集!



〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは

マリアーナ・エンリケス、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。そして、このほど本書で初めて邦訳紹介するスペインの新進作家エルビラ・ナバロも、その代表的な書き手として数えられる。



作者エルビラ・ナバロは世界最大の文学誌Granta誌(英)のスペイン語圏ベスト若手作家にも選出された気鋭の作家。 本書の英訳版(2021)は、ニューヨーク・タイムズ紙、ロサンゼルス・タイムズ紙などの各紙誌でも絶賛され、同年の全米図書賞翻訳文学部門ロングリストにノミネートされた。



「この作家は生まれながらの文学的才能に恵まれている」エンリケ・ビラ=マタス

「不安を掻き立てる、カフカ風ですばらしい語り口」マヌエル・ジョレンテ



La isla de los conejos, 2019



【目 次】

ヘラルドの手紙

ストリキニーネ

兎の島

後戻り

パリ近郊

ミオトラグス

地獄様式建築に関する覚書

最上階の部屋

メモリアル

歯茎

占い師



謝辞

訳者あとがき

...続きを読む

兎の島 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    シュールな不安と恐怖を描く短編集。「兎の島」は小島に持ち込んだ兎が恐ろしく変容する物語、「最上階の部屋」は他人の夢が見えるようになる話、「メモリアル」は死んだ母からFacebookの友達申請が来る話です。先がどうなるか分からない不気味な味わいでした。

    0
    2022年12月05日

    Posted by ブクログ

    装丁が綺麗で手に取ったもの。
    11の短編。タイトルの兎の島は、川の中の小島でウサギを飼ったところ、兎が想定外の行動を始める話。主人公がいなくなると、ウサギも死んで何もなかったかのようになる。
    「ホテル最上階の部屋は」、住み込み料理人が、ホテルの部屋で他人の見る夢を見始める。
    他人が見ている夢といいつ

    0
    2023年05月27日

    Posted by ブクログ

    全く、スペイン語圏ホラーに触れるのは初めて。新鮮という感触より、同じ 人間同士という事でのカルチャーショックを愉しんだ。

    妄想、夢想、無気味、居心地悪さ、嫌悪的感触や臭気・・は人間なら同様に感じるはず~言語は異なっても。

    11の短編はいずれ劣らぬ秀作。
    個人的には「兎の島」のシュール度が圧巻。

    0
    2022年12月14日

    Posted by ブクログ

    短編集。これからなんか展開が。。。何もなくいきなり終わる。という。疲れる。冒頭のやつと、終わりくらいに倦怠カップルの別れが書かれていてそれが共感できた。1個目はいわゆる修羅場を経験せずに関係を終わらせたい、ってやつで、なかなか。後のやつ。なんだかいい歳だし結婚してみるか、という男女が一応挙式などを行

    0
    2023年08月10日

    Posted by ブクログ

    どこまでが現実でどこからが夢や妄想なのかわからないような、うっすらと不安や不快感が漂う話が11篇。

    私はあまりハマらなかったかもしれない。
    幻想小説は好きな方だけど…文章?展開?うーん…。

    『冥界様式建築に関する覚書』が一番好き。

    0
    2023年01月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エルビラ・ナバロの短編集。スパニッシュ・ホラーと銘打ってあるが、どちらかというと幻想文学?
    日常の何気ないことが、非常にむず痒く気持ち悪く描写されることが多く。嗅覚、触覚を使い読書をする感覚。良かった。

    ○ヘラルドの手紙
    付き合っている男性との別れを決意した女性の心理を描いた短編。現実なのか、この

    0
    2023年09月23日

兎の島 の詳細情報

閲覧環境

注意事項あり
  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア
  • 【閲覧できない環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す